20 / 49
古代の終焉、中世の日ノ本
日ノ本の中世 第十話 私有地の発生と軍役負担の増加
しおりを挟む
紀元前1800年から725年まで、2500年間は、大陸では、夏、殷、周、春秋戦国、秦、漢、三国、晋、五胡十六国、南北、隋、唐と変わる時期でもあります。多くの国が生まれ滅びた大陸から、日ノ本へ亡命した者達がいたことは確かである。彼らが伝えた、大規模土木工事を実行するための規約は、十倍の人口増加を実現したのです。仏教と共に、法家思想を持ち込んで、規約の確立と、官僚制度を日ノ本に構築していったのです。
日本の人口は、紀元前1800年頃、畿内では3万程度とされています。
大規模土木工事が始まり、灌漑設備や治水設備が整備され、畿内では古墳群による墾田開拓が進み、食料生産は激増します。結果として、戸籍が整備された725年には、畿内の人口は、45万と記録され、十倍以上の人口増が生じています。
弥生期の人口増加は、大規模墾田工事によって古墳の造成による、生産力向上によって生じたものである。
人口45万を平時に軍務として徴用すると、最大で10万人が動員できたとされます。仁徳陵に代表される古墳群の造成は、大規模墾田工事の結果として生まれたモノです。
軍務で徴用し、大規模治水墾田事業を実行し、造成された墾田を口分田として与える。この業務の繰り返しが、弥生期から畿内の人口増加を促したことになるのです。この時期の軍事行動は、大規模土木事業と連動していたため、兵役行動そのものが、班田収受としての利益供与となり、軍団そのものの士気を確保できたともいえます。つまり、10万の軍団を編成して、軍務代わりに土木工事を実施して、戦争があれば戦闘して、土木工事が完了した頃に退役して、班田を受け取って軍役を完了する。大規模墾田開発事業は、そのまま軍団を維持管理するための事業でもあった。
初期の軍団は、士気も高く、墾田開発が軍務代わりでもあった。大規模土木工事に動員された者達から、軍役に選ばれていたことになります。全国で国府の指導によって、各地で墾田開発と軍役が、同時に実行され、古墳が造成されると共に、治安維持をおこなっていたことになります。
<<<<<>>>>>
まぁ、言ってみれば弥生から古墳期は、2500年間の高度成長期ということになります。
<<<<<>>>>>
高度成長期に「国号・国体」が確立したことは、日本制覇という内戦統治から、制覇達成後の維持運営という流れに変化していきます。制覇完成が、聖武天皇陛下の頃に設置・建立された、国府と国分寺なのです。
「墾田永年私財法」が制定できたのは、「制覇達成」の結果です。つまり、「国号・国体」が確立したので、国家の内に私有地や私有財産が生まれても、国家が支配できるということになるのです。
国軍が負担が拡大するのは、白村江の敗戦によって、幾度も発生した新羅の海賊行為取締りを含めて、国防警備として防人が九州沿岸および島嶼に配置された結果である。坂東や奥州から徴兵され、防人に配置されることは、地の果てに配置されるようなモノであった。しかも、自給自足であることが前提とされ、任期が終わって帰る時は、独りで帰京するといった状況で、劣悪な環境下で国境警備をおこなっていたことになる。
墾田による班田収受もなく、兵役そのものが、負担でしかなくなる。開発する墾田が減っていくにつれて、国軍は徐々に士気・練度が下がり、戦闘時にあまり役に立たない状況となっていた。大宰府を含めて、軍団の改善を図るため、地元から徴兵をおこなうようになったのである。
日本の人口は、紀元前1800年頃、畿内では3万程度とされています。
大規模土木工事が始まり、灌漑設備や治水設備が整備され、畿内では古墳群による墾田開拓が進み、食料生産は激増します。結果として、戸籍が整備された725年には、畿内の人口は、45万と記録され、十倍以上の人口増が生じています。
弥生期の人口増加は、大規模墾田工事によって古墳の造成による、生産力向上によって生じたものである。
人口45万を平時に軍務として徴用すると、最大で10万人が動員できたとされます。仁徳陵に代表される古墳群の造成は、大規模墾田工事の結果として生まれたモノです。
軍務で徴用し、大規模治水墾田事業を実行し、造成された墾田を口分田として与える。この業務の繰り返しが、弥生期から畿内の人口増加を促したことになるのです。この時期の軍事行動は、大規模土木事業と連動していたため、兵役行動そのものが、班田収受としての利益供与となり、軍団そのものの士気を確保できたともいえます。つまり、10万の軍団を編成して、軍務代わりに土木工事を実施して、戦争があれば戦闘して、土木工事が完了した頃に退役して、班田を受け取って軍役を完了する。大規模墾田開発事業は、そのまま軍団を維持管理するための事業でもあった。
初期の軍団は、士気も高く、墾田開発が軍務代わりでもあった。大規模土木工事に動員された者達から、軍役に選ばれていたことになります。全国で国府の指導によって、各地で墾田開発と軍役が、同時に実行され、古墳が造成されると共に、治安維持をおこなっていたことになります。
