340 / 379
「我」貫き通せー1
しおりを挟む
下田通りの路地でにらみ合う人陰とリナルド。リナルドは獰猛な犬の形相で人陰をにらむが、彼は一歩も引かない。
「やれ! ぶっ殺せ!」
リナルドが鳥を退化させて産み出した恐竜たちに指示を出す。恐竜たちは一斉に人陰に襲いかかった。
「ラストバトル!」
「任セロ、相棒!」
ラストバトルは1体1体を的確に首の骨を折る形で無力化していく。人陰本体は、ラストバトルが守りやすい背中の上に乗っていた。
しかしその隙に、恐竜の背を伝ってリナルドがラストバトルの背中に乗った。無防備な人陰にリナルドが迫る。
「影ニ表裏ガアルト思ッテンノカ?」
ラストバトルがそう言うと、それまで背中だったラストバトルの後頭部に顔が出てくる。そして実質腹の上に乗ったリナルドを叩き潰しにかかった。彼女は的確な判断でラストバトルから飛び降り、地上でうなり声をあげる。
「やっぱり、速くて即死攻撃持ち相手に俺を守りながら戦うのは不利か」
同じく地上に降りた人陰は、ある考えをまとめていた。それはラストバトル自身も薄々感じていた。だがそれは人陰に多大なリスクを与えることになる。
「相棒、俺ハマダマダヤレルゼ」
「俺なら大丈夫だ。俺が今一番怖いのは……」
するとラストバトルの出力がみるみる増大していく。それは単に背後に立つ影ではなく、人陰を包み込む薄い黒の何かになっていった。
「ここから逃げることだけだ! ラストバトル! 一人ぼっちの最終決戦(ロンリー・ラストステージ)!」
*
人陰はうす黒い膜のようなものに覆われた姿に変化した。それを見てリナルドは、何が起こったのか理解できないでいたが、ラストバトルのリーチがなくなったことは確かだと認識した。
「恐竜はまだまだいる! 踏み潰されるか噛み殺されるか選べ!」
形態を変化させた人陰に、元はハトやカラスだった恐竜の群れが迫る。そのうちの1体が人陰に食らいつこうとした、その時だった。
人陰は恐竜の顎を的確に拳で打ち抜き、隣の小さなビルへと叩きつけた。
「やれ! ぶっ殺せ!」
リナルドが鳥を退化させて産み出した恐竜たちに指示を出す。恐竜たちは一斉に人陰に襲いかかった。
「ラストバトル!」
「任セロ、相棒!」
ラストバトルは1体1体を的確に首の骨を折る形で無力化していく。人陰本体は、ラストバトルが守りやすい背中の上に乗っていた。
しかしその隙に、恐竜の背を伝ってリナルドがラストバトルの背中に乗った。無防備な人陰にリナルドが迫る。
「影ニ表裏ガアルト思ッテンノカ?」
ラストバトルがそう言うと、それまで背中だったラストバトルの後頭部に顔が出てくる。そして実質腹の上に乗ったリナルドを叩き潰しにかかった。彼女は的確な判断でラストバトルから飛び降り、地上でうなり声をあげる。
「やっぱり、速くて即死攻撃持ち相手に俺を守りながら戦うのは不利か」
同じく地上に降りた人陰は、ある考えをまとめていた。それはラストバトル自身も薄々感じていた。だがそれは人陰に多大なリスクを与えることになる。
「相棒、俺ハマダマダヤレルゼ」
「俺なら大丈夫だ。俺が今一番怖いのは……」
するとラストバトルの出力がみるみる増大していく。それは単に背後に立つ影ではなく、人陰を包み込む薄い黒の何かになっていった。
「ここから逃げることだけだ! ラストバトル! 一人ぼっちの最終決戦(ロンリー・ラストステージ)!」
*
人陰はうす黒い膜のようなものに覆われた姿に変化した。それを見てリナルドは、何が起こったのか理解できないでいたが、ラストバトルのリーチがなくなったことは確かだと認識した。
「恐竜はまだまだいる! 踏み潰されるか噛み殺されるか選べ!」
形態を変化させた人陰に、元はハトやカラスだった恐竜の群れが迫る。そのうちの1体が人陰に食らいつこうとした、その時だった。
人陰は恐竜の顎を的確に拳で打ち抜き、隣の小さなビルへと叩きつけた。
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる