Night Sky

九十九光

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Hip hip HOORAYー1

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 ある調整日の朝のことだった。

「夜空君、今日は一日私と付き合ってもらうよ」

 共同スペースでニュース番組を見てくつろいでいた遊大に、唐突に花子がそう命令する。

「……。なんでまた急に」

「今日は私も非番なんだけど、旦那が仕事で出かけてて暇なんだよ。だから一日付き合え」

「いや、僕今日はゆっくりしたいんですけど」

「ちなみにこれは命令だ! 拒否権はねえ!」

 駄々をこねる遊大を、花子は襟をつかんで乱暴に引きずって外へと連れ出した。

「ちょ、ちょっと待って! 誰か! 誰か助けて!」

 遊大が共同スペースにいる他の12人に助けを求めるが、その大半が「行ってらっしゃーい」と笑顔で手を振る。

 嘘でしょ! 今日はあの日と調整日が重なったからゆっくりしたかったのに!

 遊大の心の声は誰にも届かなかった。



 こうして花子の運転で着の身着のままどこかへとつれていかれる遊大。財布すら持たせてもらえない始末だった。

「で、どこ行くんです?」

 あきれながら遊大が花子に聞くと、彼女はこんな質問をする。

「君、寮制の初等部に入ってたから、アミューズメント施設とかで遊んだりとか全然だったんじゃない?」

 人生で一度も行ったことない、と遊大が答えると、花子はニヤニヤしながらこう答えた。

「そんな君にサプライズ! 今から行くのは東京でも屈指の巨大アミューズメント施設、ラウンドワンスタジアムダイバーシティ東京プラザて~ん! ボウリングにスポッチャにカラオケにゲーセンまで、なんでもござれの私のオススメスポットだー!」

 こうして2人は開店時間10分前に目的地に到着した。

 そもそもこういった施設自体、遊大が生まれた北海道には札幌にしかないため、登別で育った彼には初の経験だった。

「最初どこ行くー? やっぱり王道を行くボウリング? それともスポッチャ?」

「そのスポッチャってやつなんですけど……」

 遊大は車の中からの疑問だった、スポッチャとはなんだという質問をした。

「マジで? スポッチャ知らないの? じゃあそこから行こう」

 こうして開店早々遊大が案内されたのは、屋外テニスコートだった。
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