毎日記念日小説

百々 五十六

文字の大きさ
上 下
97 / 147

10月4日 古書の日 アナウンスさんって、人?

しおりを挟む
よし!
ちゃんと『雑談部屋』が復活してるぞ!!!
昨日は解放できなかったこの雑談への熱量、雑談魂!!!
これを開放しに、解消しに行かなきゃ!!
『雑談部屋』が俺を待っている!!
楽しむぞ!!一日ぶりの『雑談部屋』を!!
堪能しつくすぞ!!!定期メンテナンス後の『雑談部屋』を!!!
今日の話題は何かな?!!
楽しい話題かな?!!
話しやすい話題かな?!!
盛り上がる話題かな?!!!
なんだとしても楽しめる自信がある!!!
雑談に関する謎の全能感がある!!!
なんか、変にテンションが上がった状態で、俺は『雑談部屋』に入っていった。





今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。


”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”

やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。


”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『古書店内』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『野口様』『中川様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『古書』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”

アナウンスがやんで、光に包まれた。
古書か。
古書かぁ…
どっちなんだ?
この話題は、イージーな話題なのか?それとも、ハードな話題なのか?
ぱっと見だと分からないな!!
まぁ、今日の俺なら、どっちだとしても大丈夫な気がする!!
古書か…なんとなくのイメージはあるけど、実際に手に取った事はないなぁ。
落ち着いた感じがあってかっこいいよな、古書って!!
話題が『古書』…テーマどうしよう?
どっちに転ぶか分からないし、ちゃんとテーマを持って行こう!
何にしようかな?
なんか急にテーマが頭の中に降ってきた。
”古書店とかに行ったことがあるか”これにしよう!!
よし!テーマも決まったし、後は心の準備をして、雑談が始まるのを待つだけだ!!
心の準備をしようとしたタイミングで、光が収まった。

今日の先頭は、いつも通り九条!
今日もハイテンポな雑談が繰り広げられた。
なんか、こっちがメインとして定着してきている気がする。

「今日の話題は、『古書』だな!!!みんなって、家とかで古書って持ってるものなのか?!!!」
「俺の家にはないと思う!!!おじいちゃんの家にもないと思うな!!!うちのおじいちゃんは両方、あまりものを取っておかないタイプの人だから、ないと思う!!!」
「あたしの家も、やっぱないはず!でも、おじいちゃん家には、やっぱ、古い本が置いてあったよ!」
「うちには逆に、古書があるよ。父親が趣味で集めているやつが、うちに何冊かある」
「俺の家にはないな。見たことないしな!」
「古書ってあこがれるよね!!!大人な感じがして!!!」



それから、そこそこ、話が盛り上がった。
後半は、理想の古書シチュエーション発表大会みたいになってたなぁ。
それも楽しかったからいいけど。
最初から最後までちゃんと楽しむことができた。
明るい反省が終わると、アナウンスが鳴った。






”29分55秒19が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。

古書って憧れますよね。
おじさんの家の蔵にある古書とか、なんかロマンが詰まっている気がしていいですよね。
古書の茶色になっている紙っていいですよね。
古書にしか出せない色してますよね。
丁寧に管理されていたであろう古書だけが纏う綺麗な茶色。
あの色の本って憧れますよね。
古書って、どこに売っているんですかね?古書店とか?
そんな、こじゃれたお店が近くにあればいいのにな。


今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”

アナウンスが止んだ。

教室に戻ってきた。
今日の雑談も楽しかった。
二日分の雑談欲をぶつけることができて良かった。
今日のアナウンスさんの、話題に対するコメント長かったなぁ。
そんなに古書に思い入れがあるんだろうか?
そもそも、アナウンスさんって、AIなんじゃないの?
すごく人間っぽい発言が多いけど。
少しの謎を残して、今日の『雑談部屋』は終わった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

バーチャル女子高生

廣瀬純一
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

美咲の初体験

廣瀬純一
ファンタジー
男女の体が入れ替わってしまった美咲と拓也のお話です。

ふと思ったこと

マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。 頭を使うけど頭を休める運動です(笑) 「そうかもしれないね」という納得感。 「どうなんだろうね?」という疑問符。 日記の中からつまみ食いをしてみました(笑) 「世界平和とお金のない世界」 https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/  

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...