【完結】幸福論

立華あみ

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憧れの具現

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 ––––起きられるかい。
 柔らかなミュゲの香り。清潔感溢れる匂いをいつまでも嗅いでいたくて、シーツに顔をすり寄せていると、声をかけられた。
「絢聖君、大丈夫かい?」
 落ち着いていながらも、優しく甘い低音。プライドが高く、高圧的な自分の父とは正反対の声。そうか、これはきっと未来だ。高級な柔軟剤の香りがする布団に、優しく独占欲が強い悠に愛される日々。理想の未来に、タイムスリップしたのだ。
 そう信じたかったが、聞き覚えのある声は彼のものだと理解してしまった。ずっと、夢に堕ちていたかった。
「秋頼さん?」
「あぁ、起きてよかった。心配したよ」
 小笠原秋頼、悠の父だ…。久々に会えたのに、自分は酷い二日酔いの状態で気まずく目を逸らしてしまう。
 そうだ…昨晩自分は、酷く酔っていた。そして、淋しく、虚しくなり、悠に当てつけてやろうとしていた。        
 今思えば、自暴自棄だ。完全に酔っぱらいな状態で店を出て。それから自分はどうした?記憶をなくすまで飲酒した経験は今までになく戸惑ってしまう。
「あっ、その何で僕は秋頼さんの家に?」
 あの心理状態だ。ないと信じたいが、恋人の父親を誘惑する可能性を否定しきれない。
 なぜなら、秋頼は最高に自分の理想なのだ。優しく、頼りがいがあり、何より悠の面影はそのままに、色気が増した男性。そう考えると、怖しくなり、せっかちな絢聖は事実を確認したくて仕方がなかった。
「昨日、店の外でふらふらになっている君を見かけ声をかけた。悠に連絡したが、寝てしまって電話に出ない。と泣きじゃくっていたよ」
 ––––恥ずかしい。酷く乱れる僕を秋頼は放置出来ず、井荻にある彼の家に連れて帰ったらしい。
「申し訳ございません。僕…帰ります」
 これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。布団から出て、服を着ようとした時だった。 
 服を着る…?絢聖は普段、服を脱いで寝ることがない。悠と愛し合った時だって、その後は全裸ではない。
 普段淡白な態度のくせに行為後、やたらと濃密な触れ合いを求めてくる彼の態度が嫌で、それを悟られないように恥じらう振りで服を着るのだ。それに、お尻あたりがとてもベタベタする。
「悠の所に早く帰りたいのはわかるが、まだ綺麗にしてあげられてない。一度、お風呂に入ってくると良い」
 昨晩何があったのか…。想像するだけで怖ろしいが、自分の秘蕾に手を這わせ状態を確認する。
「まだ足りないのかい?そこは、泣いてねだる君が満足するまで、充分に可愛がってあげたはずだ」
「ねだる?」
「あぁ。思い出してみるかい?」
 秋頼の、大きな手が絢聖の手を包み込み、そのまま、自身の蕾の奥深くに導く。
「いっ、嫌です。だめっ」
「昨晩とは別人のように、奥ゆかしいな。悠が君に入れ込むのもわかる気がするよ。昨日何があったのか、教えて恥ずかしがらせたくなる」
 ––––悠が入れ込む?自分ばかりが、悠に執着し、嫉妬し、欲しているというのに。
 酔いはとっくに醒めているはずなのに、悠に当て付けたい気持ちが再び沸々と湧いてくる。それに、彼のことばかり考えている日々に疲れている。もう、何も考えたくない。
「恥じらったと思ったら、今度は考えごとかい?本当に君は男殺しだな」
 再び寝台に横たえられ、腰の下に枕を差し入れられる。そのまま、足首を掴まれ持ち上げられ、蕾を剥き出しにされてしまう。
 子どもがおむつを替えられるような体勢にされ、絢聖は激しい羞恥に襲われ、啜り泣いてしまっていた。
「見えちゃ、やぁ、怖い」
 蕾をじっくりと見られ、そのまま舌を秋頼りがそこに這わせてくる。
「君はここを舐めてとねだった。悠は愛撫が短いと泣いていたじゃないか」
 秋頼の肉厚な舌が、蕾の入り口を焦らすように舐め回す。
「やぁ、あっあ…」
 ––––どうしよう、きもちがいい。
「昨晩、三十分近く舐めた頃には、君は挿入をねだってきた。可愛くて我慢をするのが大変だったよ」
 信じられない。この快楽に三十分も耐えていたというのか。もうすでに、頭がぼうっとしてきている。
「はぁ…、あっ…舌。なかぁ…欲しいぃ」
 性急な悠とは正反対の、じっくりと味わうような秋頼の愛撫に、思考が奪われてしまう。何も考えられない…それも良いのかもしれない。
「して欲しいのなら、自分で足首を持って、もっとお尻を上げなさい」
「はい…」
 ––––何故だろう。彼には逆らえない。自分自身の両脚を掴むと、そのまま頭部に持っていく。羞恥に耐えながら、秋頼が舐めやすいように、絢聖は秘蕾を見せつけた。
「絶景だな。尽くす君は可愛いよ。怖いことはしないが、私も昨日から我慢の限界でね」
 秋頼はそう言うと、窄まりにローションを垂らし、下衣から今にもはち切れそうな怒張取り出すと、絢聖の蕾にあてがう。
「あっ、だめぇ、いれちゃ…」
「それはしない。ただ、私だって君と気持ちよくなりたい。もう少し、頑張れるね?」
 慰めるように、秋頼は怯えで震える絢聖の唇に軽いキスを何度も落とす。落ち着いてからしっかりとした硬さを持つ、欲望を蕾に擦り付けた。
「はぁん…、おっきぃ、かたぃ」
 絢聖の窄まりを舐めていただけなのに、獰猛なまでにいきり立った秋頼の欲望を感じ身震いしてしまう。大きい––––標準から逸脱している。押し付けられた男根の固さから彼が酷く興奮しているのを感じる。
「あっ…あぁっ!うれしい」
 ––––いけないことだとはわかっている。けれども、秋頼は自分の体を褒めてくれる…可愛いがってくれる…彼が自分に関心を寄せてくれる…そのことに、満たされてしまう。
「もっと…もっとしてください…僕…尽くします」
 怒張を、蕾の扉に執拗に擦り当てる秋頼の動きに合わせ、絢聖も腰を左右にを動かす。
「はぁ…良くなって…いっぱい、して…」
「こらっ、動き過ぎだ。くっ…これでは私が持たない」
 秋頼が軽く、絢聖の尻を叩く。
「はぁ、だめぇ、もうイクッ、イク」
 絢聖は泣くように喘ぎながら絶頂を極めた。
「挿れてもなければ、前も弄ってないのに。イッたのかい?」
「ちがっ…ちが、いつもはこんなんじゃ…あんっ。ごめんなさい」
 あまりの快楽に自分が何を言っているのかもわからない。いつもは前を弄らなくては、達せないのに。異常なまでの快楽に混乱してしまう。
「本当、君は可愛いよ」
 秋頼の大きな手が、絢聖の柔らかな双臀を寄せ、そこに激しく欲望を前後させてくる。
「私はもう少し楽しみたい。もう一度するから、自分で胸をいじりながら耐えなさい」
 そう言う秋頼の息は乱れ、限界が近いのは明らかであるのに、絢聖の快楽をより昂めてくる。
 ––––おかしくなる。
「また…やっ、イクッ、出るぅ、出させて」
 とにかく、果ててしまいたい。それなのに耐えろと言われると何故だか従ってしまう。吐精感と必死に戦いながら、媚びるように腰を動かし、自身の真っ赤な突起を捏ね回した。
「…っ。良い子だ。いやらしくて、愛されている体だ。イキなさい」
 腰を引き、お互いの肉茎を一緒に握りそのまま数回扱くと、二人はほぼ同時に、白い飛沫を放った。
 放心状態の絢聖に、深く口付け、そのまま肩に跡を残す。秋頼が怒張から垂れる雫を絢聖の腹に擦り込んでくる。
 所有欲を滲ませる行動に絢聖は幸せを感じ、微笑んだ。

