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鎌倉武士考
鎌倉武士考 一所懸命な鎌倉武士01 武士が生まれるまで1
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武士が侍であった頃、それは平安末期から鎌倉にかけてだったと、お爺ぃは考えています。
元々、日本における水稲による稲作は、米という保管しやすく、長期保存可能な加工食品を生産できるという、救荒作物を国策によって拡大したことに始まります。大陸から法家の思想と共に、組織的な運用方法が導入され、大量動員による大規模土木治水事業が開始されていました、これが古墳時代のことです。開発された墾田を労働者に与えて生産量を増加させ、さらに動員規模を拡大し、大規模な土木治水事業を推進する。この繰り返しによって、日本の国土開発は、主要幹線道路の開発を含めて推進されていったのです。日ノ本が、北の陸奥から南の薩摩まで、一様に開発されていった時代が、主上による親政時代であり、自然に後の公地公民が確立されていった時代でもありました。律令制度とは、既に確立されていた「公地公民」を法的に後付けしたものなのです。
このため、日本の律令制では、国司の下に郡司が配されていますが、郡司は基本的に地域の有力者であり、かつての豪族を律令制に組み入れた結果でもありました。
大規模に動員された労働力は、そのまま戦闘に用いられる兵員であり、千人動員できれば、一人や二人の武人を倒すことができ、万人動員できれば数百人程度を押し潰すことができます。このシステムを最大限に活かしたのが、神功陛下の御代であり、数的優勢に溺れて、質的劣勢をおざなりして失敗したのが、白村江の敗戦となります。
日ノ本では、白村江の敗戦結果、数的優勢が崩れたことで、質の向上を目指すことになります。「健児兵」は、一国あたり数十人から数百人規模でしたが、質的に鍛えあげるための職業軍人だったのです。
しかしながら量から質への変化は、大規模動員→大規模土木治水事業→墾田開発→班田収授→大規模動員の流れが、滞ることを意味します。土木治水事業にかかるコストと収益のバランスが崩れ、土木治水コストが増加すると、国家による大規模土木治水事業は破綻していきます。
動員されていた労働者は、余剰人員となり、大きく変化していきます。最初は、行基を中心とするグループのように、自分達で土木治水事業を進め、墾田を開き、水稲を開始します。徐々に、行基を中心とするグループは、移動する技術者集団となり、開発する地元に密着した農耕集団と分かれていきます。
墾田の開発には、国司による許認可が必要でした。しかしながら、地域での墾田開発が進むと、境界付近での許認可や複数の集団に許認可されたことによる、集団間での抗争が始まります。この結果として武装集団化していくのが、地域で墾田開発を進めて、生産されたモノで生活していた、農耕集団となります。
農耕集団が武装化し、侍と呼ばれるようになるのが、武士の始まりなのです。
元々、日本における水稲による稲作は、米という保管しやすく、長期保存可能な加工食品を生産できるという、救荒作物を国策によって拡大したことに始まります。大陸から法家の思想と共に、組織的な運用方法が導入され、大量動員による大規模土木治水事業が開始されていました、これが古墳時代のことです。開発された墾田を労働者に与えて生産量を増加させ、さらに動員規模を拡大し、大規模な土木治水事業を推進する。この繰り返しによって、日本の国土開発は、主要幹線道路の開発を含めて推進されていったのです。日ノ本が、北の陸奥から南の薩摩まで、一様に開発されていった時代が、主上による親政時代であり、自然に後の公地公民が確立されていった時代でもありました。律令制度とは、既に確立されていた「公地公民」を法的に後付けしたものなのです。
このため、日本の律令制では、国司の下に郡司が配されていますが、郡司は基本的に地域の有力者であり、かつての豪族を律令制に組み入れた結果でもありました。
大規模に動員された労働力は、そのまま戦闘に用いられる兵員であり、千人動員できれば、一人や二人の武人を倒すことができ、万人動員できれば数百人程度を押し潰すことができます。このシステムを最大限に活かしたのが、神功陛下の御代であり、数的優勢に溺れて、質的劣勢をおざなりして失敗したのが、白村江の敗戦となります。
日ノ本では、白村江の敗戦結果、数的優勢が崩れたことで、質の向上を目指すことになります。「健児兵」は、一国あたり数十人から数百人規模でしたが、質的に鍛えあげるための職業軍人だったのです。
しかしながら量から質への変化は、大規模動員→大規模土木治水事業→墾田開発→班田収授→大規模動員の流れが、滞ることを意味します。土木治水事業にかかるコストと収益のバランスが崩れ、土木治水コストが増加すると、国家による大規模土木治水事業は破綻していきます。
動員されていた労働者は、余剰人員となり、大きく変化していきます。最初は、行基を中心とするグループのように、自分達で土木治水事業を進め、墾田を開き、水稲を開始します。徐々に、行基を中心とするグループは、移動する技術者集団となり、開発する地元に密着した農耕集団と分かれていきます。
墾田の開発には、国司による許認可が必要でした。しかしながら、地域での墾田開発が進むと、境界付近での許認可や複数の集団に許認可されたことによる、集団間での抗争が始まります。この結果として武装集団化していくのが、地域で墾田開発を進めて、生産されたモノで生活していた、農耕集団となります。
農耕集団が武装化し、侍と呼ばれるようになるのが、武士の始まりなのです。
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