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ボス戦後 感動と驚愕の雑談
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「よっしゃあ!」
「やったわ!」
「よかったぁぁああ!」
俺たちは、『ビッグラビット』戦後、その場に倒れ込むようにして叫んだ。
喜びを我慢せず前面に出した。
しばらくして、叫び声の余韻が消えたころ、俺たちはおもむろに起き上がり抱きしめあった。
「勝ったぞぉぉぉおお!」
「勝ったわぁぁぁぁああああ!」
「勝ったぁぁああああぁぁぁあああ!」
それからしばらくは、3人で喜びを分かち合った。
耳元で叫ばれて耳が痛いなんてことは全く考えていなかった。
2,3分そのまま抱き合って、落ち着いてきたころに、言葉を取り戻したかのように話し出した。
「ふぅ。落ち着いてきた!」
喉がちょっとだけ枯れたような気がする。
多分気のせいだけど。
さすがにそこまで細かな感覚まで反映されてないでしょ?
「声が枯れるとか反映されてないだろうけど、喜びすぎて、なんとなく声が枯れてる感じがする」
俺は喉をさすりながら言った。
もしかしたらこんなところまで、反映しているのかもしれないと思わせるぐらいにはAPOはリアルだ。
「なんか喉に違和感あるわね」
「ここで寝ころんでて大丈夫かな?!」
「ボスが復活してきても嫌だし、少し移動して振り返りしましょう」
急にみんなが冷静になりだした。
それから少しだけ動いて、草原にぽつんと置かれた岩の岩肌に腰かけた。
「ここらへんでいいか?」
「「OK!」」
冷静モードから、また感動モードに戻ってきた。
俺は、しみじみ言った。
「いやぁ、勝てたな」
「一発で勝てるとは思ってなかったわ」
コルドは興奮気味に早口で言った。
「俺も、掲示板で、β版だと開始から4日後に初討伐って書かれてたから、厳しい戦いになるのかと思ってた!」
へぇ、β版で、4日かかったんだ。
その半分くらいでできたってすごいことだな。
でも、正規版だともう討伐されてるかもしれないしなぁ。
「なんで勝てたんだろうな?」
そもそもなんで勝てたんだろう?
寝る間も惜しんでゲームするって感じのガチ勢タイプでもないのに。
多分β版で4日で『ビッグラビット』を攻略した人達のプレイ時間と俺たちのプレイ時間って雲泥の差だと思うんだけど、なんで行けたんだろう。
「極振りじゃなかったからじゃない?」
いろんなことをしたいし、致命的な失敗をしたくなかったから、極振りにしなかったけど、極振りじゃない利点って、他にあったんだ。
「極振りじゃないからって、なんで?!」
「例えば、攻撃に極振りだと、『ビッグラビット』の攻撃を避けられなかっただろうし、当てるのも大変だっただろうし、防御極振りだと、『ビッグラビット』の攻撃を受けきれないだろうし、ヘイトとるのも大変だろうし、他の極振りでも、攻撃力が足らなかったり、攻撃が当たらなかったりで大変そうじゃない?」
あぁ、確かにそうかもなぁ。
「確かに、極振りの時って、すばしっこいラビット系にうまく攻撃を当てられなかった!」
元極振りのコルドがそう言ってるんだから、そうなんだろう。
「流行りの極振りロマンプレイみたいな感じじゃなかったから、勝てたのかな?」
「あと、正規版だと弱体化されてたのかもしれないな!」
「あぁ、それもあるか」
俺とコルドの間でだんだんと盛り上がる議論。
ローズが手をパチンと叩き話を区切った。
「まぁ、考察はそれぐらいにして、戦闘を振り返りましょう!」
そこから一気に振り返りという名の、褒めあいになった。
なんとなく緩い雰囲気の中、話が進んでいく。
「初撃を入れたときに、これはいけるって正直思った!」
「分かる!」
「そうね」
みんな同じように思ってたんだ。
あそこで、1割以上削れたら、行けると思うよね!
