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199X年というフレーズと20世紀末(1)
しおりを挟む日本では、「北斗の拳」に代表される、世紀末に世界が滅びるというフレーズから、「199X年」という表現が生まれた。
ノストラダムスの「予言集」(1555年)というのがあって、世紀末に世界が滅びるという、1999年7月に人類が滅亡するという解釈が発表された。「ノストラダムスの大予言」五島勉(1973年)
1973年と言う時代は、東西冷戦という「相互確証破壊」が、平和を維持しているという、不安と現実が背景にあった。
昭和30年代の高度経済成長は、そのまま、日本の環境破壊史であり、地縁血縁を破壊した時代であった。象徴として、昭和39年(1964年)に東京オリンピックが開催され、昭和45年(1970年)の大阪万博と共に、経済成長の幻想が形成されていった。
世界そのものは、東西冷戦の中にあり、「相互確証破壊」という、世界を滅ぼせる兵器(核兵器)によって、平和が創り出されていた。
昭和37年(1962年)10月にキューバ危機が起きて、核戦争が回避される事件が起きた。米ソのホットラインが、この後に開設されて、不測の事態と軍事衝突を避ける努力がなされた最初となった。ベトナム戦争が1955年8月2日-1975年4月30日、沖縄コザ騒動が昭和45年(1970年)12月20日未明となります。
ベトナム戦争は、アメリカ軍の実質的な負け戦であり、ベトナムに行くことが米兵にとって、恐怖の象徴となっていた。後方である沖縄で、米兵達は、酒や薬物そして女に溺れた結果、沖縄の住民が耐えられないくらいに傲慢な行動が繰り返された結果が、今も尾を引いています。
日本国内でテロにも使用された、サリンやVXガスといった毒ガスが、漏洩する事故が発生したのが、1969年7月8日であった。沖縄県の住民を含め、犠牲者が発生したが、一切の保証はされていない。
酒酔い運転の結果、歩道を走行して主婦を轢き殺した糸満轢殺事件は、1970年12月7日に軍法会議では、被害者への賠償を認めたものの、加害者に対しては証拠不十分として無罪判決を下した。
ベトナム戦争と言う、死の恐怖に怯えていたアメリカ兵にとって、治外法権であった沖縄は、生きていることができる世界でもあり、住民に対して何をしても無罪となる無法地帯となっていた。彼らを宥めるためにも、治外法権区では、極めて甘い対応をしていたのが、アメリカ軍であった。
士官と下士官では、ベトナム戦争に対する、考え方も異なるところがあるので、一概にアメリカ兵全体に適応はできないが、アメリカ占領下の昭和20年代は、日本各地で同様の状況であったのは事実である。
東西冷戦と代理戦争の激戦下という、世界情勢の中に日本があり、日本の平和が保たれている。歪のツケという奴は、なかなかに厄介で、アメリカはベトナム戦争期に起こした米兵のツケを、日本に払わせ続ける結果となる。
国内が高度経済成長という流れであっても、世界が次の瞬間に滅びるかも?そんな不安が消えない時代が、199X年というフレーズを生み出したのである。
20世紀は、大量生産と大量破壊の時代であり、東西冷戦という形の中で「相互確証破壊」という、世界環境を破壊する状況を生み出した時代でもあった。
地球環境破壊は、昭和期の日本が、四〇市喘息、水〇病、イ〇イイ〇イ病といった、公害訴訟を頻発させたことに直結していて、大阪では淀川水系の浄化活動を含めて、日本中でボトムアップの改革が進められていた。
コカ・コ〇ラのCMが、爽やかなバブルの演出をしている裏側で、日本のドス黒く穢れた闇が、徐々に浄化されていくのも199Xという時代だったのである。浄化しすぎた側面が現れるのは、2000年代に入ってからであり、違う闇に社会が沈んでいくことになる。
環境破壊は、一国だけで対応できないことから、国際協定の流れが生まれてくる。環境破壊を巡る国際協定は、東西冷戦の終焉以降に、進展することとなる。
環境問題の国際協定は、1987年のモントリオール議定書でオゾン層破壊のフロンガス禁止が締結された。1997年の京都議定書で「地球温暖化」の原因として、代替フロンが「温室効果ガス」とされたのだが、そこら辺の話には、あまり触れられていない。
地球環境を人間が破壊しているのは事実であり、この時期のアニメには、Gガ〇ダム(1994.4-1995.3)のように、人間そのものを「悪」とした作品が生まれている。
「自然に対して、文句を言う動物が、人間である」新井素子さんの描いた「絶句」(1983年)で出てきたセリフだったと思うが、人間と他の生き物を分ける言葉としては、面白い定義だなぁと感心したのを良く覚えている。
人間が、生存への不安を抱いていたことで、「北斗〇拳」のように199X年を描く作品が、生まれてきたのだと感じていた。
日本の経済状況としては、金融を中心として、情報関連分野では、ソフトウェアの寿命が提起された、2000年問題への対応で一時的に人手不足となる。しかしながら、一時的な対応であったため、その後のバブル崩壊という結果によって、技術者が余りだすという実態が生じて、日本経済低迷の後を引くことになる。
バブル崩壊後1991年あたりから人手が余っていく、関東の企業城下町では最盛期が1983年あたりであり、人口減少が止まらない状況が継続している。当時、企業城下町ではない、県庁所在地に居て、ハローワーク渋滞が日常化していたのを実感している。
友人に連絡がとれなくなり、自殺に追い込まれていたと後から知ったのも、バブル崩壊の頃であった。
お爺ぃ個人としては、バブルは崩壊すらも、狂騒の中に踊っているようで、論理的には納得はできなかった時代ではあった。急な坂道で停車した状態で、扉が開かない車が製造された時代でもあったから、製造業全般で様々な問題が噴出するようになったのは確かである。
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