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第4章

⑫尿瓶におしっこ

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「じゃあ、両手を前に出して~」

ニヤニヤした顔で立花たちばなルナが言う。

これに逆らえないのが囚人の嫌なところ。
素直に従うと、慣れた手つきで黒色の手錠をかけられる。

やっぱ重たい…。

手錠で抵抗できなくなったのを確認されると、足とベッドを繋ぐ鎖が外された。

「じゃあ立ってねぇ」

気を付けの姿勢で立った途端、勢い良くズボンとパンツを下ろされる。

「うひゃっ!」

びっくりして変な声が出ちゃった。
丁寧に脱がしてほしいけど、言ったところで聞かないよね。

てか、下半身が裸になるのって久しぶり。

ずっと貞操帯がついていたから逆に違和感があるし、スースーする。

後、ちゃんとは洗えてないと思うから絶対に臭いわ。

「どう? 久しぶりのオマンコは? 貞操帯は寝ている間にわたしが外してあげたのよぉ」

「明日にもでもお風呂で洗いたいって感じ」

「自覚あるのねぇ。すっごく蒸れてて臭いわよぉ」

「いいから、早くして」

この恥ずかしい時間が長引くのはとても嫌。
規則で仕方ないこと…そう自分に言い聞かせて、何とか平常心を保つ。

立花ルナはもっとイジメたそうな顔をしているけど、眠気には勝てないみたい。
あくびをしながら尿瓶の先をアソコに押し当てる。

「もう出していいわよぉ」

「分かってる」

バケツの時から思ってるけど、ここが一番キツい。
全然出ないんだよね。

トイレじゃない! って脳がセーブしている感じ。

…ていうかめっちゃ恥ずかしい。
何このお世話されているような気分は!?

「フフフ、真っ赤な顔。可愛いでちゅね」

「やめてってば…」

目をつぶって便器を想像する。
出していいところだから、早く!

ここはトイレ。
今、あたしは座ってるの!!


…んんっ。

あっ、出てる。
出ちゃってる。

ジョロジョロとおしっこが尿瓶に溜まっていく音がする。
立ってするのって初めて。

なんかムズムズしちゃう。

「わぁ尿瓶がいっぱいになるわよぉ。ずいぶん我慢してたのねぇ」

そんなに出てるの!?
目を開けたいけど止まりそうで怖い。

おしっこの圧が強くなると、足がビクッと震えた。

「…はぁぁ」

息が漏れちゃった。
立っておしっこするの、気持ちいいかも。

最後の一滴まで出し終えると、尿瓶が外された。
ブワっと広がる臭いを感じながら目を開ける。

「あ~くっさい。見てよこれぇ」

立花ルナがおしっこで満たされた尿瓶を見せつけてくる。
ほんとにギリギリまで入っているじゃん。あと少し多かったら溢れていたかも。

「おもらし沙羅さらちゃんの出したてホヤホヤのおしっこよぉ」

「そ、そういうの、いいから」

「つまんないのぉ。じゃあ拭いてあげるね」

尿瓶のフタをすると床に置き、ベッドの下にある箱から白いタオルを取り出した。
あの薬を盛られたトラウマが蘇る。

「待って、変なやつ染み込ませてない?」

「欲しいのぉ? ま、ここは独房と違ってカメラないから、オナニーしてもバレないけどぉ」

「違う! あんな辛い思いは嫌ってこと…」

「フフフ、これは普通のタオルだから安心していいわよぉ。今日はそういうことはなしって決めてるから」

立花ルナは悪巧みをしているような表情であたしの股を拭く。
また騙されたと思いきや、特に何もない…。

指を入れるみたいな意地悪も。

「言ったでしょ? さっさと寝なさいねぇ」

パンツとズボンを戻され、手錠は外された。

「はーい横になって。最後に足を拘束してっと。じゃ、おやすみなさいねぇ」

立花ルナはすべての作業を終えると尿瓶を片手に、カーテンの隙間から外へ出て行った。

ようやく緊張や恥ずかしさから解放されたけど。

天井を見つめる。
何…この感覚。

分かんないよ。
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