「それから、あの図体のわりにすばしっこくて、攻撃当てづらいなって思ったな」
「確かに、ボスってドスッと構えてるイメージあった!」
「攻撃を入れる隙は少なかったけど、そっから安定してたわね!」
「俺が吹き飛ばされるまではな!」
「なんでそんな自慢気に言うんだよ!」
褒めあい、たまにツッコむ。いい気分で雑談をしていく。
「あの時よく、『ビッグラビット』のヘイト取れたわね」
俺は自信満々に、あの時のことを話した。
「『ビッグラビット』の尻に『ファイアランス』を突っ込んだんだよ!」
「そんなことしてたのね!」
「すごいむごいことするな!」
思いのほか反応が良くなかった。
ローズは半歩ぐらい引いている。
コルドは、ちょっと引いていたけど、笑いながらツッコんでくれた。
「まぁ、コルドが被弾しなきゃやらなくて済んだんだがな」
なんとなく、俺の中に不満が残ったから、ちょっとだけ、コルドに毒を吐く。
「それはすまん!」
それからしばらくは、あれがよかった、あれが助かったと、互いを褒めあった。
しばらくして、話も落ち着いてきたところで、視線の向いている方向からメニューを開いているであろう、コルドが叫んだ。
「え?! ログを確認したんだけど、俺たちがワールドで初めてボスを倒したらしいぞ!」
……
……
え?!
「え? ……まじ?!」
俺は、コルドの言葉をかみ砕くのに10秒以上の時間がかかった。
かみ砕いた言葉を飲み込んで受け入れるのには、それ以上の時間がかかった。
だから、俺は、脊髄反射での反応しかできなかった。
俺の薄い反応に、コルドは全力でこたえた。
コルドは、「ふんす」と鼻息が出そうなくらい興奮している。
「まじ! まじ!」
やっと思考とテンションが追い付いてきた俺は、全力で叫んだ。
「よっしゃああ! めっちゃ嬉(うれ)しいな!」
ローズも俺と同じくらいのタイミングで、正気を取り戻したのか、興奮で正気を失ったのかはわからないけど、叫び出した。
「え?! そうなの?! 嬉しいわ!」
俺は、一通り叫び終えると、思い出したように慌ててログを見返した。
ログを見返して再び叫んだ。
「ログを読み返したんだが、いろんな称号とかもらってるな!」
それから、深呼吸をして落ち着くと、コルドが言った。
「じゃあ、まず記念称号から見ていくか!」
俺たちはメニューのステータスから称号を確認していった。
記念称号『ビッグラビット最速討伐(記録20分14秒23)』
『ビッグラビット』を最もスピーディーに討伐したもの達に贈られる称号
獲得条件:『ビッグラビット』をワールド最速で討伐する。
記念称号『ビッグラビット最遅討伐(記録20分14秒23)』
『ビッグラビット』の討伐に最も時間がかかったもの達に贈られる称号
獲得条件:『ビッグラビット』をワールド最遅で討伐する。
この2つは記念称号だ。
記念称号だからか、効果はついていない。
いわゆる『受け継ぎし者』タイプだ。
まぁ、最速記録とかめっちゃうれしいから、効果とかなくても全然いいんだけどな。
「何か効果がついているわけじゃないんだな!」
「記念称号だからなのかな?」
「そうかもしれないわね!」
「じゃあ本命の方の称号を見よう!」
記念称号を見て上げたテンションのまま、俺たちはもう1つの称号を見る。
称号『最初のボス討伐者』
ワールド最初にボスを討伐したものに贈られる称号
獲得条件:称号『ボス』を持っている魔物をワールドで最初に討伐する。
称号『ボス』を持っている魔物との戦闘時、能力値が1.1倍になる。
称号『ボス』を持っている魔物との戦闘で得られる経験値1.1倍
おぉ! こっちは効果ありの称号だ。
記念称号も勲章みたいで嬉しいけど、ちゃんと効果がある称号は嬉しさが違うな!
これは、ボスに対して結構な効果がありそうだ。
「おぉ! 結構いい称号だな!」
「これなら、すぐにでもLv.10に行けそうね」
「思いのほか討伐が早く終わったし、こんな称号ももらったし、『ビッグラビット』の周回でも行くか?!」
スキルを見てテンションを上げた、コルドがそんなことを言い出した。
確かに、20分くらいで倒せたし、こっちの損害は、ローズが飲んだMPポーションと、コルドが攻撃を食らった時に飲んだHPポーションぐらいだ。
称号でステータス上がるし、スキルもいろいろ上がったし、これなら周回、行けそうだな。
もしかして、効率のいい狩場を見つけちゃった感じかな?
なんでまだ他の人たちは『ビッグラビット』狩りをしてないんだろう?
極振りで大変な思いをしてるとか?
極振りってもしかして、ロマンじゃなくてハードモード?
まぁ、他人のことを気にしてても仕方がないか。
「いいぞ!」
「MPポーションも2本しか使わなかったし、いいわよ」
「じゃあ、周回行こうぜ!」
今すぐ行こうとするコルドを止める。
さすがにちょっと待ってくれ、いろいろステータスの整理をしたいし。
「ちょっと待って! 今回の戦闘でスキルとか上がっただろ?」
「あぁ!」
どうやら、称号がうれしすぎて、コルドはスキル等を忘れていたらしい。
猪突猛進な感じがコルドらしいな。
「あ! ……そうね!」
おいおい、ローズまで忘れてたのかよ。
「昇華とかのスキルの整理を済ませてから行かないか? それに、もらったスキルオーブも使いたいし!」
「分かった!」
「分かったわ!」
周回に行こうとする2人を止めて調整したステータスはこんな感じ。
PN:オクツ
キャラクターレベル:Lv.10
職業:剣士Lv.10
HP:163/163(132+15+16)
MP:76/76(58+18)
STR:92(45+34+13)
VIT:30(15+15)
INT:21(13+8)
MND:16(10+6)
DEX:20(12+8)
AGI:56(31+25)
LUK:33(19+14)
スキル
剣術(初級)Lv.1/Lv.20 『ソードアタック』『二連斬り』『スラッシュ』『アタックアップ』『スピードアップ』
魔術(入門)Lv.9/Lv.10 『ボール』『ランス』『ウォール』『知力上昇』
物理の心得(其一)Lv.1/Lv.20
魔法の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(微)Lv.6/Lv.20
ステータスアップAGI(微)Lv.6/Lv.20
ステータスアップINT(極微)Lv.6/Lv.10
ステータスアップHP(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップMP(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップVIT(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップMND(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップDEX(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップLUK(極微)Lv.5/Lv.10
クリティカル率アップ(極微)Lv.6/Lv.10
クリティカルダメージアップ(極微)Lv.6/Lv.10
チャージLv.7
追撃Lv.8
突進Lv.1
採取Lv.3
調薬(入門)Lv.2/Lv.10
称号
受け継ぎし者
一勝四敗
最初のボス討伐者
ビッグラビット最速討伐(記録20分14秒23)
ビッグラビット最遅討伐(記録20分14秒23)
称号コレクター(入門)
SP:2
BP(消費値):0
BP(能力値):0
初心者の剣 ATK:2 MAG:1 破壊不可
初心者の胴当て VIT:2 破壊不可
初心者のズボン VIT:2 破壊不可
初心者の靴 VIT:1 破壊不可
幸運の首飾り LUK:5 破壊不可
金属の指環 STR:2
布の腕輪 AGI:2
金属のイヤリング INT:2
ミサンガ LUK:1
金属の腕輪 STR:2
金属の指環 AGI:2
金属の指環 DEX:2
染糸のミサンガ LUK:2
初心者の帽子 VIT:1 破壊不可
初心者の篭手 VIT:1
初心者の下着(上) VIT:1
初心者の下着(下) VIT:1
初心者のコート MP:4
初心者の靴下 VIT:1
投げナイフ5本
剣術(入門)と物理の心得(入門)は迷わず昇華した。
剣術(入門)は剣術(初級)に、物理の心得(入門)は物理の心得(其一)に昇華された。
余ったSPで魔法の心得(入門)を手に入れた。
今後はもう少し魔法の方も頑張っていこうと思う。
その気持ちも込めて、レベルアップでゲットしたBP(消費値)は全部MPに突っ込んだ。
BP(能力値)は、火力不足を痛感したから、STRにつぎ込んだ。
ちなみに俺だけもらった称号『称号コレクター(入門)』の詳細はこんな感じ。
称号『称号コレクター(入門)』
スキルを集め出したものに与えられる称号。
獲得条件:称号を5つ獲得している。
称号による効果が10%アップする。
めちゃめちゃいい称号だった。
ステータスがめっちゃ強化された。
壁に感じていたLv.10も突破した。
こっから快進撃!
