琉球お爺いの綺談

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お爺の一考

トンデモ研究だそうな01 ニューロチップの研究は、今もけいぞくしているか?

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日経ビジネス2020.03.23号より

 念力というモノを使って、モノを動かす。そんな研究が、いたって真面目に、お隣の大陸でなされている。日本でも、まじめに研究されている方はいたが、学会等ではマトモな扱いをされない研究分野である。しかしながら、大陸での研究は、以前あったような気功とかではなく、脳波を使った遠隔操作技術である。脳波による遠隔操作は、技術的に可能であり、日本でも研究がすすめられていた。

 右脳と左脳の有意差や、感情と脳波パターンの関係といった、そんな研究は日本でも行われていた。

 しかしながら、日本の研究は科研費の申請の中で、様々な忖度がなされるため、研究には偏りがあり、「トンデモな内容」研究では、研究資金を得ることが難しい。

 こういった状況は、日本国内の高等研究機関では、至極当たり前のように捉えられている。

 20年程前、このような研究については、研究費用の申請には、非常にご苦労されていました。今でこそ、当たり前のような話であっても、20年前は、研究しているだけで、「トンデモ」な扱いを受けて、片隅に追いやられるような状況であった。音楽の癒しを効果として計測することは、今でこそ当たり前のように言われるが、元々は研究することが、「トンデモ」な扱いであった。音をヒトという生体に対する、刺激として捉えて、生体え反応を計測し、結果から刺激の種類と変化の違いを分析するという形であった。

 音楽関係者は、音楽の影響と言う形にこだわるが、工学の場合は、音を刺激として分析しなければならない。音楽がヒトに対して、生理的に与える影響については、その後ということになる。

 脳波パターンから感情を分析するや、左脳と右脳で刺激に対する反応に差異があるといった、ちょっと変わった研究についても、四十年前は「トンデモ」扱いであったように思う。ただ、こういった先駆者の方々が、多くの批判を受けながらも、道を切り開くことで、現在の状況があるのである。

 脳波のパターンや神経細胞からの信号を用いて、様々な操作を可能とするのは、かなり昔から非常に多くの研究がなされていて、日本でも多くの科学者が参入していた時期もあるが、30年前から研究費が継続して貰えている研究室はどのくらいあるのだろうか。日本の場合は、研究に流行があり、流行りに乗ると研究費が増えて、流行りが去ると研究費が減る。
 今でこそ、AIやニューラルネットワークの話がされているが、30年前くらいに、日本で流行って勉強したことがある。あっという間に廃れて、海外では形を変えて研究がが継続されて、日本では叙々に研究されなくなっていた。30年前から現在まで、継続して研究をされた方は、日本にどのくらい居るのだろう?
 ニューラルネットは、日本では、アナログチップによる、ハードウェア研究であったことで、行き詰まりが生じて、研究されなくなったような感じである。ソフトウェアとして研究された方は、パソコンがあれば研究可能でもあったので、アルゴリズムや計算方法等は、研究が進んでいた。一時期は、FPGAのアナログチップ版の研究へと移行していたが、必要コストが増大するにつれて、研究費を日本では捻出できなくなり、アメリカへと舞台が移っていった。これは、CPUの開発競争も同じで、日本が国内で開発に参入できたのは、32bitくらいまでで、64bit以降は海外勢力に押しまくられる状況になっている。専用のAIチップとかも、g〇〇gleさんが、TPU[Tensor Processing Unit]を開発していて、日本ではS〇NYさんなんかが開発に参入しているけれど、資金豊富な海外勢に対して、厳しい状況となっているようだ。

 こういった状況は、日本では研究費だけでなく、政府の予算そのものが、年度決算による縛りに影響している。

 今年、研究費が取れても、次年度とれるとは限らない、そんな状況では、研究費を獲得するために、申請書や報告書といった書類作成に追われることとなる。つまり、科研費を受けている日本の研究者は、官僚の相手と言う面倒な雑用をこなしながら、先端的な研究を遂行しながら、高等な研究機関内での雑用にも対応しなければならない。大学等であれば、学生の面倒を見ることまで、対応の範囲に入っていることになる。複数年度の研究が認められるようになっても、3年から6年くらいという限定された期間であり、継続的な方向性で研究開発ができる環境ではない。

 年に数十万くらいの金額であれば、日本では、長期間継続して研究することもでき、論文等を発表することも可能で、短期間だけ数千万とか数億くらいの研究資金を得るということは可能である。日本の研究環境と言うのは、それほど悪いわけでもないが、先端研究を継続できるような環境でもない。日本の研究では、研究者がある程度自由に、様々なシガラミはあるものの方向性を決定できるので、「トンデモ」だろうが、研究したいという意欲があれば、研究することが可能ではある。

 日本の研究環境が悪いと一般的に言われるのは、研究そのものが面白くなる、30代以降の研究者にとってということになる。30代くらいに分かれ道が生まれるのかな?という感じがする。日本で長期的な継続研究を進めるために、研究所の設立がすすめられているが、運営そのものについては、厳しい状況となっているようだ。

 日本の研究と言うのは、百万未満くらいだと、非常に多岐に渡り、様々な研究が色んなところで推進され、形態も多様に進めることができる。問題となるのは、数千万とか数億というレベルになると、非常に狭く不安定で厳しくなっていくというのが、日本の研究が持っている課題である。数十億円以上のレベルとなれば、日本では、非常に研究環境が厳しくなり、とっても厳しい環境になっていくということだ。
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