<<<<<>>>>>
まぁ、言ってみれば弥生から古墳期は、2500年間の高度成長期ということになります。
<<<<<>>>>>
高度成長期に「国号・国体」が確立したことは、日本制覇という内戦統治から、制覇達成後の維持運営という流れに変化していきます。制覇完成が、聖武天皇陛下の頃に設置・建立された、国府と国分寺なのです。
「墾田永年私財法」が制定できたのは、「制覇達成」の結果です。つまり、「国号・国体」が確立したので、国家の内に私有地や私有財産が生まれても、国家が支配できるということになるのです。
国軍が負担が拡大するのは、白村江の敗戦によって、幾度も発生した新羅の海賊行為取締りを含めて、国防警備として防人が九州沿岸および島嶼に配置された結果である。坂東や奥州から徴兵され、防人に配置されることは、地の果てに配置されるようなモノであった。しかも、自給自足であることが前提とされ、任期が終わって帰る時は、独りで帰京するといった状況で、劣悪な環境下で国境警備をおこなっていたことになる。
墾田による班田収受もなく、兵役そのものが、負担でしかなくなる。開発する墾田が減っていくにつれて、国軍は徐々に士気・練度が下がり、戦闘時にあまり役に立たない状況となっていた。大宰府を含めて、軍団の改善を図るため、地元から徴兵をおこなうようになったのである。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
戦国三法師伝
kya
歴史・時代
歴史物だけれども、誰にでも見てもらえるような作品にしていこうと思っています。
異世界転生物を見る気分で読んでみてください。
本能寺の変は戦国の覇王織田信長ばかりではなく織田家当主織田信忠をも戦国の世から葬り去り、織田家没落の危機を迎えるはずだったが。
信忠が子、三法師は平成日本の人間が転生した者だった…
鬼が啼く刻
白鷺雨月
歴史・時代
時は終戦直後の日本。渡辺学中尉は戦犯として囚われていた。
彼を救うため、アン・モンゴメリーは占領軍からの依頼をうけろこととなる。
依頼とは不審死を遂げたアメリカ軍将校の不審死の理由を探ることであった。
剣客居酒屋 草間の陰
松 勇
歴史・時代
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
三國志 on 世説新語
ヘツポツ斎
歴史・時代
三國志のオリジンと言えば「三国志演義」? あるいは正史の「三國志」?
確かに、その辺りが重要です。けど、他の所にもネタが転がっています。
それが「世説新語」。三國志のちょっと後の時代に書かれた人物エピソード集です。当作はそこに載る1130エピソードの中から、三國志に関わる人物(西晋の統一まで)をピックアップ。それらを原文と、その超訳とでお送りします!
※当作はカクヨムさんの「世説新語 on the Web」を起点に、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさん、エブリスタさんにも掲載しています。
大陰史記〜出雲国譲りの真相〜
桜小径
歴史・時代
古事記、日本書紀、各国風土記などに遺された神話と魏志倭人伝などの中国史書の記述をもとに邪馬台国、古代出雲、古代倭(ヤマト)の国譲りを描く。予定。序章からお読みくださいませ
居候同心
紫紺
歴史・時代
臨時廻り同心風見壮真は実家の離れで訳あって居候中。
本日も頭の上がらない、母屋の主、筆頭与力である父親から呼び出された。
実は腕も立ち有能な同心である壮真は、通常の臨時とは違い、重要な案件を上からの密命で動く任務に就いている。
この日もまた、父親からもたらされた案件に、情報屋兼相棒の翔一郎と解決に乗り出した。
※完結しました。
明治仕舞屋顛末記
祐*
歴史・時代
大政奉還から十余年。年号が明治に変わってしばらく過ぎて、人々の移ろいとともに、動乱の傷跡まで忘れられようとしていた。
東京府と名を変えた江戸の片隅に、騒動を求めて動乱に留まる輩の吹き溜まり、寄場長屋が在る。
そこで、『仕舞屋』と呼ばれる裏稼業を営む一人の青年がいた。
彼の名は、手島隆二。またの名を、《鬼手》の隆二。
金払いさえ良ければ、鬼神のごとき強さで何にでも『仕舞』をつけてきた仕舞屋《鬼手》の元に舞い込んだ、やくざ者からの依頼。
破格の報酬に胸躍らせたのも束の間、調べを進めるにしたがって、その背景には旧時代の因縁が絡み合い、出会った志士《影虎》とともに、やがて《鬼手》は、己の過去に向き合いながら、新時代に生きる道を切り開いていく。
*明治初期、史実・実在した歴史上の人物を交えて描かれる 創 作 時代小説です
*登場する実在の人物、出来事などは、筆者の見解や解釈も交えており、フィクションとしてお楽しみください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる