73 / 134
9月10日 野外広告の日 反省反省
しおりを挟む
昨日は楽しかったなぁ。
最近一回楽しい回があると、一回雑談ができなくなってるんじゃないかと思ってきた。
さすがにそんなことはないよね?
さすがにね?
雑談を心から楽しみたいなぁ。
今日何もなかったら疑いが晴れるし、今までのことも偶々なんだなぁって思えそうだなぁ。
今日もちゃんと雑談ができますように。
それだけ。
最悪、めちゃくちゃ難しい話題でもいいから、雑談をさせてくれ。
そう祈りながら、俺は『雑談部屋』に入っていった。
今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。
”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”
やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。
”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『高速道路の広めの車内』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『五十嵐様』『村山様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『屋外広告』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”
アナウンスがやんで、光に包まれた。
屋外広告か。
屋外広告かぁ…
屋外広告って、看板とか電光掲示板とか巨大モニターとかそういうのだよね?
ちゃんと話せそうだなぁ。
これは割とイージーよりな気がする。
テーマは…今日はいっか。
なんとなく、なんとかなりそうな気がしてるから。
後は、ちゃんと『雑談部屋』の雑談が始まってくれれば、大満足。
今日もちゃんと、光が収まった。
良かった。今日も雑談ができる。
たまたま俺の運が悪かっただけなんだな。
今日も雑談ができるということで気が抜けていると、九条が話し出した。
「今日の話題は『屋外広告』だって!!!みんなって、道路沿いに立ってるでかい看板とかってどこまで見えてる?見てる暇ある?」
「うちは、全然、写真とか絵とかしか見てない。どこの広告なのかとかには全然興味がないから、写真とか絵とかだけ見て綺麗だなぁとか、変なこと考えるなぁとか思いながら見てるよ」
「僕は、写真とか絵、企業名と、ぱっと目に付く一分くらいまでは見れるけど、電話番号とか、細かく書いてあることとかまでは見えないと思う。細かいところを見ようとするころには、乗り物が移動しちゃって、既に視界からいなくなってることが多いかなって思う」
皆がバンバン休みなく話している。
あ、やばい。次、俺の番だ。
全然準備してなかったから、一瞬空いてしまった。
申し訳ない。
気が緩んでた。反省、反省。
申し訳ないという気持ちで俺は話し出した。
「俺は、細かいところから見たくなっちゃうかな。大きく書かれているところって、その企業にとって宣伝したいところとか、誇れるところのことが多いじゃん。でも、小さく書かれてることって、その企業にとって読まれない方が良いけど書かなきゃいけない文章だったりすることが多いと思うから、そういう細かい文章を読むのが好きかな」
それからの俺は、あまり人様に見せられる姿じゃなかった。
それからも、緩んでいた気は戻らず、常にワンテンポぐらい遅い話だしになってしまった。
テンポを乱して申し訳ない。
年の差があるのかってくらい、会話のテンポについて行けなかった。
最後の方は俺に気を使ってか、みんなワンテンポ落として俺にあわせてくれた。
優しさが身に染みる。
『雑談部屋』に入ったんだから、気を緩めちゃだめだね。
ちゃんと反省しなきゃ。
反省モードに入ったところで、アナウンスが鳴った。
”31分25秒30が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
自分のペースで物事を進めることは、自分の精神的にも肉体的にも大切なことです。
ですが、時には周りのテンポにあわせて行わなければいけないときがあります。
その時に周りにあわせられるように、人に歩み寄れるテンポと、自分のペースを両方自分で持っておく必要があります。
周りのテンポにあわせることを学ぶため、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”
アナウンスが止んだ。
教室に戻ってきた。
楽しかったけど、申し訳なさが勝つなぁ。
『雑談部屋』で、気を緩めちゃだめだなぁ。
反省、反省。
そのまま反省モードで一日を過ごした。
最近一回楽しい回があると、一回雑談ができなくなってるんじゃないかと思ってきた。
さすがにそんなことはないよね?
さすがにね?
雑談を心から楽しみたいなぁ。
今日何もなかったら疑いが晴れるし、今までのことも偶々なんだなぁって思えそうだなぁ。
今日もちゃんと雑談ができますように。
それだけ。
最悪、めちゃくちゃ難しい話題でもいいから、雑談をさせてくれ。
そう祈りながら、俺は『雑談部屋』に入っていった。
今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。
”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”
やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。
”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『高速道路の広めの車内』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『五十嵐様』『村山様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『屋外広告』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”
アナウンスがやんで、光に包まれた。
屋外広告か。
屋外広告かぁ…
屋外広告って、看板とか電光掲示板とか巨大モニターとかそういうのだよね?
ちゃんと話せそうだなぁ。
これは割とイージーよりな気がする。
テーマは…今日はいっか。
なんとなく、なんとかなりそうな気がしてるから。
後は、ちゃんと『雑談部屋』の雑談が始まってくれれば、大満足。
今日もちゃんと、光が収まった。
良かった。今日も雑談ができる。
たまたま俺の運が悪かっただけなんだな。
今日も雑談ができるということで気が抜けていると、九条が話し出した。
「今日の話題は『屋外広告』だって!!!みんなって、道路沿いに立ってるでかい看板とかってどこまで見えてる?見てる暇ある?」
「うちは、全然、写真とか絵とかしか見てない。どこの広告なのかとかには全然興味がないから、写真とか絵とかだけ見て綺麗だなぁとか、変なこと考えるなぁとか思いながら見てるよ」
「僕は、写真とか絵、企業名と、ぱっと目に付く一分くらいまでは見れるけど、電話番号とか、細かく書いてあることとかまでは見えないと思う。細かいところを見ようとするころには、乗り物が移動しちゃって、既に視界からいなくなってることが多いかなって思う」
皆がバンバン休みなく話している。
あ、やばい。次、俺の番だ。
全然準備してなかったから、一瞬空いてしまった。
申し訳ない。
気が緩んでた。反省、反省。
申し訳ないという気持ちで俺は話し出した。
「俺は、細かいところから見たくなっちゃうかな。大きく書かれているところって、その企業にとって宣伝したいところとか、誇れるところのことが多いじゃん。でも、小さく書かれてることって、その企業にとって読まれない方が良いけど書かなきゃいけない文章だったりすることが多いと思うから、そういう細かい文章を読むのが好きかな」
それからの俺は、あまり人様に見せられる姿じゃなかった。
それからも、緩んでいた気は戻らず、常にワンテンポぐらい遅い話だしになってしまった。
テンポを乱して申し訳ない。
年の差があるのかってくらい、会話のテンポについて行けなかった。
最後の方は俺に気を使ってか、みんなワンテンポ落として俺にあわせてくれた。
優しさが身に染みる。
『雑談部屋』に入ったんだから、気を緩めちゃだめだね。
ちゃんと反省しなきゃ。
反省モードに入ったところで、アナウンスが鳴った。
”31分25秒30が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
自分のペースで物事を進めることは、自分の精神的にも肉体的にも大切なことです。
ですが、時には周りのテンポにあわせて行わなければいけないときがあります。
その時に周りにあわせられるように、人に歩み寄れるテンポと、自分のペースを両方自分で持っておく必要があります。
周りのテンポにあわせることを学ぶため、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”
アナウンスが止んだ。
教室に戻ってきた。
楽しかったけど、申し訳なさが勝つなぁ。
『雑談部屋』で、気を緩めちゃだめだなぁ。
反省、反省。
そのまま反省モードで一日を過ごした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる