琉球お爺いの綺談

権威と権力、軍事力

権威と権力、軍事力 十戒もままならない国際社会が、正常である？

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　モーゼの十戒
　　一つ．唯一神信仰
　　一つ．偶像崇拝の禁止
　　一つ．神の名をみだりに唱えてはならないこと
　　一つ．安息日を守ること
　　一つ．父母を敬うこと
　　一つ．汝、殺す勿れ。
　　一つ．姦淫をしてはいけないこと
　　一つ．盗んではいけないこと
　　一つ．隣人について偽証してはいけないこと
　　一つ．隣人の財産をむさぼってはいけないこと
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　国際法は、政治だけでない。

　世界中で民族、人種、国家の区別なく、同じように刑法で裁かれる犯罪とは何か？である。２１世紀となり、2020年を迎えようと言う時であるが、未だに調整は上手くいっているとは言い難い。



　度量衡を中心として、貿易に関するルールを規定し、欧州における商取引を円滑に進められるようにする、メートル法を中心とする国際基準が定められた。



　海上交通で事故を防ぐために、平時における船舶航行ルールが定められ、戦時下についても、非武装船や中立艦船への攻撃制限と言った、一定の規律が規定されている。榎本武揚が、オランダで勉学に励んだ一つが「海律全書」であり、明治２２年(1899年)に海軍参謀本部から、『海上国際条規』として翻訳された。



　国際連盟の設立で、犯罪に関して確認できたのは、麻薬取締に関する国際協定であった。これは、列強国家が、国家を内部から食い潰すために、麻薬販売を促進していた。しかしながら、欧州諸国家が拡散した麻薬に、欧州諸国家で麻薬中毒患者が蔓延するという、ブーメランのような結果が生じていたのである。

　コナン・ドイルが描く「名探偵ホームズ」は、主役のホームズが、麻薬常習者という記述があったりするくらい、麻薬が当時のロンドンで一般的であったと言える。さらに、世界大戦の中で、痛み止めにモルヒネが使用されたこともあって、戦後に麻薬中毒患者が激増したと言う問題も、大きく影響していた。

　インフルエンザを含めて、天然痘などの伝染病を撲滅することを目標として、「スペイン風邪」の流行によって感染者６億、死亡５千万以上と言われた。「スペイン風邪」という前例から、伝染病流行については、国際組織での対応が求められた。

　負傷した兵士への輸血にあたって、各国で血液型の記述が異なっていた、国際赤十字の活動から、血液型の記述をＡＢＯ型とすることで統一された。ｉｆ昭和史でも、国際連盟に保健委員会が設置され、病気の記述に関しても統一された表現を用いるといった、取り組みが継続された。



  犯罪という考え方をする場合、最初に国際的に問題になったのが、人身売買であり、奴隷制度であった。

　この奴隷制度の概念に、借金による年季奉公や契約社員が含まれると、日本としては不利な結果となる。貧しい日本社会の場合、子供を間引くことと、年季奉公に出すことは、等価以上の交換条件であった。年季奉公に出すことで、子供を殺さずに済んで、食費を浮かせることができる。日本の貧しさは、本当の意味で厳しいモノであったから、奴隷制度という形は、平安期に法律上は消えたけれど、人身売買そのものが消えなかったのである。

　また、日本の場合、論理的に飾るという考え方は無いため、年季奉公や契約社員は、奴隷制度に近い条件であった。ただ、日本の場合は、家人に対する考え方が異なることもあり、欧米諸国家での奴隷という考え方とは異なるのだが、これを論理的に説明することは困難であった。

　十戒の中で、姦淫の禁止とあるが、姦淫とはどのようなモノかで、本質は異なっていく。１９世紀末から２０世紀の初めは、アメリカを中心として、倫理観が極論化した時期でもあった。淫らな事を、頭の中で考えることすら、倫理的に許さないような状況となっていたのである。

　このアメリカを中心に広がった倫理観は、殺人についても、適応されている。つまり、すべての殺人は、倫理上悪いことで在り、国際的に「悪」として判断すべきという、考え方が生まれたのである。殺人が「悪」であれば、戦争はすべて禁止事項となる。これも、非常に厄介な考え方となり、国際連盟の活動を変質させる原因となったのである。

　殺人が「悪」だから、戦争は条件が厳しくなり、国家間の決闘という考え方が否定される。結果として、戦闘が発生すると、悲惨な状況が生まれてしまうのである。

　まぁ、現行の社会では、「モーセの十戒」ですら、達成することが困難な状況となっているのは、間違いの無い話である。