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2日目
2日目 2
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トントンッとノックをすると、『はい』と返事が返ってきた。
その声だけで、ドキンッと胸が高鳴る。
(…?)
胸を押さえるが、何もない。
深呼吸をしてからドアを開けた。
会長の机に愁が座っている。
「ごめん。もう少しで終わらせるから、ソファーで座っていて」
よく見ると、昨日よりも書類の山が少し無くなっている。
(…忙しいのに)
自分の為に、時間を作ってくれている。
なんだか申し訳なくなる。
(あ、そうだ)
昨日、愁がコーヒーを入れてくれた。
(コーヒーなら、僕でも入れてあげられる!)
ポットが置いてある所に行った。
(お湯…沸かさないとないみたい)
近くの水道の蛇口をひねった。
水の音で、愁は気づく。
「あ、いいよ。俺が…」
「いえ、させて下さい!」
愁は少し考えて、席を立ってこっちに向かってきた。
「…ここ、3階だから少し水を出しっぱなしにしてから、ポットに入れてもらえるかな?」
そう言うと愁は、コップの置場所も教えてくれた。
「お客さんなのに、ごめんね」
「いえ、僕がしたくてしているので…」
愁は微笑むと、机に戻った。
咲はまた、胸が高鳴った。
(何だろう?わからない…どうしたんだろ、僕)
ポットのお湯が沸く。
お湯だけをコップに入れて温める。
お湯を捨ててから、コーヒー豆をフィルターに入れ、ゆっくりとお湯を注いだ。
コーヒーを入れ終わる。
コップを持ってソファーに行く。
「…いい匂いだね」
愁が手掛けていた書類を終えて、こっちに来る。
「コーヒー入れたので、どうぞ」
(『どうぞ』と言っても、コーヒーはここに置いてあったのだけど)
自分の言ったことが矛盾しているなと思った。
「じゃあ、いただきます」
愁は気にすることもなく、口をつけて飲んだ。
「美味しい!ありがとう。なかなか温かいのが飲めなくてね」
愁が喜んでくれた事に、咲は嬉しくなった。
「昨日はごめん、話の途中で席を立ってしまって」
「いえ、気にしないで下さい」
愁が悪い訳でもない。
(生徒会長さんは、気を使ってくれている…)
みんなが口を揃えて言っていた『優しい人』なのだろう。
その声だけで、ドキンッと胸が高鳴る。
(…?)
胸を押さえるが、何もない。
深呼吸をしてからドアを開けた。
会長の机に愁が座っている。
「ごめん。もう少しで終わらせるから、ソファーで座っていて」
よく見ると、昨日よりも書類の山が少し無くなっている。
(…忙しいのに)
自分の為に、時間を作ってくれている。
なんだか申し訳なくなる。
(あ、そうだ)
昨日、愁がコーヒーを入れてくれた。
(コーヒーなら、僕でも入れてあげられる!)
ポットが置いてある所に行った。
(お湯…沸かさないとないみたい)
近くの水道の蛇口をひねった。
水の音で、愁は気づく。
「あ、いいよ。俺が…」
「いえ、させて下さい!」
愁は少し考えて、席を立ってこっちに向かってきた。
「…ここ、3階だから少し水を出しっぱなしにしてから、ポットに入れてもらえるかな?」
そう言うと愁は、コップの置場所も教えてくれた。
「お客さんなのに、ごめんね」
「いえ、僕がしたくてしているので…」
愁は微笑むと、机に戻った。
咲はまた、胸が高鳴った。
(何だろう?わからない…どうしたんだろ、僕)
ポットのお湯が沸く。
お湯だけをコップに入れて温める。
お湯を捨ててから、コーヒー豆をフィルターに入れ、ゆっくりとお湯を注いだ。
コーヒーを入れ終わる。
コップを持ってソファーに行く。
「…いい匂いだね」
愁が手掛けていた書類を終えて、こっちに来る。
「コーヒー入れたので、どうぞ」
(『どうぞ』と言っても、コーヒーはここに置いてあったのだけど)
自分の言ったことが矛盾しているなと思った。
「じゃあ、いただきます」
愁は気にすることもなく、口をつけて飲んだ。
「美味しい!ありがとう。なかなか温かいのが飲めなくてね」
愁が喜んでくれた事に、咲は嬉しくなった。
「昨日はごめん、話の途中で席を立ってしまって」
「いえ、気にしないで下さい」
愁が悪い訳でもない。
(生徒会長さんは、気を使ってくれている…)
みんなが口を揃えて言っていた『優しい人』なのだろう。
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