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一等国になってしまった日本
一等国を目指して、一等国になったことで、目標を見失った国、日本 (02)
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目標を見失い、日本政府は混迷を極める。
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大正期(史実:1912年-1926年)の世界が生み出した流れは、1914年に第一次世界大戦が勃発し、1917年にロシア革命が起きて、旧ロシア帝国の遺産を巡って、ロシア内戦が1917年-1922年に発生する。史実の中で日本が、一等国となり、目標を見失って、迷走するのが、大正期ということになる。
最初の躓きは、ロシア革命に対する対応で生じた、シベリア出兵である。
ロシア帝国の正規軍へ対応することはできても、ボリシェビキの赤軍によるゲリラ戦術に対応することは、日本軍には難しく、戦闘で勝利しながら、徐々に追い込まれていくという結果に終わった。史実の日本による、シベリア出兵は、目標を見失った日本政府の迷走ぶりを、象徴する戦争であった。シベリア出兵以降、日本政府は、まともな戦争指導ができなくなって、第二次世界大戦へと突入していくのである。
政府の迷走は、目標を見失った結果であったため、目標の再設定が、日本の課題となった。しかしながら、目標を見失った政府には、課題を解決する方向性を定められず、それぞれの立場で課題設定をおこなって、迷走を加速させる結果となった。
特に課題が迷走していったのは、軍事費の削減であり、国軍の弱体化であった。
日露戦争までの日本は、国家予算に対する軍事費が、肥大化していっても、「富国強兵」という国家目標の達成を目指して、すべての予算が「富国強兵」の一点に集中していた。結果として、「富国強兵」は達成され、陸海軍共に、世界レベルの軍隊となったのである。
第一次世界大戦で、日本は、迷走を表面化させてしまう。ドイツ統治下の青島攻略戦は、日本の作戦能力が、非常に高いことを示す結果となった。されど、シベリア出兵は、日本の戦略目標が存在しない中で、作戦能力の高さだけで侵攻継続を可能としたのである。膨大な戦費を浪費して、シベリア出兵は撤収され、戦費の回収はならず、膨大な赤字が残された。
シベリア出兵の赤字から、政府は軍事費の削減を図り、政府の稚拙な戦略指導の責任は取られず、結果責任だけが軍に押し付けられることになり、軍内部の不満が蓄積されることになる。
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