11 / 62
第一幕 騎士と魔女
第九話 聖なる力
しおりを挟む
「あの魔女、もしかして……」
集中しながらも、ひしひしと肌で感じ取れるセルティアの魔力と、宙を見る彼女の姿を目の端で捉えたエルは口の中で呟いた。
セルティアの魔法によって一度魔物と騎士隊の距離は開いたが、すぐに魔物はその距離を縮めてくる。
エル達の聖術が発動するのにそれほど時間は掛からないはずだ。現にセルティアは背後から聖なる力が高まっていくのを感じていた。
ほんの少しの間だけ魔物の群れの注意を引くことが出来ればいい。出来ることなら他の騎士隊の手を煩わしたくもない。
(……よし)
セルティアはそこまで考えると、握りしめた拳を開け、掲げた。
「我、セルティアの名において命じる」
セルティアは澄んだ声で小さく唱える。出来ることならこの声は他者に聞こえないように、気づかれないようにと願いながら。
再び彼女は緩やかな風に包まれ、口元を緩めた。
「少しの間だけ、魔物の動きを止めてもらってもいい?」
それは誰に言った言葉かはわからない。しかしセルティアが微笑むと、緩やかな風は吹き抜け、やがて激しくなり魔物の群れを覆うように巨大なものとなった。
「これは一体……」
呆然とその光景を眺めた騎士の一人が言った。目に見えないはずの風がその激しさから姿を現し、壁を作り出す。
「凄い魔力だな。まさか精霊自体を動かしてみせるとは……」
「え……?」
一息ついたセルティアに突如掛けられた声はエルのものであった。
少し驚きを見せてセルティアが振り返るとそこにはエルを含む聖騎士三人の姿があった。
「あの子たちの姿が見えるの……?」
恐る恐るとセルティアは他には聞こえないよう、小さな声で訊ねる。
副隊長の二人はその様子から何も見えていないということが分かるが、エルの眼差しは、傍目には何もない空間をしっかりと捉えていた。
「まあ、それなりには。こんなにはっきり見たのは久しぶりだ」
「驚いたわ……あなた、想像していたよりもずっと凄いかも」
はあ、とセルティアは感嘆の息を吐いた。
精霊は大きな力を持っている。聖術も魔術もその一部の力を借りているにすぎない。精霊の姿は人の目に映ることはないはずなのだが、稀に大きな力を持つ者は目にすることが出来る。
エルが精霊を見ることが出来るというだけで、彼の持つ聖力が強く大きいものという証明だ。
そしてその精霊に直接語りかけることが出来たセルティアの魔力は底が知れない。
だから彼女は誰にも気づかれないことを望んだ。そもそも精霊を見るこが出来る者などこの場にいないとたかをくくっていたのだ。
(凄いけど……見られたのは不味かったわね)
エルを侮っていた自分が悪いと、諦めのため息をつく。少し考えれば予想出来たのに、思慮が足りなかった。
「……」
魔女の様子に眉をひそめ、何か物言いたげな視線を向けるエルであったが、しかし彼は思ったこととは別の言葉を口にする。
「……とりあえず、早く帰りたい」
「……そうね」
首を傾げながらも相槌を打つセルティアをよそに、エルは背後に控える副隊長二人を振り返る。
「さっさと片付けて帰ろう」
「そうですね、隊長」
ハレイヤとジェークが頷くと三人はお互いにその距離を縮めた。そして片腕を前へ差し出す。
差し出された腕からそれぞれ淡白な光が溢れて、やがて一筋の細い光となり、空へ昇れば、天を突き抜ける。
まさしくそれが、聖なる力の表れであった。
天へと抜けた一筋の光は空を明るく照らし、薄暗かった辺りに清らかな光が優しく降り注ぐ。
それは温かい光、聖なる清浄の力。
光を浴びた魔物の群れは急におとなしくなった。増幅していた魔の力も静まっていくのが感じられる。
「魔物が……」
光と魔物を見つめていたセルティアは息を呑み、呟いた。
魔物はそれぞれ悲しそうな鳴き声を響かせ、群れは後退し辺りから姿を消してしまった。
恐らく、魔物たちの住処へ帰っていったのだろう。
「……終わったのね」
セルティアは一息吐き出すと、エル達を振り返り、ゆっくりと近づく。周りでは他の騎士達が喜びを表し、聖騎士に声をかけている。
「本当に凄いわね、予想以上だわ。あそこまで大人しくさせるなんて」
頬を緩ませて話すセルティアに、エルは肩を竦めた。
聖なる力は彼女が想像していてよりもずっと大きく、効力を発揮したようだ。
「魔は聖を嫌う傾向にあるからな。まあ、興奮も一気に冷めたんだろうけど」
「……でも、ちょっと同情しますね。あの魔物には……」
エルより半歩後ろに立つハレイヤがそう言うと、彼女の隣にいるジェークも頷く。
どういう形であれ、子を失った親を不憫に思ってしまうのは仕方がないことだろう。
そして仕方がなかったとはいえ、子を捌いたのは他でもない騎士隊だ。
「そうね……。ところで、あの人はどうするの?」
セルティアは未だに廃屋の前に佇むローブを着た男を眺めた。その言葉で思い出したかのように、騎士たちは男を捕らえる。加えて、ジェークは撤退の準備に取り掛かるように指示をした。
