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Alliance Possibility On-line 作品例
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魔物との生存圏争いにおいて、国ごとに孤軍奮闘し、日々生存圏を守っている。
そんな世界にあなたは旅立ちます。
日々の生活でいっぱいいっぱいで、国通しが共に手を取ることもできず、良く言えば均衡を保てている世界、悪く言えば停滞してきている世界。
あなた達の存在は、そんなこの世界を変える可能性を秘めているのです!!
各々が魔物との生存圏争いに加わり魔物と対峙するのか、
志を共にする仲間と共に立ち上がり何かを成そうと奮闘するのか、
のんびりと世界を旅してまわることにより住民たちの間での交流を生み出すのか、
世界を変える発明をし人類の生活レベルを飛躍的に向上させるのか、
物作りを極めこの世界にも現実にもなかったようなものを生み出すのか、
全てはあなたたち次第。
…
(中略)
…
あなた達の行動が、この世界にどのような影響があるのかは、今はまだ誰も予想できない。
だが、停滞してきたこの世界において、あなた達が一筋の希望の光であることは間違いない!!!
さぁ、行くのです!!!世界を渡りし冒険者たちよ!!!!
長いオープニングが終わり、俺はでかでかと出ているスタートのボタンを押した。
そして俺は、さっきまで見ていたオープニングの世界とは別の空間に飛ばされた。
俺は今、最新のフルダイブVRMMOをプレイしている。
フルダイブVRMMOなんて、世間ですごく話題にはなっていたけど、まったく自分事ではなくあまり関心がなかった先週の自分。
1週間のうちにどうして、こうなったんだろう?
~先週の水曜日~
「なぁ、久、APOやろうぜ!!」
休み時間、急に元気よく話しかけてきたのは、小学校からの親友である篠宮 涼だ。
こいつはいつも唐突に話を振ってくる。
おれは、心の中でやれやれとか思いながら涼の問いかけに答えていく。
「あんな人気なソフト持ってないぞ。確かAPOって、予約開始30秒で完売してたよな。しかも予約開始で待機していた人の99%がサイトにすら入れなかったとか」
話していると、だんだんと涼の顔が得意げに自慢げな顔になっていく。
まさかと思って、APOについて知っていることを話すのをやめ、直球で聞いた。
「もしかしてお前、持ってるのか?APO」
「おう!!実はうちの兄ちゃんが、βテスターってやつで、βテスターをやった特典で、製品版の優先購入権が4つ貰ったんだって。兄ちゃんが高校入学祝として、その優先購入権で、俺とお前と華の分を買ってくれたんだ。だから、一緒にAPOを始めてみないか?」
え?!!!
涼の兄ちゃんAPOのβテスターだったの?!!
え?!!
優先権4つももらえるんだ??!!!
え?!!
その貴重な4つの優先購入権のうち3つを使って、俺たちに買ってくれるの??!!!
え?!!
ということは、あのAPOができるの?!!
涼のお兄さん、高校の入学祝でAPOくれるの??!!!
そもそもあのソフト、1万円くらいしてなかったっけ?
そんなソフトをポンと3つもプレゼントしてくれる涼の兄ちゃんって、もしかして神なのか?!!神なのか??!!!
ゲーム好きの血が騒いで、興奮が収まらない!!
いろいろと、涼の話を理解するのにだいぶラグができてしまった。
1個1個の事実を順番に受け入れていかないと確実に頭がパンクしていただろう。
俺が理解が追い付かなくてぽかんとしているときに、涼は不思議そうな顔でこっちを凝視していた。
俺は、なんとか復活して、涼に返事をする。
「できるなら、やるしかないな。でも、あのソフトって最新のVR機器じゃないとできないんだよな?あれって、10万円くらいしなかったっけ?」
「あぁ、それくらいするVRが必要だ。だから、今週末買いに行こう!お前確かお年玉とか毎年ためてたから、10万なら無理したら出せるだろ?!」
「まぁ、出来ないこともないけど…うーん…でも…
うん!!あの、今、世界で話題沸騰のAPOを配信開始からプレイできるなら、買うしかないか!!もう2度とこんな経験できないかもしれないしな。
よし!週末買いに行くか10万のVR」
「おし!!じゃあ週末予定空けとけよ!」
「OK!!そういえば、3人でやるって言ってたけど、華には話しはもうしてるのか?」
「あぁ、さっきしといた。華は親に土下座してVR買ってもらうって言ってたぞ」
「華らしいな」
「じゃあ、もうすぐ授業だから席戻るわ」
涼が、自分の席に戻っていった。
はぁ、まさか俺があのAPOができるとは。
予約の時は人気過ぎるから、待機する気も起きなかったからなぁ。
いやぁ、楽しみだなぁ。
なんか、今からワクワクしてきた。
それから、1週間超は怒涛の1週間だった。
まずは先週末に、VR機器を買い、貯金をほとんど使い果たした。
それから、1週間超をかけて、設置と本体設定をしていた。
この本体設定が鬼門で、生体認証の制度を上げるために何度もリセマラみたいなことをした。
そして、手に入れた100%シンクロ。
APOは、配信開始前でもアバターを作ることができたので、丸1日悩みながらアバターを作成した。
ついでに、昨日夏休みに入った。
ここで、APOについてちゃんと説明をしておこう。
APOとは、『Alliance Possibility On-line』の略で、配信開始前から世界を沸かせているフルダイブVRMMO。
制作元は、『モンスターゲームズ』
この会社は、前作品で世界で初めてフルダイブVRゲームを実現した。
前作で出た莫大な利益をもとに開発されたのが今作のAPOだと言われている。
今作は、前作とは変わりMMOだ。
前作から大幅に技術が向上したことにより、MMOが実現しさらに、フルダイブ時の感覚が、リアルの感覚に限りなく近くなった。
前作が爆発的に売れたフルダイブVRゲームの2作目であることや、世界初のフルダイブVRMMOであることなどで、世界から注目されている。
初回生産分は1万本となっていて、そのソフトは壮絶な争いの上で勝ち取られた人の元へ届いている。
転売ヤーすらやりたくて転売しないほどに、注目のゲームとなっている。
そして今、
きちんと寝て、ばっちり健康になった状態で10時の配信開始を待って、ログインし、長いオープニングを飛ばさずに見て、設定の部屋へと来た。
よし、さっさと設定終わらせて、あの世界に飛び出すぞ!!
今日は、土曜だし、これからは夏休みだし時間を気にせず遊びつくすぞ!!!
何にもない真っ白な空間に一つ大きめの画面が出てきた。
生えてきたという表現が正確なのかもしれない。
空間を割くようにニョキニョキっと出てきた画面にはこう書かれていた。
事前に登録しておいたアバターを利用しますか?
はい/いいえ
俺は何もためらわず『はい』を押した。
すると、俺の姿が変わっていくことを感じる。
視線がさっきよりも少し下がった気がする。
多分初期アバターの身長が少し高めに設定されていたんだろう。
だから、俺の身長が低いとかそういうことでは全くないからね!
アバターは身長をいじることができない。元の身長で勝負しないといけないのだ。
日本人の俺の身長が、さっきまでのファンタジーっぽい欧米の人っぽい初期アバターより低いのは、当たり前のことだ。
セルフ言い訳を終えて、画面を見た。
画面には、俺が作ったキャラクターが、ゆっくりくるくる回りながら表示されていた。
次に表示された文言はこうだ。
このアバターから何か変更しますか?
はい/いいえ
※これ以降アバターを変更する際には有料のアイテムが必要になります。
俺は、『いいえ』を押した。
丸1日考え抜いたアバターだから変更するところなんてないって気持ちと、それ以上にキャラクタービルドを早くして、早く冒険に出たいという気持ちで、俺は『いいえ』を押した。
次に出てきたのは、ステータス画面だ。
ようやく、ステータスの設定が始まるみたいだ。
画面を見ながら、俺は考えだした。
ちなみに、画面に表示されているのはこういう感じだ。
キャラクターレベル:Lv.1
職業:
HP:0
MP:0
STR:0
VIT:0
INT:0
MND:0
DEX:0
AGI:0
LUK:0
スキル
SP(スキル):15(非選択分は消滅)
SP(消費ステータス):100(非選択分は消滅)
SP(能力値ステータス):100(非選択分は消滅)
昨日の夜考えてだいたいどういうステータスにするか決めておいたけど、どうしよう。変えようかな。
どうしよう。
流行りの極振りにしようかな。
どうしようかな。
でも、このゲーム、ステータスの振り直しもリセットも出来ないから、極振りはリスキーすぎるかな。
このゲームを長く続けたいし、楽しく強くなりたいし、実直に行こう。
とりあえず、職業から。
昨日決めた通りに剣士に設定した。
やっぱり、世界観的に剣と魔法の世界だし、剣と魔法、両方やりたい。
剣士をしながら魔法ならいけそうだけど、魔術師をしながら剣を振るのってすごく難しそう。
なんとなく、魔術師って運動音痴な感じがするし。
ここは、決めていたし、スムーズに決まった。
次にステータス。
いや、まずスキルを見ておこう。
スキルによって、ステータスは変えたいから。
スキル一覧から剣士が使いそうなスキルと、魔法に使えそうなスキルを見繕う。
あぁ、スキルを覚えるのに、このSP(スキル)を3も使うんだ。
ステータスを先に振らないでおいてよかった。
さっきまでスキルを15個取るつもりだった。
SP(スキル)が15だから、一つに3SPも使うなら、5つしか取れないのか。
これは慎重に考えなきゃ。
さっき、大雑把に絞った15個のスキルを一回白紙に戻した。
それから3分くらいじっくり考えた末、結論を出した。
剣術(入門)Lv.1/Lv.10 『ソードアタック』
魔術(入門)Lv.1/Lv.10 『ボール』
物理の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(極微)Lv.1/Lv.10
ステータスアップAGI(極微)Lv.1/Lv.10
俺が選んだスキルは、この5つだ。
剣士をするからとりあえず『剣術』は必須なんじゃないかな?
それと、魔法を使いたいし『魔術』も取ってみた。
ステータスアップ系は、塵も積もれば山となるというし、今は極微しかアップしないけど将来的にはすごいことになるかもしれないから、取ってみた。
魔法も使うけど、基本的には剣メインだから最後の一つは『物理の心得』にした。
単発系の技のスキルもあったけど、なんとなく効果が微妙そうな感じがしたからやめておいた。
スキル一覧に乗っているスキルは、ゲームを始めてからも全員にとる機会があるらしいから、単発技とかの汎用性の低そうなスキルはその時になってから取ろうと思う。
最後にステータス。
これはもう、勘で振るしかない。
ステータスがだいたいどういうことを左右するかを見て、なんとなくで決めた。
まとめるとこんな感じらしい。
攻撃(STR) 物理攻撃力 腕力にも影響する
防御(VIT) 防御力 HPに影響する
魔法(INT) 魔法威力 MPに影響する
精神(MND) 状態異常防御力 HP、MPに影響する
器用さ(DEX) 器用さ クリティカル率に作用する 生産に作用する
素早さ(AGI) 素早さ、俊敏さ 手数が増える 魔法の弾速か詠唱速度をあげる。
運(LUK) 運のよさ 確率系のものに作用する クリティカル率に作用する 生産にも作用する
なんとなく物理寄りで魔法も使えて、って考えているとすごく中途半端なステータスになっちゃった気がする。
そんな俺の完成した初期ステータスはこちら!
ドン!!
キャラクターレベル:Lv.1
職業:剣士Lv.1
HP:81/81(80+1)
MP:21/21(20+1)
STR:41(30+12)
VIT:5
INT:5
MND:10
DEX:10
AGI:30(25+6)
LUK:15
スキル
剣術(入門)Lv.1/Lv.10 『ソードアタック』
魔術(入門)Lv.1/Lv.10 『ボール』
物理の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(極微)Lv.1/Lv.10
ステータスアップAGI(極微)Lv.1/Lv.10
SP(スキル):0
SP(消費ステータス):0
SP(能力値ステータス):0
※()の前が最終ステータス。()内が、振ったステータスと補正ステータス。
俺は、力強く決定ボタンを押した。
これでもう後戻りはできない。
俺の冒険が始まるんだ!
そう意気込んで今にも街に繰り出そうとしていたら、出鼻をくじくようにまた新しい画面が出た。
ちょっとフライングしそうになった。誰に見られているわけじゃないけど、ちょっと恥ずかしい。
新しい画面には、こう書かれていた。
最後に、
プレイヤーネームを入力してください。
俺はそこにオクツと入力し、また力強く、だけれど、さっき恥をかいたから冷静に、決定ボタンを押した。
そしたら、俺を光が包む。
眩しいというよりは優しい白い光に包まれた。
気が付いたら、綺麗な噴水の前に立っていた。
そして、さっきまで操作していた画面を一回り小さくしたようなウィンドウが目の前に現れた。
そのウィンドウには、こう書かれていた。
チュートリアルを開始します。
そんな世界にあなたは旅立ちます。
日々の生活でいっぱいいっぱいで、国通しが共に手を取ることもできず、良く言えば均衡を保てている世界、悪く言えば停滞してきている世界。
あなた達の存在は、そんなこの世界を変える可能性を秘めているのです!!
各々が魔物との生存圏争いに加わり魔物と対峙するのか、
志を共にする仲間と共に立ち上がり何かを成そうと奮闘するのか、
のんびりと世界を旅してまわることにより住民たちの間での交流を生み出すのか、
世界を変える発明をし人類の生活レベルを飛躍的に向上させるのか、
物作りを極めこの世界にも現実にもなかったようなものを生み出すのか、
全てはあなたたち次第。
…
(中略)
…
あなた達の行動が、この世界にどのような影響があるのかは、今はまだ誰も予想できない。
だが、停滞してきたこの世界において、あなた達が一筋の希望の光であることは間違いない!!!
さぁ、行くのです!!!世界を渡りし冒険者たちよ!!!!
長いオープニングが終わり、俺はでかでかと出ているスタートのボタンを押した。
そして俺は、さっきまで見ていたオープニングの世界とは別の空間に飛ばされた。
俺は今、最新のフルダイブVRMMOをプレイしている。
フルダイブVRMMOなんて、世間ですごく話題にはなっていたけど、まったく自分事ではなくあまり関心がなかった先週の自分。
1週間のうちにどうして、こうなったんだろう?
~先週の水曜日~
「なぁ、久、APOやろうぜ!!」
休み時間、急に元気よく話しかけてきたのは、小学校からの親友である篠宮 涼だ。
こいつはいつも唐突に話を振ってくる。
おれは、心の中でやれやれとか思いながら涼の問いかけに答えていく。
「あんな人気なソフト持ってないぞ。確かAPOって、予約開始30秒で完売してたよな。しかも予約開始で待機していた人の99%がサイトにすら入れなかったとか」
話していると、だんだんと涼の顔が得意げに自慢げな顔になっていく。
まさかと思って、APOについて知っていることを話すのをやめ、直球で聞いた。
「もしかしてお前、持ってるのか?APO」
「おう!!実はうちの兄ちゃんが、βテスターってやつで、βテスターをやった特典で、製品版の優先購入権が4つ貰ったんだって。兄ちゃんが高校入学祝として、その優先購入権で、俺とお前と華の分を買ってくれたんだ。だから、一緒にAPOを始めてみないか?」
え?!!!
涼の兄ちゃんAPOのβテスターだったの?!!
え?!!
優先権4つももらえるんだ??!!!
え?!!
その貴重な4つの優先購入権のうち3つを使って、俺たちに買ってくれるの??!!!
え?!!
ということは、あのAPOができるの?!!
涼のお兄さん、高校の入学祝でAPOくれるの??!!!
そもそもあのソフト、1万円くらいしてなかったっけ?
そんなソフトをポンと3つもプレゼントしてくれる涼の兄ちゃんって、もしかして神なのか?!!神なのか??!!!
ゲーム好きの血が騒いで、興奮が収まらない!!
いろいろと、涼の話を理解するのにだいぶラグができてしまった。
1個1個の事実を順番に受け入れていかないと確実に頭がパンクしていただろう。
俺が理解が追い付かなくてぽかんとしているときに、涼は不思議そうな顔でこっちを凝視していた。
俺は、なんとか復活して、涼に返事をする。
「できるなら、やるしかないな。でも、あのソフトって最新のVR機器じゃないとできないんだよな?あれって、10万円くらいしなかったっけ?」
「あぁ、それくらいするVRが必要だ。だから、今週末買いに行こう!お前確かお年玉とか毎年ためてたから、10万なら無理したら出せるだろ?!」
「まぁ、出来ないこともないけど…うーん…でも…
うん!!あの、今、世界で話題沸騰のAPOを配信開始からプレイできるなら、買うしかないか!!もう2度とこんな経験できないかもしれないしな。
よし!週末買いに行くか10万のVR」
「おし!!じゃあ週末予定空けとけよ!」
「OK!!そういえば、3人でやるって言ってたけど、華には話しはもうしてるのか?」
「あぁ、さっきしといた。華は親に土下座してVR買ってもらうって言ってたぞ」
「華らしいな」
「じゃあ、もうすぐ授業だから席戻るわ」
涼が、自分の席に戻っていった。
はぁ、まさか俺があのAPOができるとは。
予約の時は人気過ぎるから、待機する気も起きなかったからなぁ。
いやぁ、楽しみだなぁ。
なんか、今からワクワクしてきた。
それから、1週間超は怒涛の1週間だった。
まずは先週末に、VR機器を買い、貯金をほとんど使い果たした。
それから、1週間超をかけて、設置と本体設定をしていた。
この本体設定が鬼門で、生体認証の制度を上げるために何度もリセマラみたいなことをした。
そして、手に入れた100%シンクロ。
APOは、配信開始前でもアバターを作ることができたので、丸1日悩みながらアバターを作成した。
ついでに、昨日夏休みに入った。
ここで、APOについてちゃんと説明をしておこう。
APOとは、『Alliance Possibility On-line』の略で、配信開始前から世界を沸かせているフルダイブVRMMO。
制作元は、『モンスターゲームズ』
この会社は、前作品で世界で初めてフルダイブVRゲームを実現した。
前作で出た莫大な利益をもとに開発されたのが今作のAPOだと言われている。
今作は、前作とは変わりMMOだ。
前作から大幅に技術が向上したことにより、MMOが実現しさらに、フルダイブ時の感覚が、リアルの感覚に限りなく近くなった。
前作が爆発的に売れたフルダイブVRゲームの2作目であることや、世界初のフルダイブVRMMOであることなどで、世界から注目されている。
初回生産分は1万本となっていて、そのソフトは壮絶な争いの上で勝ち取られた人の元へ届いている。
転売ヤーすらやりたくて転売しないほどに、注目のゲームとなっている。
そして今、
きちんと寝て、ばっちり健康になった状態で10時の配信開始を待って、ログインし、長いオープニングを飛ばさずに見て、設定の部屋へと来た。
よし、さっさと設定終わらせて、あの世界に飛び出すぞ!!
今日は、土曜だし、これからは夏休みだし時間を気にせず遊びつくすぞ!!!
何にもない真っ白な空間に一つ大きめの画面が出てきた。
生えてきたという表現が正確なのかもしれない。
空間を割くようにニョキニョキっと出てきた画面にはこう書かれていた。
事前に登録しておいたアバターを利用しますか?
はい/いいえ
俺は何もためらわず『はい』を押した。
すると、俺の姿が変わっていくことを感じる。
視線がさっきよりも少し下がった気がする。
多分初期アバターの身長が少し高めに設定されていたんだろう。
だから、俺の身長が低いとかそういうことでは全くないからね!
アバターは身長をいじることができない。元の身長で勝負しないといけないのだ。
日本人の俺の身長が、さっきまでのファンタジーっぽい欧米の人っぽい初期アバターより低いのは、当たり前のことだ。
セルフ言い訳を終えて、画面を見た。
画面には、俺が作ったキャラクターが、ゆっくりくるくる回りながら表示されていた。
次に表示された文言はこうだ。
このアバターから何か変更しますか?
はい/いいえ
※これ以降アバターを変更する際には有料のアイテムが必要になります。
俺は、『いいえ』を押した。
丸1日考え抜いたアバターだから変更するところなんてないって気持ちと、それ以上にキャラクタービルドを早くして、早く冒険に出たいという気持ちで、俺は『いいえ』を押した。
次に出てきたのは、ステータス画面だ。
ようやく、ステータスの設定が始まるみたいだ。
画面を見ながら、俺は考えだした。
ちなみに、画面に表示されているのはこういう感じだ。
キャラクターレベル:Lv.1
職業:
HP:0
MP:0
STR:0
VIT:0
INT:0
MND:0
DEX:0
AGI:0
LUK:0
スキル
SP(スキル):15(非選択分は消滅)
SP(消費ステータス):100(非選択分は消滅)
SP(能力値ステータス):100(非選択分は消滅)
昨日の夜考えてだいたいどういうステータスにするか決めておいたけど、どうしよう。変えようかな。
どうしよう。
流行りの極振りにしようかな。
どうしようかな。
でも、このゲーム、ステータスの振り直しもリセットも出来ないから、極振りはリスキーすぎるかな。
このゲームを長く続けたいし、楽しく強くなりたいし、実直に行こう。
とりあえず、職業から。
昨日決めた通りに剣士に設定した。
やっぱり、世界観的に剣と魔法の世界だし、剣と魔法、両方やりたい。
剣士をしながら魔法ならいけそうだけど、魔術師をしながら剣を振るのってすごく難しそう。
なんとなく、魔術師って運動音痴な感じがするし。
ここは、決めていたし、スムーズに決まった。
次にステータス。
いや、まずスキルを見ておこう。
スキルによって、ステータスは変えたいから。
スキル一覧から剣士が使いそうなスキルと、魔法に使えそうなスキルを見繕う。
あぁ、スキルを覚えるのに、このSP(スキル)を3も使うんだ。
ステータスを先に振らないでおいてよかった。
さっきまでスキルを15個取るつもりだった。
SP(スキル)が15だから、一つに3SPも使うなら、5つしか取れないのか。
これは慎重に考えなきゃ。
さっき、大雑把に絞った15個のスキルを一回白紙に戻した。
それから3分くらいじっくり考えた末、結論を出した。
剣術(入門)Lv.1/Lv.10 『ソードアタック』
魔術(入門)Lv.1/Lv.10 『ボール』
物理の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(極微)Lv.1/Lv.10
ステータスアップAGI(極微)Lv.1/Lv.10
俺が選んだスキルは、この5つだ。
剣士をするからとりあえず『剣術』は必須なんじゃないかな?
それと、魔法を使いたいし『魔術』も取ってみた。
ステータスアップ系は、塵も積もれば山となるというし、今は極微しかアップしないけど将来的にはすごいことになるかもしれないから、取ってみた。
魔法も使うけど、基本的には剣メインだから最後の一つは『物理の心得』にした。
単発系の技のスキルもあったけど、なんとなく効果が微妙そうな感じがしたからやめておいた。
スキル一覧に乗っているスキルは、ゲームを始めてからも全員にとる機会があるらしいから、単発技とかの汎用性の低そうなスキルはその時になってから取ろうと思う。
最後にステータス。
これはもう、勘で振るしかない。
ステータスがだいたいどういうことを左右するかを見て、なんとなくで決めた。
まとめるとこんな感じらしい。
攻撃(STR) 物理攻撃力 腕力にも影響する
防御(VIT) 防御力 HPに影響する
魔法(INT) 魔法威力 MPに影響する
精神(MND) 状態異常防御力 HP、MPに影響する
器用さ(DEX) 器用さ クリティカル率に作用する 生産に作用する
素早さ(AGI) 素早さ、俊敏さ 手数が増える 魔法の弾速か詠唱速度をあげる。
運(LUK) 運のよさ 確率系のものに作用する クリティカル率に作用する 生産にも作用する
なんとなく物理寄りで魔法も使えて、って考えているとすごく中途半端なステータスになっちゃった気がする。
そんな俺の完成した初期ステータスはこちら!
ドン!!
キャラクターレベル:Lv.1
職業:剣士Lv.1
HP:81/81(80+1)
MP:21/21(20+1)
STR:41(30+12)
VIT:5
INT:5
MND:10
DEX:10
AGI:30(25+6)
LUK:15
スキル
剣術(入門)Lv.1/Lv.10 『ソードアタック』
魔術(入門)Lv.1/Lv.10 『ボール』
物理の心得(入門)Lv.1/Lv.10
ステータスアップSTR(極微)Lv.1/Lv.10
ステータスアップAGI(極微)Lv.1/Lv.10
SP(スキル):0
SP(消費ステータス):0
SP(能力値ステータス):0
※()の前が最終ステータス。()内が、振ったステータスと補正ステータス。
俺は、力強く決定ボタンを押した。
これでもう後戻りはできない。
俺の冒険が始まるんだ!
そう意気込んで今にも街に繰り出そうとしていたら、出鼻をくじくようにまた新しい画面が出た。
ちょっとフライングしそうになった。誰に見られているわけじゃないけど、ちょっと恥ずかしい。
新しい画面には、こう書かれていた。
最後に、
プレイヤーネームを入力してください。
俺はそこにオクツと入力し、また力強く、だけれど、さっき恥をかいたから冷静に、決定ボタンを押した。
そしたら、俺を光が包む。
眩しいというよりは優しい白い光に包まれた。
気が付いたら、綺麗な噴水の前に立っていた。
そして、さっきまで操作していた画面を一回り小さくしたようなウィンドウが目の前に現れた。
そのウィンドウには、こう書かれていた。
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