琉球お爺いの綺談

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琉球お爺ぃ小話

古代の貨幣について 現金決済は記憶文化、電子決済は記録文化

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 縄文文明では、黒曜石と翡翠が、貨幣として用いられていた。

 ポリネシアには、巨大な石が貨幣として、実際に用いられていた。巨大な石による経済は、記憶経済の実在した、最期の伝承である。

 現金決済は、記憶経済であり、記憶経済は、ヒトを信用信頼する経済である。

「私の記憶が確かなら・・・」そんなセリフで始まる、料理対決番組があった。

 電子決済は、記録文化の象徴であり、コトを信用信頼する経済である。電子媒体となることで、記録にしか記載されないようになっていく。

 コトが、信用信頼される社会は、ヒトやモノが信用信頼されない社会となる。

 電子マネーと電子決済が、日本で浸透しないのは、日ノ本では、コトではなくヒトが信用信頼される社会だからである。

 グローバル化が進んだことで、日ノ本は、人が信用信頼できない社会となっている。

 皆さんは、石貨というのを、ご存じだろうか、「ヤップ」島で使われていた貨幣である。
 石貨は、ヤップ島には無い霰石で製造されているので、500km離れた、「パラオ」から交渉によって、運ばれてきた外交成果の象徴であった。500km離れた、「パラオ」から「ヤップ」に1トンある石を運ぶ行為は、行為そのものが冒険であり、経済的に余裕がなければできない行為だった。だからこそ、「ヤップ」島の霰石で造られた石貨には、価値があったのである。

 アメリカの経済学者でノーベル賞を受賞したミルトン・フリードマンが、信用経済の考え方として、海に沈んだ石貨であっても、信用取引の対象となり、所有権の譲渡がなされていたことに着目している。ミルトン・フリードマンは、シカゴ学派のリーダでもあった。

 しかしながら、アメリカの経済学者は、石貨という象徴を「信用」とした、経済効果そのものを扱っていて、システムを維持管理していた、ヒトを軽視しているというか、まったく必要な存在として意識していない。

 私は、日ノ本の縄文文明は、記憶文化が形成した、ヒトを信用信頼する、文明であったと考えている。だからこそ、一万年の長きに渡って争いごとを、個人のレベルに下げることに成功したのだろう。

「悪貨は、良貨を駆逐する」
 トーマス・グレシャムという19世紀の貿易・為替・金融業者の言葉で、「グレシャムの法則」という形で知られる。
グレシャムの法則というのは、「良貨と悪化が、手元にあった場合、価値が同じならば、悪貨を使用し、良貨は貯蓄する」というものである。

 現金決済で、贋金や誤魔化し等を実行するのは、ヒトであって、実際の貨幣ではない。贋金や誤魔化し、難癖といった、様々なトラブルの集積によって、根本的な原因となる貨幣を悪役にしてしまったのが、日本のマスコミが宣伝する電子決済推進である。これは、論議のすり替えであって、現実は何一つ解決することが無く、人を信用しない社会をさらに加速させるだけである。

 確かに日本では、遥かなる太古の時代から、人柱の國である。

 悪しきコトが起こり、原因への対処を図るため、対策をとっていく。これ自体は、大きく間違ってはないが、対処の方向が間違った場合は、悲惨な結果として加速していく。かつて、徳川将軍綱吉が、生類憐みの令を発令したことで、犬公方と呼ばれ、犬のために人間を罪人とする、そんな悪法へと変換されてしまった。
 綱吉が目的としていたのは、儒学や仏教の教えによる人心教化を意図し、天和二年(一六八二)五月、諸国に立てた高札で、忠孝を奨励し、夫婦兄弟仲良く、召し使いなどを憐むよう命じていることで、この流れの先に、「生類憐みの令」が動物愛護を主旨とする法令の総称。1682年(天和2)犬の虐殺者を死刑に処したのに始まり、1685年(貞享2)馬の愛護令を発して以来、法令が頻発された。
 問題になるのは、法令が頻発されたことではなく、法令を利用した悪人が蔓延り、権益を生じさせたことにある。

 発案者そのものには、悪意が無くても、実行者に悪意があれば、凄まじいまでに悪い結果へと変化していく。これもまた、「悪貨が良貨を駆逐する」流れであり、人間の善意は瞬間的なコトで、人間の悪意は記憶に残るコトとなる。

 
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