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『クランの町フラッグ』観光 家具屋の店長マージュさん
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俺たちは、早速見つけた家具屋の扉を開けた。
早く家具を見たいという気持ちから、急いで扉を開けてしまったため、不完全なドアベルの音がした。
チリ
ドアベルが鳴るのと同時に店主らしき人がこちらを振り返り言った。
「いらっしゃいませ~」
俺たちはとりあえず家具屋の中に入った。
店主らしき人は、すっと俺たちに近づいてきていった。
「私、店主のマージュと申します。本日は、どのような家具をお探しですか?」
思った通り、マージュさんは店長だったようだ。
店長さんが物腰柔らかそうでよかった。
マージュさんとは、気軽に話せそうだな。
たまたまそのとき、3人の真ん中に立っていた俺は、代表していった。
「新しくつくったクランの本拠地に置く家具を探しに来ました」
よく考えると、これって観光なのかな?
必要なものを買いに来るのって、観光なのかな? 買い物って観光なのかな?
でもな、ウィンドウショッピングとかは、観光って気がするよな。
楽しいからどっちでもいっか。
やりたいことをやれば良いんだよ。別に観光をしていなかったとしても問題ない。
観光じゃなかったとしても、何か罰則があるわけでもないんだし。
考えたからと言って何かが変わるわけじゃないんだし、深く考えるのは止めておこう。
俺は、どうでも良いことを考えながら、マージュさんの言葉を聞いていた。
「クランを設立なさったのですね。おめでとうございます。クラン用家具の説明をした方がよろしいでしょうか?」
クラン用家具ってものがあるのか。
普通の家具と何が違うのかな?
気になるな。聞きたいな。
2人の方を軽く見たら、2人も聞きたいという雰囲気を出していたので、またしても俺が代表していった。
「普通の家具とクラン用の家具で違いがあるんですね。ぜひ、お願いします」
俺の返事を聞いて、マージュさんは少し驚いたような顔をした。
そんなに意外な返事だったのかな?
もしかして、義務的にクラン家具の説明をしようか尋ねたけど、まさか説明をお願いされるとは思わなかったとかそういう驚きなのかな?
もしかしたら、APOの世界の人にとっては、クラン家具の知識は常識なのかな?
だから驚かれたのかな?
まぁ、いくら考えたって、答えにはたどり着けないんだし、これぐらいにしとくか。
「少し話が長くなりますので、こちらで椅子にでも座りながら聞いてください」
マージュさんはそう言って俺たちを先導するように歩き出した。
俺たちは、マージュさんについて行く形で、店の入り口付近から、店の中央付近まで来た。
マージュさんとの会話に集中していて、あまりよく店内を見ていなかったな。
そう思い、歩きながら、キョロキョロと店内を見回した。
この店、かなりの量の家具が配置してあるな。
この店かなり広いんだな。
俺たちは、マージュさんがすっと出してきた椅子に座った。
マージュさんは、俺たちがきちんと着席したのを確認してから、話し出した。
「クラン用家具とは、クランの本拠地または、支部に設置すると、クランバフを発生させる家具のことです。クラン用の家具についているクランバフには、2種類あります。1つめは、設置バフです。これは、家具を設置することで得られるバフのことです。特定のステータスを伸ばすものや、何かの効果を増幅させるもの、何かのデメリットを軽減するものなど様々な設置バフがあります。もう1つは、使用バフです。使用バフは、その家具を使用したタイミングや、使用中に発生するバフです。使用中に断続的にHPやMPを回復するもの、使用から数分間ステータスをあげるもの、使用中にのみ特定のスキルを付与するものなど様々な使用バフがあります。クラン用家具は、通常の家具よりも値段が張るので、クランの家具を通常の家具にするクランなどもあります。通常の何のバフもついていない家具も、クランに設置することはできます」
どうやら説明が終わったらしい。
こういう説明の終わりのタイミングをつかむのって難しいよね。
それにしても、クランバフって、家具についているんだ。
他にもあるのかもしれないけど、家具にバフがついているなんて意外だな。
面白い制度だな。
今まで静かにしていたコルドとローズが話し出した。
「そうなんですね!」
「家具にバフがついているなんて知らなかったわ」
俺ぐらい最初からマージュさんと話してくれればよかったのに。
俺1人に話を任せず、もっと早く会話に参加すればよかったのに。
そんなことは置いておいて、俺は、本題に入った。
「おすすめの家具とかはありますか?」
「お客様に会ったものをおすすめしたいので、少しお客様の情報をいただきたいです。どのような方針のクランでしょうか? 戦闘系でしょうか? それとも生産系でしょうか? それによって、おすすめは異なります」
質問をしたと思ったら、質問が帰ってきた。
俺は、クランの方針を思い出しつつマージュさんの言わんとすることを察しながら言った。
「うちは、何でもするようなクランです」
「そうだな!」
「そうとしか言い様がないわね」
マージュさんは、続いてもう1つ質問してきた。
「総合的にやっていくクランですか、わかりました。もう1つ。クランの家具は何を重視しますか? バフの効果でしょうか? デザインでしょうか? 使い心地でしょうか?」
それは考えていなかったな。
俺的には使い心地だな。
家具は安くない買い物だろうし、これからずっと使っていくものなら、使い心地を一番に考えたいな。
これは勝手に答えるものじゃないから、2人に話を振った。
「何を重視する?」
まず、コルドが、「はいはい」と手を上げていった。
「やっぱりバフ効果じゃないか?! せっかくクランバフを上昇させる称号『最古の』を取ったんだから、バフ効果が良いと思うぞ!」
「それもそうだと思うわ。でも、やっぱりデザインは大事よ」
ローズのつくった流れに乗って、自分の意見を言う。
「俺も、コルドの意見に納得できる。だけど、使い心地は大切だぞ」
続いて、デザイン派のローズが真剣な顔で言った。
「私は、デザイン派よ。やっぱり普段から目にするものなら、良いデザインのものが良いわ。そっちの方が、日々テンションが上がると思うの」
ローズの意見にも共感しつつ、自分の意見もねじ込んでいく。
「2人の意見は両方納得できる。だけど、やっぱり使い心地はかなり大切だぞ」
「ローズの言っていることもわかる! だが、バフがいいと思うぞ!」
コルドも同じようなことをしていた。
俺は、満を持して、意見を言った。
「俺は、使い心地だな。家具は、日常的に使うものなんだから、使い心地を一番こだわりたいな」
「2人オイケンもその通りだ! だけどやっぱり、バフが良いと思う!」
「オクツの言っていることはその通りだわ。だけど、デザインって大切なのよ」
2人が予想通り、俺の意見に納得しつつも自分の意見をねじ込んできた。
俺たち3人はお互い全く引かない。
ここまで3人共が引かないことは珍しいな。
いつもなら、どれぐらいの熱意なのかを察して、確固たる意思がない人から引いていくから、こういうことはかなり珍しいな。
3人の間で、火花が散りそうになったところで、マージュさんが「まぁまぁ」と俺たちを落ち着かせるようなジェスチャーをしながら、言った。
「それなら、バフ効果でおすすめなもの、デザインでおすすめなもの、使い心地でおすすめなものをそれぞれ紹介しますので、見てから判断するのはどうでしょうか?」
それは良いな。
商品を見てから良いものを買えばいいんだよな。
全部が満足いくものを買えばいいんだ。
俺たちは、さっきまで1歩も引かなかったのを速攻で手のひら返しをし、声をそろえていった。
「「「それでお願いします!」」」
「じゃあ、紹介をしますね」
そう言って、マージュさんは椅子から立ち上がった。
早く家具を見たいという気持ちから、急いで扉を開けてしまったため、不完全なドアベルの音がした。
チリ
ドアベルが鳴るのと同時に店主らしき人がこちらを振り返り言った。
「いらっしゃいませ~」
俺たちはとりあえず家具屋の中に入った。
店主らしき人は、すっと俺たちに近づいてきていった。
「私、店主のマージュと申します。本日は、どのような家具をお探しですか?」
思った通り、マージュさんは店長だったようだ。
店長さんが物腰柔らかそうでよかった。
マージュさんとは、気軽に話せそうだな。
たまたまそのとき、3人の真ん中に立っていた俺は、代表していった。
「新しくつくったクランの本拠地に置く家具を探しに来ました」
よく考えると、これって観光なのかな?
必要なものを買いに来るのって、観光なのかな? 買い物って観光なのかな?
でもな、ウィンドウショッピングとかは、観光って気がするよな。
楽しいからどっちでもいっか。
やりたいことをやれば良いんだよ。別に観光をしていなかったとしても問題ない。
観光じゃなかったとしても、何か罰則があるわけでもないんだし。
考えたからと言って何かが変わるわけじゃないんだし、深く考えるのは止めておこう。
俺は、どうでも良いことを考えながら、マージュさんの言葉を聞いていた。
「クランを設立なさったのですね。おめでとうございます。クラン用家具の説明をした方がよろしいでしょうか?」
クラン用家具ってものがあるのか。
普通の家具と何が違うのかな?
気になるな。聞きたいな。
2人の方を軽く見たら、2人も聞きたいという雰囲気を出していたので、またしても俺が代表していった。
「普通の家具とクラン用の家具で違いがあるんですね。ぜひ、お願いします」
俺の返事を聞いて、マージュさんは少し驚いたような顔をした。
そんなに意外な返事だったのかな?
もしかして、義務的にクラン家具の説明をしようか尋ねたけど、まさか説明をお願いされるとは思わなかったとかそういう驚きなのかな?
もしかしたら、APOの世界の人にとっては、クラン家具の知識は常識なのかな?
だから驚かれたのかな?
まぁ、いくら考えたって、答えにはたどり着けないんだし、これぐらいにしとくか。
「少し話が長くなりますので、こちらで椅子にでも座りながら聞いてください」
マージュさんはそう言って俺たちを先導するように歩き出した。
俺たちは、マージュさんについて行く形で、店の入り口付近から、店の中央付近まで来た。
マージュさんとの会話に集中していて、あまりよく店内を見ていなかったな。
そう思い、歩きながら、キョロキョロと店内を見回した。
この店、かなりの量の家具が配置してあるな。
この店かなり広いんだな。
俺たちは、マージュさんがすっと出してきた椅子に座った。
マージュさんは、俺たちがきちんと着席したのを確認してから、話し出した。
「クラン用家具とは、クランの本拠地または、支部に設置すると、クランバフを発生させる家具のことです。クラン用の家具についているクランバフには、2種類あります。1つめは、設置バフです。これは、家具を設置することで得られるバフのことです。特定のステータスを伸ばすものや、何かの効果を増幅させるもの、何かのデメリットを軽減するものなど様々な設置バフがあります。もう1つは、使用バフです。使用バフは、その家具を使用したタイミングや、使用中に発生するバフです。使用中に断続的にHPやMPを回復するもの、使用から数分間ステータスをあげるもの、使用中にのみ特定のスキルを付与するものなど様々な使用バフがあります。クラン用家具は、通常の家具よりも値段が張るので、クランの家具を通常の家具にするクランなどもあります。通常の何のバフもついていない家具も、クランに設置することはできます」
どうやら説明が終わったらしい。
こういう説明の終わりのタイミングをつかむのって難しいよね。
それにしても、クランバフって、家具についているんだ。
他にもあるのかもしれないけど、家具にバフがついているなんて意外だな。
面白い制度だな。
今まで静かにしていたコルドとローズが話し出した。
「そうなんですね!」
「家具にバフがついているなんて知らなかったわ」
俺ぐらい最初からマージュさんと話してくれればよかったのに。
俺1人に話を任せず、もっと早く会話に参加すればよかったのに。
そんなことは置いておいて、俺は、本題に入った。
「おすすめの家具とかはありますか?」
「お客様に会ったものをおすすめしたいので、少しお客様の情報をいただきたいです。どのような方針のクランでしょうか? 戦闘系でしょうか? それとも生産系でしょうか? それによって、おすすめは異なります」
質問をしたと思ったら、質問が帰ってきた。
俺は、クランの方針を思い出しつつマージュさんの言わんとすることを察しながら言った。
「うちは、何でもするようなクランです」
「そうだな!」
「そうとしか言い様がないわね」
マージュさんは、続いてもう1つ質問してきた。
「総合的にやっていくクランですか、わかりました。もう1つ。クランの家具は何を重視しますか? バフの効果でしょうか? デザインでしょうか? 使い心地でしょうか?」
それは考えていなかったな。
俺的には使い心地だな。
家具は安くない買い物だろうし、これからずっと使っていくものなら、使い心地を一番に考えたいな。
これは勝手に答えるものじゃないから、2人に話を振った。
「何を重視する?」
まず、コルドが、「はいはい」と手を上げていった。
「やっぱりバフ効果じゃないか?! せっかくクランバフを上昇させる称号『最古の』を取ったんだから、バフ効果が良いと思うぞ!」
「それもそうだと思うわ。でも、やっぱりデザインは大事よ」
ローズのつくった流れに乗って、自分の意見を言う。
「俺も、コルドの意見に納得できる。だけど、使い心地は大切だぞ」
続いて、デザイン派のローズが真剣な顔で言った。
「私は、デザイン派よ。やっぱり普段から目にするものなら、良いデザインのものが良いわ。そっちの方が、日々テンションが上がると思うの」
ローズの意見にも共感しつつ、自分の意見もねじ込んでいく。
「2人の意見は両方納得できる。だけど、やっぱり使い心地はかなり大切だぞ」
「ローズの言っていることもわかる! だが、バフがいいと思うぞ!」
コルドも同じようなことをしていた。
俺は、満を持して、意見を言った。
「俺は、使い心地だな。家具は、日常的に使うものなんだから、使い心地を一番こだわりたいな」
「2人オイケンもその通りだ! だけどやっぱり、バフが良いと思う!」
「オクツの言っていることはその通りだわ。だけど、デザインって大切なのよ」
2人が予想通り、俺の意見に納得しつつも自分の意見をねじ込んできた。
俺たち3人はお互い全く引かない。
ここまで3人共が引かないことは珍しいな。
いつもなら、どれぐらいの熱意なのかを察して、確固たる意思がない人から引いていくから、こういうことはかなり珍しいな。
3人の間で、火花が散りそうになったところで、マージュさんが「まぁまぁ」と俺たちを落ち着かせるようなジェスチャーをしながら、言った。
「それなら、バフ効果でおすすめなもの、デザインでおすすめなもの、使い心地でおすすめなものをそれぞれ紹介しますので、見てから判断するのはどうでしょうか?」
それは良いな。
商品を見てから良いものを買えばいいんだよな。
全部が満足いくものを買えばいいんだ。
俺たちは、さっきまで1歩も引かなかったのを速攻で手のひら返しをし、声をそろえていった。
「「「それでお願いします!」」」
「じゃあ、紹介をしますね」
そう言って、マージュさんは椅子から立ち上がった。
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