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北のボスへ 今更ガチャの結果と開戦!!!

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 3人で楽しく歩きながら雑談している最中、突然思い出した。
 そういえば、食膳のガチャの結果、共有してないな。
 やっといた方が良いよな。
 そう思ったので、文句だととらえられないように、2人になるべく明るく言った。

「あ、そういえば、ログアウト前に引いた10連とかで出たスキルオーブの詳細見せてなかったな!」

「「あ、確かに!」」

 2人もすっかり忘れていたらしい。
 あぁ、そんなこともあったなぁって顔をしている。
 そんな時間たってないのに、そんなに忘れるかな?

「俺が出した新しいのは、こんな感じだったぞ」

 俺は、足を止めることなく、歩きながら2人に新しいスキルオーブの詳細を共有した。
 歩きながらウィンドウを眺める。
 歩きスマホはダメって言われているけど、歩きウィンドウはどうなんだろう?
 ウィンドウを見るのに集中して、魔物の動きとか、人の動きが分からなくなっちゃいそうだから、やっぱり良くないのかな?


『投擲』Lv.
 ものを投げる動作に補正がかかる。
 レベルによって、技を得られる。


『サイドスロー』Lv.
 サイドスローでものを投げる動作に補正がかかる。
 レベルによって、技を得られる。


『器用貧乏』
 自分のすべてのスキルのスキルレベルを最低でもLv.5にする。
 その代わり、スキルの経験値の取得率が10%減る。


『深呼吸』Lv.
 深呼吸を[Lv./2]分間し続けると、HPを[Lv.×5]回復する。


『毒耐性』 (極微)~ Lv.1/Lv.10~
 毒の耐性を上げる。


『弓術』 (極微)~ Lv./Lv.10~
 弓の技術に関して補正がかかる。
 レベルによって、技を得られる。


『生命変換』 クールタイム20分
 HPを消費して発動できる。
 5分間、消費したHPの10分の1をSTRに加える。


『生命変換』は、リッチガチャから出たやつだ。
 他にも4つくらい出たけど、新しく詳細を見る必要があるのは、この7つだけかな。
 直接、戦闘にかかわってきそうなのは、『器用貧乏』と『深呼吸』、『生命変換』ぐらいかな?
『サイドスロー』とか、『投擲』とかも、投げナイフがあるから使えないこともないのかな?
 でも、サイドスローで投げナイフを投げている人を見たことないかも。
 もっとスマートに投げるものなイメージあるなぁ。
『毒耐性』は、今のところ使わないけど、今後使う機会が多そうだなぁ。
 今後の活躍に期待って感じだな。
 俺的には、『器用貧乏』の有用性がすごい!
 Lv.5って、『ステータスアップ』系でも2,3時間かかるのに、それを最低ラインにしてくれるって、すごいありがたい!
 スキルを消化した直後の弱体化が抑えられてめっちゃいいスキル!
 経験値の取得率10%減少ってデメリットもでかいけど、いろんなことをやってみたい俺からしたら、すごいありがたいスキルだ!
 全く使う予定のない『弓術』とは大違いだ!

「これとあと、『ステータス%アップLUK』『ステータス%アップMMD』『シャトルラン』『ステータス%アップSTR』を引いたぞ!」

 今回は、感想タイムとかを設けずに、パパッと回していくスタイルだ。
 まぁ、リアルタイムの感動みたいなものはないから、歩きながら見るくらいがちょうどいいかもな。

「俺が出した新しいのはこんな感じだぞ!」

 今度はコルドの新しいスキルオーブの詳細が共有されてきた。


『連鎖』 クールタイム10分
 連続した攻撃が止まるまで、1つ1つの攻撃のダメージがだんだん上がる。


『整備』Lv.
 装備の耐久を回復させる。
 整備する装備の適正レベルにあった『装備』スキルを使わないと、装備が破損したり損傷したりする。



『演奏』
 登録しておいた楽器を瞬間的に出すことができる。
 演奏するときに必要なものは楽器と一緒に登録することができる。
 例えば椅子など。


『連打』 クールタイム10分
 連続した攻撃が止まるまでの攻撃を一度の攻撃として換算する。


 少なくないか?
 4つしかないのか。
 でも、その4つのうち3つが、めっちゃ使えるスキルなのがうらやましいな。
 演奏は趣味スキルっぽいからしょうがないとして、『整備』も結構いいスキルだよな。
 スキルレベルを上げてけば、耐久値が下がってきたらその場で治すみたいなことも出来るようになるのかもしれないし。
『連打』と『連鎖』は、飛びぬけてすごいね!
 どっちもコルドのプレイスタイルにめちゃくちゃあってて、今でも十分強いだろうけど、ずっと一線級のスキルになっていくんだろうなぁって感じがする。

「あとは、『ステータス%アップMP』『シャトルラン』『採取』『ステータスアップ%MMD』『ステータスアップMMD』『ステータスアップLUK』『クリティカル率アップ』がでたぞ! ステータスアップ系が中心だったな!」

