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らいねこ

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嫉妬と… 2

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それから、間もなくして状況が変わる。


「ふっ、んっ…」


今日はレッスンの日。


「颯人…んっ」


いつも通り、玄関で舌を絡ませながらキスをする。


「は、んんっ」


「んっ…」


颯人の身体に指を這わせ、裾から素肌を撫でる。


「あ、んっ…茉、莉」


身を捩りながらも、颯人の両腕は茉莉の首に絡み付く。


毎回ベッドまで、やっとの思いで連れていく。


颯人の上着を脱がして、舌を這わせる。


「っ!ん…」


胸の突起物に唇を触れるだけで、颯人の身体は喜びで震えた。


(…可愛い)


吸い付くとより一層、喜ぶ。


手が下に向かっていき、ズボンを脱がす。


案の定、下着の下で主張する颯人の性器の形を見て眩暈がおきる。


(いつも、反応してくれている)


回を増すごとに、颯人の身体は敏感に反応をしている。


カプッと乳首を甘咬みすると、喘ぎながら腰が浮く。


ゆっくりと下着を脱がせると、性器は勃ち上がり先走り液が溢れそうだった。


そこに手を伸ばそうとした時…



ピンポーン



ドアチャイムが鳴った。


ビクッと、身体が飛び上がる。


(…この時間に、誰だ?!)


そして、もう一度…



ピンポーン


「…颯人、布団被っといて」


颯人が頷く。


慌てて身を起こし、玄関に向かう。


この部屋は玄関からはすぐ仕事部屋にしている部屋があり、プライベートの寝室とは幸い壁で見えないようになっていた。


(俺に用事?先生か?)


しかし、どちらも外れた。


(っと、靴)


颯人の靴があると、まずい。


一生徒をプライベート空間にあげているとなると、問題がありすぎる。


颯人の靴を下駄箱にしまった。


一度、深呼吸をしてから答える。


「はい」


ガチャッとドアを開けると、そこには裕汰がいてビックリした。


「…茉莉ちゃん。颯人は、ここにいるよね」


顔色を変えないように答えた。


「…いや?いないよ」


裕汰は、すっとスマホを出した。


(…まずい!)


どう見ても今、颯人のスマホにかけて確める気だと気づく。


「裕汰、お前部活は?」


どうにか気をまぎらわせようと、会話を試みるが操作しながら答えられてしまう。


「部活っていったって、俺は報道部だからね。時間は関係ないの」


(ヤバイ!!そうだった!)


思わぬ答えに、その後の言葉が続かない。


裕汰がスマホに耳を押し当てた。


…だが、いっこうに茉莉の部屋からは呼び鈴が鳴らない。


ホッとしてしまう。


裕汰は、諦めたようにスマホをしまい、足下を見ている。


靴を探しているのがわかった。


「茉莉ちゃん、何で嘘をつくの?颯人が部屋に入っていくの見たよ、俺」


そう言うと裕汰は、靴を脱いで部屋に入ろうとする。


「っ!…裕汰、悪いが小テスト作っている最中だから駄目だ!」


チラッと見える所に、各学年の小テストらしき紙が散らばっている。


(カモフラージュで、散らばって置いて良かった!)


ドアを開ける前に置いといた。


これで諦めなかったらどうしよう…と思っていたが、裕汰は部屋の状況を見てビックリして怯んだ。


さすがにヤバイと思ったらしく、来た時とは別人の雰囲気になった。


「…っ、今日は諦めます」


靴を脱ぐのを止めて、裕汰は茉莉に面と向かって言う。


「俺、颯人の事が本気で好きですから!負けません!」


茉莉が、口を開こうとして躊躇う。


だが、裕汰は走って帰っていった。


パタンッと、ドアを閉める。


「…ヤバかった」


(俺だって、颯人が好きだ…と言う所だった)


何の障害物も無い、裕汰が羨ましく思えた。


そう考えてしまい茉莉は、はぁ…とため息をついた。





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