最愛Lovers

らいねこ

文字の大きさ
上 下
55 / 88

決心 2

しおりを挟む
その後はきちんと身体を洗い、ベッドに横になりながら、チェックアウトまでずっとキスをしていた。


それなのに、その数時間後は状況が変わっていた。


「茉莉、下ろして!」


さっきまで甘ったるい雰囲気だったのに、廊下で颯人が茉莉に対して大きな声を出していた。


「歩けないのに、下ろすのか?」


「歩ける、からっ!」


颯人は茉莉の腕から逃げた。


そして、廊下を歩こうとしたが…


「ふっ…んっ」


腰が気だるくて重く、膝も笑っている。


身体は、全身筋肉痛だ。


昨日からの濃厚なセックスで、颯人の体力が0に等しい。


頬を赤くしながら色気が漂う颯人は、茉莉を平常心に戻してくれない。


「…」


(…この可愛い生き物は、俺をどうしたいんだ)


「もう少ししたら、歩ける…わっ!」


強気に言っている颯人の身体を、お姫様抱っこした。


「茉莉!」


「もう駄目だ!見てられない、可愛すぎるっ」


「ちょっ!目が腐ってる」


「俺が無理させて、この動きなんだから腐ってない」


「な~っ!」


珍しく、颯人が茉莉に抗議をしようとしていた。


颯人を抱き抱えたまま、エレベーターの下ボタンを押した。


「暴れると、人前でキスをするぞ」


「っ!!」


颯人は真っ赤っかになる。


(…本当に可愛い!)


昨日から、茉莉は自分でわかるぐらい颯人の扱いが違っていた。


抱けば抱く程、颯人への想いが膨らんで自分でも制御が出来ない。


(これから、学校に帰らないとならないのに…)


理性が保てなくなる。


颯人を抱き抱えたまま、カードキーを返す。


颯人は帽子を深く被っているので、顔は見えないが身体は震えていた。


しかし、茉莉はそんな颯人が可愛いくて誰にでも見せたい衝動に駆られているので、お構い無しだった。


支払いは、颯人が疲れて少しだけ寝てしまった時に茉莉は寝つけなかったので、その時に済ましておいた。


「精算はお済みですね。車を用意してますので、どうぞそのまま玄関の方に…」


そう言われて、玄関に行くと茉莉の愛車が停まっていた。


ドアマンが、助手席のドアを開ける。


茉莉はそっと、颯人を助手席に下ろした。


ドアマンがドアを閉める。


「またのお越しをお待ちしております!」


ドアマンが、深々とお辞儀をしていた。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

孤独な戦い(1)

Phlogiston
BL
おしっこを我慢する遊びに耽る少年のお話。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

処理中です...