「あいつ、魔術師だろ? どっちにしたって連盟に引き渡すしかないな」
「それは構わないけど……この件を解決したのはあくまでも騎士様達だけってことにしておいてくれないかしら?」
困ったように小首を傾げるセルティアに、彼女の周りにいた聖騎士三人は訝しがる。
「……つまり、魔女殿は関与していなかったことにする、ということですか?」
ハレイヤが訊ねるとセルティアは苦笑した。
「そういうこと。まあ、魔導石のことはどうしようもないけどね。適当に含めといて。でも犯人を捕まえたのは騎士様。魔物を追っ払ったのも騎士様。事実には変わりないし、いいでしょ?」
「そうですが……隊長、どうします?」
「いいんじゃないか、別に」
投げやりに言うエルに、思わずハレイヤはため息をついた。しかし反論は一切しない。
「わかりました。しかし、なぜ?」
自分が創った魔導石とはいえ、犯人を捕まえ街の治安を守ったことに変わりはないのだから、それなりの賞賛されるだろうに。
わからない、と顔に表すハレイヤを見てセルティアは苦笑せざるおえなかった。
「なんてことない理由よ。苦手なのよね、連盟って」
ただそれだけの理由。しかし彼女にとってはそれほどの理由なのだ。
「魔術連盟が苦手って……魔女にとっては致命的だな」
呆れたように言うエルに、セルティアは曖昧に笑うだけだった。全くもってその通りなのだが、こればかりはどうしようもない。
魔術師は基本的に魔術連盟という組織に所属している。連盟から各々に指令を下され行動するのだ。役所内にある魔術部もその一端である。
つまり魔女であるセルティアも魔術連盟に所属しているはずなのだ。犯人を捕らえたとなれば業績に残る為、普通ならば進んで報告しそうなものである。
「まあ、いいじゃない。さ、帰りましょう?」
詳しくは語らず、おどける姿に疑問が残る。眉を寄せたエルだが、ふと思い出したかのようにセルティアを呼び止める。
「あと、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
「……魔女セルティアって、夢幻の魔女?」
一瞬にして彼女はその動きを止めた。エルの言葉を聞いたハレイヤとジェークも同じようにその動きを止め、己の上司を凝視する。
魔女と聖騎士の周りにだけ沈黙が落ちる。
固まった三人とエルの間に、時間を解すような優しい風が吹き抜けるのだった。
集中しながらも、ひしひしと肌で感じ取れるセルティアの魔力と、宙を見る彼女の姿を目の端で捉えたエルは口の中で呟いた。
セルティアの魔法によって一度魔物と騎士隊の距離は開いたが、すぐに魔物はその距離を縮めてくる。
エル達の聖術が発動するのにそれほど時間は掛からないはずだ。現にセルティアは背後から聖なる力が高まっていくのを感じていた。
ほんの少しの間だけ魔物の群れの注意を引くことが出来ればいい。出来ることなら他の騎士隊の手を煩わしたくもない。
(……よし)
セルティアはそこまで考えると、握りしめた拳を開け、掲げた。
「我、セルティアの名において命じる」
セルティアは澄んだ声で小さく唱える。出来ることならこの声は他者に聞こえないように、気づかれないようにと願いながら。
再び彼女は緩やかな風に包まれ、口元を緩めた。
「少しの間だけ、魔物の動きを止めてもらってもいい?」
それは誰に言った言葉かはわからない。しかしセルティアが微笑むと、緩やかな風は吹き抜け、やがて激しくなり魔物の群れを覆うように巨大なものとなった。
「これは一体……」
呆然とその光景を眺めた騎士の一人が言った。目に見えないはずの風がその激しさから姿を現し、壁を作り出す。
「凄い魔力だな。まさか精霊自体を動かしてみせるとは……」
「え……?」
一息ついたセルティアに突如掛けられた声はエルのものであった。
少し驚きを見せてセルティアが振り返るとそこにはエルを含む聖騎士三人の姿があった。
「あの子たちの姿が見えるの……?」
恐る恐るとセルティアは他には聞こえないよう、小さな声で訊ねる。
副隊長の二人はその様子から何も見えていないということが分かるが、エルの眼差しは、傍目には何もない空間をしっかりと捉えていた。
「まあ、それなりには。こんなにはっきり見たのは久しぶりだ」
「驚いたわ……あなた、想像していたよりもずっと凄いかも」
はあ、とセルティアは感嘆の息を吐いた。
精霊は大きな力を持っている。聖術も魔術もその一部の力を借りているにすぎない。精霊の姿は人の目に映ることはないはずなのだが、稀に大きな力を持つ者は目にすることが出来る。
エルが精霊を見ることが出来るというだけで、彼の持つ聖力が強く大きいものという証明だ。
そしてその精霊に直接語りかけることが出来たセルティアの魔力は底が知れない。
だから彼女は誰にも気づかれないことを望んだ。そもそも精霊を見るこが出来る者などこの場にいないとたかをくくっていたのだ。