 コルドは、かぶりは多いけど、スキルの質で勝負してきた感じがした。

「私の新しいのはこんな感じよ!」

 続いて、ローズの新しいスキルが共有されてきた。


『麻痺耐性』 (極微)~ Lv.1/Lv.10~
 麻痺の耐性を上げる。


『魔力制御』Lv.1
 魔力をうまく制御できるようになる。
 魔法の軌道を変えられる。


『同時詠唱』Lv.
 異なる魔法を同時に詠唱できるようになる。
 Lv.10ごとに同時に詠唱できる数が1つ増える。
 Lv.1では、2つ同時に詠唱できる。


『バッティング』Lv.
 何かを打ち返すことに対して補正がかかる。
 レベルによって、技を得られる。


『MPタンク』
 自分のMPの2倍までのMPを貯蔵することができる。
 貯蔵するときは、自分のMPを貯蔵に変換する。


 どれも、ちゃんと使えそうなスキルだな。
『バッティング』は杖で何かをはじき返すのに使えそうかな?
『MPタンク』、『同時詠唱』、『魔力制御』の3つなんて、魔法を使うプレイヤーならだれでも欲しいようなスキルだな。
 特に『同時詠唱』がうらやましいなぁ。
『MPタンク』は、ポーションがぶ飲みで解決できるといえば解決できるし、『魔力制御』もプラスアルファな要素な感じがするけど、『同時詠唱』って、シンプルに強いんだよなぁ。
 攻撃の効率が単純に倍になるからなぁ。
 うらやましいなぁ。


「あとは、『演奏』『ステータスアップINT』『ステータス%アップMMD』『ステータス%アップDEX』『ステータス%アップINT』が2つ出たわ! 10連で被るって運がなかったわ!」

 無駄なスキルがほとんどないな。
 うらやましい。
 そういえば、ガチャで引いたスキルオーブ、使ってないな。
 スキルなんて、早く手に入れていれば、早く手に入れているほどいいんだから!
 俺には、『器用貧乏』があるから、Lv.5からスタートできるからいいけど、2人はLv.1からちゃんと育てているのかな?
 そもそも、2人はちゃんとスキルオーブを使ったのかな?

「ガチャで手に入れたスキルオーブって使った?」

「「あ……使ってない……」」

 2人そろって気まずそうに言った。
 そうだと思った。
 ガチャ引いて、すぐにご飯食べて、戻ってきたらスキルオーブのことなんて忘れてるよね。
 詳細を共有することすら忘れてたんだから、スキルオーブを使っているわけないよね。

「俺も使ってなかったから、ここで使っちゃおう! ステータスアップ系とかなら、ボスのところにつくまでに、レベルが1つ2つ上がってそうじゃない?」

「今すぐ使うわ!」

「俺も!」

 俺たちは急いで、スキルオーブを使っていった。
 何個か、かぶりとかいらない奴で、使わない奴があったけど、だいたいのスキルオーブを使用した。
 2人に終わったか声をかける。

「スキルオーブ使い終わった?」

「「終わったー!」」

 2人も無事にスキルオーブを使い終わったようだ。
 スキルオーブの話の間、周囲の警戒とか全くしてなかったけど、ゴブリンとかに襲われなくて本当に良かった。


 始まりの町を出てから約20分。
 時刻は8時に差し掛かったところで、遠近感のバグったみたいなゴブリンを見かけた。
 大きさは、だいたい3,4m。
 普通のゴブリンが110㎝ぐらいだから、だいたい3から4倍。
 手には何も持たないワイルドなスタイル。
 あれが、北のボスのゴブリンなのかな?
 半信半疑で聞いてみた。

「あれじゃない?」

「明らかに今まで見たゴブリンより、2回りぐらい大きいぞ!」

「たぶんあれだと思う!」

 どうやらあれが、ボスらしい。
 あいつを倒せば、次の町に行くことができるのか。
 そう思うとボスらしく見えてきた。
 俺たちは、ボスから見つからないぐらいの距離で、作戦を確認する。
 ここに来るまでに、一応どうやって倒すか、威力偵察をするのかを確認しておいた。
 それの再確認をする。

「じゃあ、いつも通り最初に全力の攻撃を撃って、その反応を見ながら、次の攻撃をしていく感じでいい?」

「「了解!」」

 続いて、ステータスの確認をする。

「じゃあ、最終確認するよ! HP、MP、スキルのクールタイム大丈夫?」

 そう言いながら、俺も自分のステータスを確認する。
 何もかけていない。大丈夫だ。

「「大丈夫!」」

 さらに、ポーション類の確認もする。
 不測の事態に備えて、ちゃんと確認しておくことは大切なことだ。

「ポーション類は大丈夫?」

 俺もちゃんとポーション類を確認する。
 HPポーション、MPポーション、共に十二分にあることを確認する。

「「大丈夫!」」

 さっき増やしたスキルについても確認する。

「スキル増えたけど、発動するスキルは分かってる? 大丈夫?」

 何をどう発動するのかちょっとだけ不安になったため、ステータスからスキルを眺める。
 よし、ちゃんと思い出した。
 これで大丈夫だ。

「「大丈夫!」」

 確認が終わったから、気合いを入れる。

「じゃあ、行くぞ!」

「「おぉ!」」

 2人の顔が、引き締まった。
 3人の間を流れる空気も少し変わった。
 ゆるかった空気も適度に引き締まった。

「事前に発動していくスキルの発動が終わったら、攻撃が当たる距離まで一気に近づいていくぞ!」

「「了解!」」

 初撃の為に、いくつかのスキルを発動させる。
 俺は、『生命変換』などを発動し、HPポーションを煽る。

「準備できた!」

「私も!」

 2人にちょっとだけ遅れて、準備が完了した。

「俺も出来た! じゃあ、行くぞ!」

「「おぉ!」」


「突撃!!」

 俺たちは、北のボスである『ビッグボスゴブリン』に突撃していった。
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