琉球お爺いの綺談

日ノ本史伝

史伝12 「律令制」の確立が、盗みを犯罪とした

　法的な整備が進むと、公私の区別が生まれ、私有財産という考え方が生まれる。

　銭の導入もまた、財産という考え方が生まれ、経済という流れが日本に組み込まれることになる。しかしながら、日本経済そのものは、皇朝十二銭の導入と失敗によって、国家の統制から離れ、独自の経済システムを構築する流れとなった。

　「稲束」や「絹疋」は、銭による経済体制確立に失敗した日本経済が産み出した、代替え貨幣であった。銅銭を用いた経済体制の確立は、日本では官による導入によって、完全に失敗した。銅銭の導入と撰銭、鐚銭の横行によって、銭を介在した経済取引は浸透しなかったのである。

　「律令制度」が確立される中で、モノの私有について定義され、「落とし物」の所有権について法的な解釈が行われるようになった。財産権の確立が、盗みという行為が、犯罪行為であるとなったのである。





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　「盗み」が犯罪とされるためには、「モノ」の所有権が確立される必要がある。
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