(凄いけど……見られたのは不味かったわね)
エルを侮っていた自分が悪いと、諦めのため息をつく。少し考えれば予想出来たのに、思慮が足りなかった。
「……」
魔女の様子に眉をひそめ、何か物言いたげな視線を向けるエルであったが、しかし彼は思ったこととは別の言葉を口にする。
「……とりあえず、早く帰りたい」
「……そうね」
首を傾げながらも相槌を打つセルティアをよそに、エルは背後に控える副隊長二人を振り返る。
「さっさと片付けて帰ろう」
「そうですね、隊長」
ハレイヤとジェークが頷くと三人はお互いにその距離を縮めた。そして片腕を前へ差し出す。
差し出された腕からそれぞれ淡白な光が溢れて、やがて一筋の細い光となり、空へ昇れば、天を突き抜ける。
まさしくそれが、聖なる力の表れであった。
天へと抜けた一筋の光は空を明るく照らし、薄暗かった辺りに清らかな光が優しく降り注ぐ。
それは温かい光、聖なる清浄の力。
光を浴びた魔物の群れは急におとなしくなった。増幅していた魔の力も静まっていくのが感じられる。
「魔物が……」
光と魔物を見つめていたセルティアは息を呑み、呟いた。
魔物はそれぞれ悲しそうな鳴き声を響かせ、群れは後退し辺りから姿を消してしまった。
恐らく、魔物たちの住処へ帰っていったのだろう。
「……終わったのね」
セルティアは一息吐き出すと、エル達を振り返り、ゆっくりと近づく。周りでは他の騎士達が喜びを表し、聖騎士に声をかけている。
「本当に凄いわね、予想以上だわ。あそこまで大人しくさせるなんて」
頬を緩ませて話すセルティアに、エルは肩を竦めた。
聖なる力は彼女が想像していてよりもずっと大きく、効力を発揮したようだ。
「魔は聖を嫌う傾向にあるからな。まあ、興奮も一気に冷めたんだろうけど」
「……でも、ちょっと同情しますね。あの魔物には……」
エルより半歩後ろに立つハレイヤがそう言うと、彼女の隣にいるジェークも頷く。
どういう形であれ、子を失った親を不憫に思ってしまうのは仕方がないことだろう。
そして仕方がなかったとはいえ、子を捌いたのは他でもない騎士隊だ。
「そうね……。ところで、あの人はどうするの?」
セルティアは未だに廃屋の前に佇むローブを着た男を眺めた。その言葉で思い出したかのように、騎士たちは男を捕らえる。加えて、ジェークは撤退の準備に取り掛かるように指示をした。
「あいつ、魔術師だろ? どっちにしたって連盟に引き渡すしかないな」
「それは構わないけど……この件を解決したのはあくまでも騎士様達だけってことにしておいてくれないかしら?」
困ったように小首を傾げるセルティアに、彼女の周りにいた聖騎士三人は訝しがる。
「……つまり、魔女殿は関与していなかったことにする、ということですか?」
ハレイヤが訊ねるとセルティアは苦笑した。
「そういうこと。まあ、魔導石のことはどうしようもないけどね。適当に含めといて。でも犯人を捕まえたのは騎士様。魔物を追っ払ったのも騎士様。事実には変わりないし、いいでしょ?」
「そうですが……隊長、どうします?」
「いいんじゃないか、別に」
投げやりに言うエルに、思わずハレイヤはため息をついた。しかし反論は一切しない。
「わかりました。しかし、なぜ?」
自分が創った魔導石とはいえ、犯人を捕まえ街の治安を守ったことに変わりはないのだから、それなりの賞賛されるだろうに。
わからない、と顔に表すハレイヤを見てセルティアは苦笑せざるおえなかった。
「なんてことない理由よ。苦手なのよね、連盟って」
ただそれだけの理由。しかし彼女にとってはそれほどの理由なのだ。
「魔術連盟が苦手って……魔女にとっては致命的だな」
呆れたように言うエルに、セルティアは曖昧に笑うだけだった。全くもってその通りなのだが、こればかりはどうしようもない。
魔術師は基本的に魔術連盟という組織に所属している。連盟から各々に指令を下され行動するのだ。役所内にある魔術部もその一端である。
つまり魔女であるセルティアも魔術連盟に所属しているはずなのだ。犯人を捕らえたとなれば業績に残る為、普通ならば進んで報告しそうなものである。
「まあ、いいじゃない。さ、帰りましょう?」
詳しくは語らず、おどける姿に疑問が残る。眉を寄せたエルだが、ふと思い出したかのようにセルティアを呼び止める。
「あと、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
「……魔女セルティアって、夢幻の魔女?」
一瞬にして彼女はその動きを止めた。エルの言葉を聞いたハレイヤとジェークも同じようにその動きを止め、己の上司を凝視する。
魔女と聖騎士の周りにだけ沈黙が落ちる。
固まった三人とエルの間に、時間を解すような優しい風が吹き抜けるのだった。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる