85 / 88
後日談 18
しおりを挟む
『セミオーダーの選んだ指輪のデザイン会社が小さい所なので、約2ヶ月かかります』と言われた。
しかも、ちょうどクリスマス時期なので、婚約指輪と結婚指輪の注文が多くなるから余計に忙しいらしい。
茉莉も颯人も、満足した婚約指輪だから別に気にしていなかった。
『よろしくお願いします!』と2人で言うと、お店を出た。
「ねぇ、もしかして婚約指輪…事前に調べたの?」
ヘタレの茉莉が、今日はやけに積極的というかテキパキと決める事が出来ていたのが引っかかり、聞いた。
「うん。一生に一度の事、だから。ネットとか雑誌とかで調べた」
茉莉は、照れくさそうに言った。
その姿に、颯人はドキンッと胸が高鳴る。
「~っ!早く帰りたい」
「うん?そうだね」
茉莉はわかっていないが、颯人はさっきから発情していた。
もう、我慢の限界だった。
「あ、その前に『美甘堂』に寄ってね」
「ん?」
「お礼、買いたいから」
「わかった」
車が老舗和菓子屋の『美甘堂』へと向かう。
「クリスマスの日に渡せられて、良いかも」
茉莉は嬉しそうに、車を運転していた。
「颯人、クリスマスどうしようか?」
2ヶ月も後の予定を聞いてくる。
「気が早いって…」
「クリスマスだから、今から予約しないと部屋取れないかもしれない」
「そっか」
そう言う颯人も顔には出さないが、楽しそうにしていた。
お互いが『ここは?』とか『雑誌で見た宿』とか話していると、学校に着いた。
卒業レッスンの時とは違い、堂々と正門から一緒に帰って来れる。
知代田さんが、挨拶をしてくれた。
「今日も茉莉くんの鼻が、伸びてるね!」
「え~!そうですか?」
「デレデレして、若いって良いねぇ」
「ありがとうございます!」
「…そこでの、お礼がわからない」
颯人は帰りに買った、"美甘堂"という老舗の和菓子屋のどら焼きを知代田さんに渡した。
「知代田さん。この前、お世話になったので…」
卒業レッスンの日は、本当にお世話になった。
茉莉に裏門と寮の裏側のドアの鍵を借りてしまったし、電話で裕汰の当日の居場所まで調べてもらった。
「お!美甘堂さんのどら焼きは、甘さ控え目だからいくらでも食べられるんだよね。颯人くん、悪いね」
「いえ。たぶん…これからも、お世話になりますから」
「いつでも、外泊していいよ!いや~、茉莉くん良かったねぇ、気の利いた良いお嫁さんもらえるなんて」
その言葉に、茉莉の整った顔は更にデレ~ッとなる。
「そうなんですよ!颯人は気が利くし、何より床…ゴフッ!」
『床上手』と言おうとした茉莉の横腹に、思いっきり肘鉄砲を撃ち込んだ。
「知代田さん、嫁は気が早いから」
颯人は知代田さんに言う。
「そうかなぁ。すごくお似合いだよ」
そう言われて、嫌ではないが恥ずかしい。
知代田さんに、再度お礼を言って、痛がっている茉莉を連れて食堂に行った。
しかも、ちょうどクリスマス時期なので、婚約指輪と結婚指輪の注文が多くなるから余計に忙しいらしい。
茉莉も颯人も、満足した婚約指輪だから別に気にしていなかった。
『よろしくお願いします!』と2人で言うと、お店を出た。
「ねぇ、もしかして婚約指輪…事前に調べたの?」
ヘタレの茉莉が、今日はやけに積極的というかテキパキと決める事が出来ていたのが引っかかり、聞いた。
「うん。一生に一度の事、だから。ネットとか雑誌とかで調べた」
茉莉は、照れくさそうに言った。
その姿に、颯人はドキンッと胸が高鳴る。
「~っ!早く帰りたい」
「うん?そうだね」
茉莉はわかっていないが、颯人はさっきから発情していた。
もう、我慢の限界だった。
「あ、その前に『美甘堂』に寄ってね」
「ん?」
「お礼、買いたいから」
「わかった」
車が老舗和菓子屋の『美甘堂』へと向かう。
「クリスマスの日に渡せられて、良いかも」
茉莉は嬉しそうに、車を運転していた。
「颯人、クリスマスどうしようか?」
2ヶ月も後の予定を聞いてくる。
「気が早いって…」
「クリスマスだから、今から予約しないと部屋取れないかもしれない」
「そっか」
そう言う颯人も顔には出さないが、楽しそうにしていた。
お互いが『ここは?』とか『雑誌で見た宿』とか話していると、学校に着いた。
卒業レッスンの時とは違い、堂々と正門から一緒に帰って来れる。
知代田さんが、挨拶をしてくれた。
「今日も茉莉くんの鼻が、伸びてるね!」
「え~!そうですか?」
「デレデレして、若いって良いねぇ」
「ありがとうございます!」
「…そこでの、お礼がわからない」
颯人は帰りに買った、"美甘堂"という老舗の和菓子屋のどら焼きを知代田さんに渡した。
「知代田さん。この前、お世話になったので…」
卒業レッスンの日は、本当にお世話になった。
茉莉に裏門と寮の裏側のドアの鍵を借りてしまったし、電話で裕汰の当日の居場所まで調べてもらった。
「お!美甘堂さんのどら焼きは、甘さ控え目だからいくらでも食べられるんだよね。颯人くん、悪いね」
「いえ。たぶん…これからも、お世話になりますから」
「いつでも、外泊していいよ!いや~、茉莉くん良かったねぇ、気の利いた良いお嫁さんもらえるなんて」
その言葉に、茉莉の整った顔は更にデレ~ッとなる。
「そうなんですよ!颯人は気が利くし、何より床…ゴフッ!」
『床上手』と言おうとした茉莉の横腹に、思いっきり肘鉄砲を撃ち込んだ。
「知代田さん、嫁は気が早いから」
颯人は知代田さんに言う。
「そうかなぁ。すごくお似合いだよ」
そう言われて、嫌ではないが恥ずかしい。
知代田さんに、再度お礼を言って、痛がっている茉莉を連れて食堂に行った。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる