8 / 147
7月7日 七夕
しおりを挟む
”これより雑談を始めます。雑談の所要時間は30分、役職等はございません。
それでは始めさせていただきます。
今日の雑談の話題は『年に一度だったら嫌なもの』です。
アナウンスが終わった。
それと同時に今回のメンバーの心の中が一致したように感じた。
((((た、七夕やなぁ…))))
「変な話題だね…」
大森のつぶやきに、俺を含め他の三人は全力で首を縦に振った。
「えーっと…年に一度だったら嫌なものかぁ。なんだろう、雰囲気なんだけど…ここで当たり前に年一じゃ嫌なものを並べてくんじゃなくて、なんとなく言った後に周りが『あぁ』ってなるものの方が良いんじゃないかな?」
大久保がおずおずとしながら消極的に言った。
それに合わせて、元気よく渡辺が返した。
「確かにな。食事とか睡眠とか、そういうことを言い合っても、そりゃそうでしょってなるだけだもんな!!でもいい塩梅って難しいよな!!」
渡辺の発言は最後まで元気で走り切った。
それに冷静に疑問を呈する俺!
「これってさ、年に二度以上あるものの中で、一度に減ってしまったら嫌なものなのかな?それとも、数年に一度起こるものの中で、毎年起きたら嫌なものなのかな?皆的にはどっちの方が話しやすい?」
若干テンションが渡辺に引っ張られてしまった。
「私は、前者かな」
「私もそっちかな。後者ってなんか悲しい話というか暗い話になりそう」
「俺も!!俺も!!!」
「渡辺、聞こえてるから二回も返事しなくていいぞ」
思わず先生みたいなツッコミをしてしまった。
「じゃあ改めて話題を設定するな。今回の話題『年に一度だったら嫌なもの』のとらえ方は、『年に数回くらいあることの中で一度に減らしたくないもの』ということとする。これでいいか?」
「「「うん!」」」
それからある程度盛り上がった。
変則的なお題だったから、どっちに転ぶかわからなかったけど、うまく序盤で議論していく方向のかじ取りができたから、なんとかなったな。
あれから何故か俺が視界みたいな立ち位置になってしまった。
こういうの本来は苦手なんだよな。
こういうのは、もっとできるやつにやってもらうべきだって改めて思ったな。
そもそも話題が難しすぎるんだよなぁ…
皆が最初の引き出しを開けるようになるまでの時間がもっと短ければ、もっと面白そうなことになったのかもしれないな。もしくはもっと早い段階でガス欠気味になって終わりがなぁなぁになってたかもしれないな。
それは嫌だな。
俺は終わりよければある程度よし派だからな。
セルフ反省会を心の中でしていたころ、アナウンスが鳴り始めた。
”30分が経過しました。お話の途中かと思いますが、自室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
今日もまたパソコンの電源が落ちてしまったらしい。
モニターにはヘルプ用のQRコードだけが浮かんでいた。
慣れない司会みたいなことをなんとなくやらされたからちょっと疲れたな。
今日も休日だし、ちょっとだけ寝ちゃうかぁ。
なんとなく休日を無駄にしているみたいで罪悪感があるんだよなぁ。
それでは始めさせていただきます。
今日の雑談の話題は『年に一度だったら嫌なもの』です。
アナウンスが終わった。
それと同時に今回のメンバーの心の中が一致したように感じた。
((((た、七夕やなぁ…))))
「変な話題だね…」
大森のつぶやきに、俺を含め他の三人は全力で首を縦に振った。
「えーっと…年に一度だったら嫌なものかぁ。なんだろう、雰囲気なんだけど…ここで当たり前に年一じゃ嫌なものを並べてくんじゃなくて、なんとなく言った後に周りが『あぁ』ってなるものの方が良いんじゃないかな?」
大久保がおずおずとしながら消極的に言った。
それに合わせて、元気よく渡辺が返した。
「確かにな。食事とか睡眠とか、そういうことを言い合っても、そりゃそうでしょってなるだけだもんな!!でもいい塩梅って難しいよな!!」
渡辺の発言は最後まで元気で走り切った。
それに冷静に疑問を呈する俺!
「これってさ、年に二度以上あるものの中で、一度に減ってしまったら嫌なものなのかな?それとも、数年に一度起こるものの中で、毎年起きたら嫌なものなのかな?皆的にはどっちの方が話しやすい?」
若干テンションが渡辺に引っ張られてしまった。
「私は、前者かな」
「私もそっちかな。後者ってなんか悲しい話というか暗い話になりそう」
「俺も!!俺も!!!」
「渡辺、聞こえてるから二回も返事しなくていいぞ」
思わず先生みたいなツッコミをしてしまった。
「じゃあ改めて話題を設定するな。今回の話題『年に一度だったら嫌なもの』のとらえ方は、『年に数回くらいあることの中で一度に減らしたくないもの』ということとする。これでいいか?」
「「「うん!」」」
それからある程度盛り上がった。
変則的なお題だったから、どっちに転ぶかわからなかったけど、うまく序盤で議論していく方向のかじ取りができたから、なんとかなったな。
あれから何故か俺が視界みたいな立ち位置になってしまった。
こういうの本来は苦手なんだよな。
こういうのは、もっとできるやつにやってもらうべきだって改めて思ったな。
そもそも話題が難しすぎるんだよなぁ…
皆が最初の引き出しを開けるようになるまでの時間がもっと短ければ、もっと面白そうなことになったのかもしれないな。もしくはもっと早い段階でガス欠気味になって終わりがなぁなぁになってたかもしれないな。
それは嫌だな。
俺は終わりよければある程度よし派だからな。
セルフ反省会を心の中でしていたころ、アナウンスが鳴り始めた。
”30分が経過しました。お話の途中かと思いますが、自室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
今日もまたパソコンの電源が落ちてしまったらしい。
モニターにはヘルプ用のQRコードだけが浮かんでいた。
慣れない司会みたいなことをなんとなくやらされたからちょっと疲れたな。
今日も休日だし、ちょっとだけ寝ちゃうかぁ。
なんとなく休日を無駄にしているみたいで罪悪感があるんだよなぁ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
片翅の火蝶 ▽半端者と蔑まれていた蝶が、蝋燭頭の旦那様に溺愛されるようです▽
偽月
キャラ文芸
「――きっと、姉様の代わりにお役目を果たします」
大火々本帝国《だいかがほんていこく》。通称、火ノ本。
八千年の歴史を誇る、この国では火山を神として崇め、火を祀っている。国に伝わる火の神の伝承では、神の怒り……噴火を鎮めるため一人の女が火口に身を投じたと言う。
人々は蝶の痣を背負った一族の女を【火蝶《かちょう》】と呼び、火の神の巫女になった女の功績を讃え、祀る事にした。再び火山が噴火する日に備えて。
火縄八重《ひなわ やえ》は片翅分の痣しか持たない半端者。日々、お蚕様の世話に心血を注ぎ、絹糸を紡いできた十八歳の生娘。全ては自身に向けられる差別的な視線に耐える為に。
八重は火蝶の本家である火焚家の長男・火焚太蝋《ほたき たろう》に嫁ぐ日を迎えた。
火蝶の巫女となった姉・千重の代わりに。
蝶の翅の痣を背負う女と蝋燭頭の軍人が織りなす大正ロマンスファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる