琉球お爺いの綺談

五代目武川組

はじめにの前に

　子供の頃、鶴〇浩二さんが好きで、「傷だらけ〇人生」という唄を、よく歌っていた。今も一定の人気がある、任侠映画というジャンルが日本にあって、令和に入っても、非常に多くの作品が排出されています。○○統一や首領へ〇道といった作品は、幾度か映画化やビデオ化されて、動画サイトで視聴することができます。

　アニメの中で８９３の盃事を描いたような、「鉄血のオ〇フェンズ」という作品には、欧州でいうマフィアをモデルにした、登場人物が出てきた。アニメという形態では、描き方が難しかったようで、突き抜けることも吹っ切れることもできず、個人的には中途半端に終わってしまった作品という認識がある。人魚任侠と表現をするアニメを含めて、アニメで任侠関連を扱うこともありますが、番組の対象年齢に対する配慮は、難しいところがあります。人魚任侠では、殺し合いをしているのが、人間じゃないから「許可」みたいな感じです。

　日本の場合８９３組織としては、「博徒」の流れと「香具師やし」の流れがあるとされ、○○一家の下部組織に◇◇組という形で、組織が構成されていたとされます。米では、ギャングの語源が、港から船と繋ぐ「渡し板」であり、「渡し板」を一家で護っていたのが、ギャングの始まりとされています。日本では、港湾荷役という形になり、様々な裏方紳士さん達の社交場であったのも事実としてあります。アメリカで合法組織であった「ギャング」が、非合法化したのは、港湾荷役の機械化によって、仕事を奪われた「ギャング」が無職となり、非合法化していった結果と言われています。

　日本の８９３組織が、大きく活動が拡大し激化したのが、1970年代からの土地開発事業であり、バブルの拡大を止められなかった、原因の一つとなったとも言われます。

　日本の８９３を合法組織化するため、日露戦争後、樺太の統治権問題を顕在化させました。

　史実のポーツマス条約では、南樺太が日本領となっていますが、五代目武川組では、樺太全土の統治権を未確定として、日露戦争後も抗争対象となります。さらに、満洲についても鉄道権益が日本となっていますが、五代目武川組ではロシア権益として奉天までが、ロシア勢力圏として残ります。

　五代目武川組では、1917年の革命によって、帝政ロシアが倒れますが、ロシアでは白軍を中心とした内戦が勃発します。ロシア帝室は皇太子殿下および四人の皇女殿下は国外へ脱出し、最終的に樺太の敷香にロシア帝室府に移ります。つまり、革命によって、帝政ロシアの海外資産をロシア帝室が継承し、ロシア大使館や領事館といった固定資産や海外の資産が、ロシア帝室の管理となります。さらに、皇太子殿下が脱出し、皇帝夫妻が殺害されたことで、帝政ロシア国内資産についても、エルミタージュ美術館をはじめとするロシア帝室財産についても、ロシア帝室府の資産として継承され、ボリシェビキソビエト政府との抗争が始まります。

　史実のソビエト政権が、ロマノフ朝の最期が未確認とした理由には、ロマノフ朝の莫大な資産継承問題が絡んでいます。

　五代目武川組では、1905年の日露戦争後から、公的には民間軍事会社が設立され、スポンサーには樺太石油株式会社がとなり、実質的な樺太防衛に当たります。1917年の革命以降、三代目武川組が、ロシア帝室の脱出に関与したことで、民間軍事会社という形態が大きく拡大します。

　五代目武川組では、世界大戦以降の流れとして国際聯盟が組織され、国際聯盟事務局にロシア帝室皇女殿下が入ったことで、満洲権益の調整が国際聯盟で行われることとなります。ボリシェビキソビエトが拡大していく中で、バルカン半島を中心として流血革命によって蒼い血が虐殺される中で、国際聯盟事務局は国を追われた、貴族等が逃げ込む場所ともなっていったのです。1920年以降になると、ボリシェビキソビエトの革命輸出が拡大し、バルカン半島や東欧だけでなく、植民地からの独立運動と共に、アフリカからアジア全域に広がっていく世界革命位の火の手となって広がっていきます。

　五代目武川組では、列強諸国家は一時的な停戦で終わりそうだった、大戦後のヴェルサイユ体制を構築できず、大戦が継続した状態での疑似停戦ファニーウォーとなっていきます。

　五代目武川組のアジア圏では、チタを含めたザバイカル地方から沿海州が、大統領を摂政公殿下とした「極東ロシア共和国」として建国され、満洲は国際聯盟委任統治領となり、係争地域となっている蒙古を含めて、対ボリシェビキ戦争の最前線になっていきます。

　五代目武川組の世界大戦以降の世界は、各地で様々な内紛が、国家間の戦争や内戦ではなく、無秩序な紛争として激化し、絶え間なく生じる世界となります。結果としてはサラエボの銃声から世界が変わり、大東亜戦争が発生しませんが、1950年代から徐々に日米貿易摩擦が先鋭化しつつ、日米共にアジア圏の独立戦争に加担する形でボリシェビキ革命ではない独立運動に加担するようになり、欧州諸国家と対立傾向が顕在化します。

　世界各地で荒れ狂う動乱は、正規軍では対応しにくいことも多く、民間軍事会社「武川組」が、大きく権益を担うことになります。世界規模で、巨大な民間軍事会社として拡大するのが、武川組であり、樺太・満洲権益の守護者となり、対ボリシェビキ戦争で拡大し、構成員百万を超える巨大国際組織へと発展していったのです。