 ––––午後二時。
「無理をさせたね」
「いえ、秋頼さんだけのせいではないです」 
 不本意な行為ではあったが、どこか満たされた気持ちになったのは事実で、彼だけに責任を負わせるわけにはいかなかった。
「…そうか。お湯は丁度よかったかい?」
「えぇ、ありがとうございました」
 身を清め、服を着た絢聖は、さっきの淫れ方が嘘のように清純そのもので、自分に翻弄される彼をもう一度見たいと秋頼は思った。だが、あまりにもそれはくどく、自分勝手な願望だという自覚がある。
「あぁ。その、大分息詰まっていたようだが、今の気分は?」
「正直罪悪感より、満たされた気持ちの方が強いです。我ながら最低だとは思いますが」
「相当悠に当て付けたかったようだな。まぁ、最低なのはお互い様だ」
 当て付けたかったのは事実だが、それにより満たされたのではない。丸ごと味わうような求め方をされたのは初めてで、こんなに充足感のある触れ合いは過去になかった。
 いつも、相手に喜んで欲しくて。今思うと、行為中は常に悠の反応ばかり気にしていた。秋頼は、まず絢聖を昂めることに重きを置いた。彼に昂められ、それに酷く感じ、淫れる自分を見て、彼は興奮してくれた。
 それが嬉しくて媚びるように求めてしまった。挿入せずにこんなに気持ちが良いのなら、最後までしたらどうなってしまうのだろう。想像すると期待と恐怖に襲われる。「大丈夫」と甘やかして欲しくて、秋頼の服をぎゅっと掴んだ。
「本当に君は甘えん坊だな。悠の淡白さが堪えるわけだ」
 絢聖を抱き寄せ、そのまま髪にキスを落としてくれる。それだけで、絢聖の体温は上昇してしまう。
 ––––気性の荒い父。
 ––––愛情表現が薄い悠。
 そんな父や恋人と関わっていたら、甘やかしてくれる年上の男性に惹かれるのは、当然だった。
 甘え慣れていない絢聖は、自分の行動に歯止めが効かせられない。
「君は良い香りがするな…。ずっと抱きしめていたいが、もう悠が迎えに来る。シャキッとしなさい」
「今更ですか…。昨日連絡も返さなかったのに」
 ついこの前までなら、迎えに来た悠にとびきりの笑顔で「ありがとう」を言って、可愛い恋人であろうと意識していたのに。秋頼を知った今、そんな気にはなれないのが正直な所だった。
「そう言ってやらんでくれ。あの子なりに心配はしている。それに、自由に飲んで、酔いつぶれて、私の家に泊ったんだ。そのことをきちんと悠に謝って、その後、淋しかった気持ちも、ちゃんと伝えなさい」
「…はい」
 秋頼の発言が正論過ぎて、反論出来ない。けれど、そういうことが聞きたい訳ではなかった。
「悠が、僕をちゃんと好きなのはわかるんです。ただ、気持ちの重さが違うというか。僕はその…束縛されたり…あっ、跡を付けられたり、そういうので愛を感じるんです」
「まぁ、悠は自立しているからな。君とは、全然タイプが違うのだろう。基本、お互い自由に。甘い時間はしっかり楽しんで、支え合う時は互いにというスタンスだ」
「はい。僕は、その…」
「悠のものにされたいかい?」
 絢聖は、こくりと首を縦に振る。
 ––––愛する人に所有され独占されたい。
 ––––そして、その愛に安心したい。
「悠とは、正面から話し合ったのかい?」
「話し合いました。ただ、いまいち理解していない様子で。でも不安にはさせたくないから、努力すると。あっ、跡とかは付けるようになったのですが、それもさせているみたいで嫌で…ねだらなくても秋頼さんは跡を付けてくれたのに」
 そう言って絢聖は唇を尖らし、秋頼を見つめてくる。絢聖は、甘え下手であるくせに、媚び方は知っている。
 そんな彼に、愛おしさと、怖ろしさを感じ、秋頼は視線に気が付かない振りをした。
