琉球お爺いの綺談

竜紋笹竜胆

宵闇胡蝶綺譚：世界に飛び出した、竜紋笹竜胆 |あやかし《ひとならざるもの》は、滅びに追われる

　日ノ本があやかしひとならざるものの長、渡辺惣官家三代渡辺弼が霊代、西海竜王が嫡孫、渡辺玲。日ノ本のあやかしひとならざるものにとって、主上おかみを「まつろう」ことは、至上の命題であった。戦国２０万都市と呼ばれた、難波の町は、人口の半数以上があやかしひとならざるものであった。

　あやかしひとならざるものには、四海を征する、竜王を長としていた。神代の時代には、東海竜王、南海竜王、西海竜王、北海竜王であった。ただ、時代が下る中で、竜王を敵とする、蚩尤が人の世にあやかしひとならざるもの征伐を持ち込み、徐々に追われたあやかしひとならざるものは、海を超えて日ノ本へと亡命していった。





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　宵闇胡蝶綺談では、竜宮が存在し、竜王が御座していた。
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　蚩尤が竜退治に動き、斉天大聖以降は、あやかしひとならざるもの征伐が、大陸の定法となってしまった。これは、西欧の祖となる、ギルガメッシュ叙事詩が伝える、森の神フンババを殺すことで、人の歴史が始まっている。ギリシャ・ローマの神代に、あやかしひとならざるものの退治が進んでいった。

　あやかしひとならざるものの血と力は、ケルトの民に受け継がれ、逃亡の先は、ブリテン島であった。ローマ帝国に戦いを挑んだ、ブリテンの女王Boudicaは、勝利Victoriaを呼んで、ケルトの民とローマが、ブリテン島で融合する。ブリテン島には、女系王族が支配する、王国を築いたのである。ブリテン島には、イングランドのケルトやスコットランドのハイランダーを含めた血を繋ぐ者が、生き残ったのである。血を繋ぐ者が居ても、純血種のあやかしひとならざるものは、徐々に消滅していったのである。

　そして、日ノ本にも、あやかしひとならざるものが生き残ることができたのが、千余年を超えた日ノ本の歴史に祝詞を詠い、法要を営んで、あやかしひとならざるものは、主上《おかみ》に「まつろう」ことで、社の眷属しんしという居場所を得た。