これで、こっからの周回はもっといい感じに戦えるはずだ。
「やったわ!」
「よかったぁぁああ!」
俺たちは、『ビッグラビット』戦後、その場に倒れ込むようにして叫んだ。
喜びを我慢せず前面に出した。
しばらくして、叫び声の余韻が消えたころ、俺たちはおもむろに起き上がり抱きしめあった。
「勝ったぞぉぉぉおお!」
「勝ったわぁぁぁぁああああ!」
「勝ったぁぁああああぁぁぁあああ!」
それからしばらくは、3人で喜びを分かち合った。
耳元で叫ばれて耳が痛いなんてことは全く考えていなかった。
2,3分そのまま抱き合って、落ち着いてきたころに、言葉を取り戻したかのように話し出した。
「ふぅ。落ち着いてきた!」
喉がちょっとだけ枯れたような気がする。
多分気のせいだけど。
さすがにそこまで細かな感覚まで反映されてないでしょ?
「声が枯れるとか反映されてないだろうけど、喜びすぎて、なんとなく声が枯れてる感じがする」
俺は喉をさすりながら言った。
もしかしたらこんなところまで、反映しているのかもしれないと思わせるぐらいにはAPOはリアルだ。
「なんか喉に違和感あるわね」
「ここで寝ころんでて大丈夫かな?!」
「ボスが復活してきても嫌だし、少し移動して振り返りしましょう」
急にみんなが冷静になりだした。
それから少しだけ動いて、草原にぽつんと置かれた岩の岩肌に腰かけた。
「ここらへんでいいか?」
「「OK!」」
冷静モードから、また感動モードに戻ってきた。
俺は、しみじみ言った。
「いやぁ、勝てたな」
「一発で勝てるとは思ってなかったわ」
コルドは興奮気味に早口で言った。
「俺も、掲示板で、β版だと開始から4日後に初討伐って書かれてたから、厳しい戦いになるのかと思ってた!」
へぇ、β版で、4日かかったんだ。
その半分くらいでできたってすごいことだな。
でも、正規版だともう討伐されてるかもしれないしなぁ。
「なんで勝てたんだろうな?」
そもそもなんで勝てたんだろう?
寝る間も惜しんでゲームするって感じのガチ勢タイプでもないのに。
多分β版で4日で『ビッグラビット』を攻略した人達のプレイ時間と俺たちのプレイ時間って雲泥の差だと思うんだけど、なんで行けたんだろう。
「極振りじゃなかったからじゃない?」
いろんなことをしたいし、致命的な失敗をしたくなかったから、極振りにしなかったけど、極振りじゃない利点って、他にあったんだ。
「極振りじゃないからって、なんで?!」
「例えば、攻撃に極振りだと、『ビッグラビット』の攻撃を避けられなかっただろうし、当てるのも大変だっただろうし、防御極振りだと、『ビッグラビット』の攻撃を受けきれないだろうし、ヘイトとるのも大変だろうし、他の極振りでも、攻撃力が足らなかったり、攻撃が当たらなかったりで大変そうじゃない?」
あぁ、確かにそうかもなぁ。
「確かに、極振りの時って、すばしっこいラビット系にうまく攻撃を当てられなかった!」
元極振りのコルドがそう言ってるんだから、そうなんだろう。
「流行りの極振りロマンプレイみたいな感じじゃなかったから、勝てたのかな?」
「あと、正規版だと弱体化されてたのかもしれないな!」
「あぁ、それもあるか」
俺とコルドの間でだんだんと盛り上がる議論。
ローズが手をパチンと叩き話を区切った。
「まぁ、考察はそれぐらいにして、戦闘を振り返りましょう!」
そこから一気に振り返りという名の、褒めあいになった。
なんとなく緩い雰囲気の中、話が進んでいく。
「初撃を入れたときに、これはいけるって正直思った!」
「分かる!」
「そうね」
みんな同じように思ってたんだ。
あそこで、1割以上削れたら、行けると思うよね!