「悠は、小さい頃からよく構われていたからな。ようやく出来た子で、妻も私も天塩をかけて育てた。反動で干渉されたり、束縛したりに良い印象がないんだろう」
 八年前に亡くなった悠の母…つまり、秋頼の妻は、とにかく悠を可愛がっていた。風邪なんてひこうものなら、すぐに家に駆けつけてきた程だ。
 悠も、過干渉で大変だなと思っていた。反面、病気なれば、弱い、強くなれとしか言われなかった自分とは違い、心配してもらえる悠が羨ましいとも思った。絢聖の父は、強くあることを息子に求めたからだ。
 ––––愛されたかった。
 だからこそ、強くあろうと努力した。兄のように、凛々しくあろうとした。自分の弱さを、誰も受け入れてくれなかった。そして、本当の自分を誰にも見せられなくなった。
 時は流れ、悠と出会い、自分の弱さや願望を伝えられるようになった。わかりやすい愛情表現が欲しい、所有されることで安心すると。
けれども、悠に理解してもらえなかった。受け止めていたが、全然わからない様子だった。
 ––––ショックだった。
 けれど、お互いに、性格も、育った環境も違う者同士、理解出来ないことがあるのは当然だ。折り合いが付けられなければ別れるしかない。悠が好きだ…悠だって僕のことを愛しているから譲歩してくれた所が沢山あるのだ。
 頭ではわかっている。あんなに優しくて、精神的にも、経済的にも、自立出来ている男は中々いない。悠とならば支え合い、高め合う関係を築くのは可能だろう。
「わかってはいるんです…ただ、このまま人生終わるのかと思うと、淋しくて」
 初めての恋人、恋愛。このまま、激しい愛を知らぬまま衰えていくのは虚し過ぎる。とにかく、淋しくて、淋しくて、仕方がない。 
 理屈ではどうしようもない感情が存在している。嫉妬され、独占され、彼の愛でぐちゃぐちゃになってしまいたい。いっそのこと彼の愛で壊されてしまいたかった。
「––––私は、自分の父が厳格だった。甘えることなんて出来なかった。だからこそ、大人になっても誰かに甘えたくて、依存したくて堪らなかった。ただ、それは不可能だ。恋人は父親にはなれない。わかるね?」
「はい…」
 諭すような秋頼の声。また、正論だ。たが、正論では解決しないからこそ悩んでいる。
 しかし、それしか回答がないのも事実だとわかってはいる。秋頼が気持ちを理解してくれた…それが嬉しい。今はそれだけで良いのかもしれない。
「悠には、元々あまり執着心がないんだ。そんな子が長年、君を手放さない。仕事に熱心なのも君がいるからだ。君に見合う男で常にありたいのだろう」
「––––でも、僕にそこまで関心がないんです。誰と飲むかさえ聞いてこない」
 わかっている。それが、干渉することを良しとしない彼なりの配慮で、瘦せ我慢であることも。ただ、今はぐずりたい。秋頼が慰めてくれれば、悠との関係をもう少し頑張れる気がする。
「僕、そんなに魅力がないですか?」
 そう言うと、絢聖は熱っぽい視線を秋頼に送ってくる。随分と情が深い子に手を出してしまったと秋頼は内心焦った。だが、そこが可愛らしいのだからたちが悪い。
「魅力はあるさ…。ちゃんと愛されている体だった」
 秋頼は宥めるように、絢聖の唇を吸い、服越しに胸の尖りを刺激する。
「んっ…はぁんっ」
 無意識に腰を左右に動かす絢聖に苦笑しながら、秋頼は体を離す。これ以上無責任に彼を昂めるわけにはいかない。
「また、来なさい。悠との話も聞きたい。今度来る時は、君の香水を教えてくれ」
「香水?」
「あぁ、君は良い香りだ」 
 絢聖のやや乱れた服を直してやり、出ていく準備をさせる。
「ずっと好きで同じのを使っているんです。また…来ます」    
 絢聖は、微笑み迎えに来た悠と去っていった。

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