毎日記念日小説

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10月13日 サツマイモの日 サツマイモ食べたくなってきた

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今日の雑談はどうかな?どうかな?
安定して楽しい雑談になるのかな?
それとも、もっと楽しい雑談になるのかな?
楽しみだな。
楽しみだなぁ。
今日はどんな話題かな。
ワクワクしながら俺は『雑談部屋』に入っていった。






今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。


”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”

やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。


”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『サツマイモ畑わき』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『関様』『中川様』『佐々木様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『サツマイモ』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”

アナウンスがやんで、光に包まれた。
サツマイモか。
サツマイモかぁ…
二日連続食べ物系の話題って、結構ついているんじゃないかな?
それにサツマイモなら、大学芋とか焼き芋とかでいっぱい食べたことがあるから、話すことも出来そうだな。
今日は昨日より盛り上がる気がするなぁ。
テーマは何にしよう。
”どんなサツマイモ料理が好きか”とかでいいかな。
シンプルだけどずっと話せそうだし。
テーマも決まったところで、光が収まった。

話し出しは関。

「今日の話題は、『サツマイモ』ですね、はい。皆さん、サツマイモは好きですか?はい。私は、だいぶ好きです、はい」
「あたしは、サツマイモ好きだよ。やっぱ、おいしいし」
「俺もサツマイモ好きだぞ。いろんな食べ方もできるし、何より、甘いし」
「俺も、サツマイモ好きだよぉ。おいしいしぃ」
「サツマイモ料理だと何が好き?俺は、大学芋が一番好きだな。外の甘さと、サツマイモの内からの甘さが両方あって好きだな」
「私は、焼き芋が好きです、はい。芋をそのまま食ってる感が強いのと、芋をそのまま焼いただけなのにあんなにおいしいなんて!という気持ちがあるので、焼き芋が一番です、はい」
「俺は、スイートポテトかなぁ。お菓子って感がしておいしいし、幼稚園ぐらいの時に母が作ってくれたから、スイートポテトが好きだなぁ」
「あたしは、やっぱ天ぷらかな。優しい甘さと、おつゆをめいっぱい吸う感じが最高だね。やっぱ、サツマイモ料理の最高は、サツマイモ天だと思う」



それから、各料理の話でもうひとしきり盛り上がったり、皆のサツマイモ料理のエピソードを聞いたりした。
体感だと、予想の数倍盛り上がった気がする。
今日は大成功だな。
やっぱりサツマイモはいい食材だな!!!
満足げにしていると、アナウンスが鳴った。





”33分52秒76が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。


サツマイモいいですよね。
焼き芋に、大学芋、スイートポテトに、天ぷら。いろんな食べ方ができて良いですよね。
特に焼き芋がいいですよね。
焼き芋とか秋って感じがしますよね。
季節と結びついている料理って素敵ですよね。
天ぷらもいいですよね。
天ぷらにすると、優しい甘さになって、それはそれでおいしいですよね。
今夜はサツマイモですね。
ついでに、じゃがいもとか山芋とか、他の芋も食べたくなってきました。


今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”

アナウンスが止んだ。

教室に戻ってきた。
今日のアナウンスさんはいつも以上に饒舌だった。
アナウンスさんってもしかしてAIではないのではと思えるほど、気持ちのこもったスピーチだった。
アナウンスさんって、もしかして人なのかな?
それくらい正確なアナウンスだし、気持ちもこもっているし。
雑談で話したからというより、アナウンスさんの話を聞いて、サツマイモの料理が食べたくなってきた。
親にメッセージを送っておこう。
”今日の夜は、サツマイモが食べたい!”
このリクエストは採用されるのかな?
お腹を空かせながらも次の授業の準備を始めた。






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