「それから、あの図体のわりにすばしっこくて、攻撃当てづらいなって思ったな」
「確かに、ボスってドスッと構えてるイメージあった!」
「攻撃を入れる隙は少なかったけど、そっから安定してたわね!」
「俺が吹き飛ばされるまではな!」
「なんでそんな自慢気に言うんだよ!」
褒めあい、たまにツッコむ。いい気分で雑談をしていく。
「あの時よく、『ビッグラビット』のヘイト取れたわね」
俺は自信満々に、あの時のことを話した。
「『ビッグラビット』の尻に『ファイアランス』を突っ込んだんだよ!」
「そんなことしてたのね!」
「すごいむごいことするな!」
思いのほか反応が良くなかった。
ローズは半歩ぐらい引いている。
コルドは、ちょっと引いていたけど、笑いながらツッコんでくれた。
「まぁ、コルドが被弾しなきゃやらなくて済んだんだがな」
なんとなく、俺の中に不満が残ったから、ちょっとだけ、コルドに毒を吐く。
「それはすまん!」
それからしばらくは、あれがよかった、あれが助かったと、互いを褒めあった。
しばらくして、話も落ち着いてきたところで、視線の向いている方向からメニューを開いているであろう、コルドが叫んだ。
「え?! ログを確認したんだけど、俺たちがワールドで初めてボスを倒したらしいぞ!」
……
……
え?!
「え? ……まじ?!」
俺は、コルドの言葉をかみ砕くのに10秒以上の時間がかかった。
かみ砕いた言葉を飲み込んで受け入れるのには、それ以上の時間がかかった。
だから、俺は、脊髄反射での反応しかできなかった。
俺の薄い反応に、コルドは全力でこたえた。
コルドは、「ふんす」と鼻息が出そうなくらい興奮している。
「まじ! まじ!」
やっと思考とテンションが追い付いてきた俺は、全力で叫んだ。
「よっしゃああ! めっちゃ嬉(うれ)しいな!」
ローズも俺と同じくらいのタイミングで、正気を取り戻したのか、興奮で正気を失ったのかはわからないけど、叫び出した。
「え?! そうなの?! 嬉しいわ!」
俺は、一通り叫び終えると、思い出したように慌ててログを見返した。
ログを見返して再び叫んだ。
「ログを読み返したんだが、いろんな称号とかもらってるな!」
それから、深呼吸をして落ち着くと、コルドが言った。
「じゃあ、まず記念称号から見ていくか!」
俺たちはメニューのステータスから称号を確認していった。
記念称号『ビッグラビット最速討伐(記録20分14秒23)』
『ビッグラビット』を最もスピーディーに討伐したもの達に贈られる称号
獲得条件:『ビッグラビット』をワールド最速で討伐する。
記念称号『ビッグラビット最遅討伐(記録20分14秒23)』
『ビッグラビット』の討伐に最も時間がかかったもの達に贈られる称号
獲得条件:『ビッグラビット』をワールド最遅で討伐する。
この2つは記念称号だ。
記念称号だからか、効果はついていない。
いわゆる『受け継ぎし者』タイプだ。
まぁ、最速記録とかめっちゃうれしいから、効果とかなくても全然いいんだけどな。
「何か効果がついているわけじゃないんだな!」
「記念称号だからなのかな?」
「そうかもしれないわね!」
「じゃあ本命の方の称号を見よう!」
記念称号を見て上げたテンションのまま、俺たちはもう1つの称号を見る。
称号『最初のボス討伐者』
ワールド最初にボスを討伐したものに贈られる称号
獲得条件:称号『ボス』を持っている魔物をワールドで最初に討伐する。
称号『ボス』を持っている魔物との戦闘時、能力値が1.1倍になる。
称号『ボス』を持っている魔物との戦闘で得られる経験値1.1倍
おぉ! こっちは効果ありの称号だ。
記念称号も勲章みたいで嬉しいけど、ちゃんと効果がある称号は嬉しさが違うな!
これは、ボスに対して結構な効果がありそうだ。
「おぉ! 結構いい称号だな!」
「これなら、すぐにでもLv.10に行けそうね」
「思いのほか討伐が早く終わったし、こんな称号ももらったし、『ビッグラビット』の周回でも行くか?!」
スキルを見てテンションを上げた、コルドがそんなことを言い出した。
確かに、20分くらいで倒せたし、こっちの損害は、ローズが飲んだMPポーションと、コルドが攻撃を食らった時に飲んだHPポーションぐらいだ。
称号でステータス上がるし、スキルもいろいろ上がったし、これなら周回、行けそうだな。
もしかして、効率のいい狩場を見つけちゃった感じかな?
なんでまだ他の人たちは『ビッグラビット』狩りをしてないんだろう?
極振りで大変な思いをしてるとか?
極振りってもしかして、ロマンじゃなくてハードモード?
まぁ、他人のことを気にしてても仕方がないか。
「いいぞ!」
「MPポーションも2本しか使わなかったし、いいわよ」
「じゃあ、周回行こうぜ!」
今すぐ行こうとするコルドを止める。
さすがにちょっと待ってくれ、いろいろステータスの整理をしたいし。
「ちょっと待って! 今回の戦闘でスキルとか上がっただろ?」
「あぁ!」
どうやら、称号がうれしすぎて、コルドはスキル等を忘れていたらしい。
猪突猛進な感じがコルドらしいな。
「あ! ……そうね!」
おいおい、ローズまで忘れてたのかよ。
「昇華とかのスキルの整理を済ませてから行かないか? それに、もらったスキルオーブも使いたいし!」
「分かった!」
「分かったわ!」
周回に行こうとする2人を止めて調整したステータスはこんな感じ。
PN:オクツ
キャラクターレベル:Lv.10
職業:剣士Lv.10
HP:163/163(132+15+16)
MP:76/76(58+18)
STR:92(45+34+13)
VIT:30(15+15)
INT:21(13+8)
MND:16(10+6)
DEX:20(12+8)
AGI:56(31+25)
LUK:33(19+14)
スキル
剣術(初級)Lv.1/Lv.20 『ソードアタック』『二連斬り』『スラッシュ』『アタックアップ』『スピードアップ』
魔術(入門)Lv.9/Lv.10 『ボール』『ランス』『ウォール』『知力上昇』
物理の心得(其一)Lv.1/Lv.20
魔法の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(微)Lv.6/Lv.20
ステータスアップAGI(微)Lv.6/Lv.20
ステータスアップINT(極微)Lv.6/Lv.10
ステータスアップHP(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップMP(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップVIT(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップMND(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップDEX(極微)Lv.5/Lv.10
ステータスアップLUK(極微)Lv.5/Lv.10
クリティカル率アップ(極微)Lv.6/Lv.10
クリティカルダメージアップ(極微)Lv.6/Lv.10
チャージLv.7
追撃Lv.8
突進Lv.1
採取Lv.3
調薬(入門)Lv.2/Lv.10
称号
受け継ぎし者
一勝四敗
最初のボス討伐者
ビッグラビット最速討伐(記録20分14秒23)
ビッグラビット最遅討伐(記録20分14秒23)
称号コレクター(入門)
SP:2
BP(消費値):0
BP(能力値):0
初心者の剣 ATK:2 MAG:1 破壊不可
初心者の胴当て VIT:2 破壊不可
初心者のズボン VIT:2 破壊不可
初心者の靴 VIT:1 破壊不可
幸運の首飾り LUK:5 破壊不可
金属の指環 STR:2
布の腕輪 AGI:2
金属のイヤリング INT:2
ミサンガ LUK:1
金属の腕輪 STR:2
金属の指環 AGI:2
金属の指環 DEX:2
染糸のミサンガ LUK:2
初心者の帽子 VIT:1 破壊不可
初心者の篭手 VIT:1
初心者の下着(上) VIT:1
初心者の下着(下) VIT:1
初心者のコート MP:4
初心者の靴下 VIT:1
投げナイフ5本
剣術(入門)と物理の心得(入門)は迷わず昇華した。
剣術(入門)は剣術(初級)に、物理の心得(入門)は物理の心得(其一)に昇華された。
余ったSPで魔法の心得(入門)を手に入れた。
今後はもう少し魔法の方も頑張っていこうと思う。
その気持ちも込めて、レベルアップでゲットしたBP(消費値)は全部MPに突っ込んだ。
BP(能力値)は、火力不足を痛感したから、STRにつぎ込んだ。
ちなみに俺だけもらった称号『称号コレクター(入門)』の詳細はこんな感じ。
称号『称号コレクター(入門)』
スキルを集め出したものに与えられる称号。
獲得条件:称号を5つ獲得している。
称号による効果が10%アップする。
めちゃめちゃいい称号だった。
ステータスがめっちゃ強化された。
壁に感じていたLv.10も突破した。
こっから快進撃!
これで、こっからの周回はもっといい感じに戦えるはずだ。
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そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
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※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
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