琉球お爺いの綺談

Ittoh

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はじめての世界大戦

史実はじめての世界大戦 反共産主義連合軍、シベリアに出兵す

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 ボリシェビキが主力とする赤軍は、モスクワを中心として編成されていたが、旧ロシア帝国軍を中心とした白軍は、ウクライナや極東ロシア、蒙古共和国や北満洲に展開していた。シベリア出兵は、彼らとの共闘でもあったが、最大の目的は、ボリシェビキ勢力の撃破であった。

 しかしながら、民兵程度の戦力しかないボリシェビキの赤軍は、帝国陸軍を相手にするには弱過ぎた上、一般人との区別すらつかなかった。赤軍は、反政府ゲリラが、帝国を倒して、政権を奪ったようなもので、ゲリラと民間人の区別は難しかった。

 特に、戦時国際法の遵守を遂行するには、市街戦も敵であった。

 結果として、帝国陸軍は、市街戦を敵兵しかいないという形での、陸戦規定を護るしかなく、非常に悪魔的な戦略による戦闘を展開せざるを得ない状況に追い込まれていた。帝国陸軍は、困ったことに良識ある軍人と、命令であれば従う軍人に分かれていた。良識派の軍人が、シベリアに出兵した部隊は、より過激になる部隊と穏健になる部隊に分かれ、作戦の統制すら取れないような状況となっていた。

 正面きっての戦闘は、弱いモノ虐めにしかならず、暗闇や物陰から暗殺してくるような、ゲリラを相手にするのは、神経を病んでいくような戦闘でしかなかった。軍の士気も規律も退廃するのは、明確な戦略目標が存在しないことにあった。

 シベリアに出兵した日本軍は、敵が何かすら、明確に規定できないまま、戦闘に突入していったのである。

 良識派と命令遵守派は、連携もできず、明確な戦闘目的も無く、それぞれの指揮官の指示で進軍するしかなかった。シベリアに流刑された、ポーランド政治犯の子供達の救出は、大正9年(1920年)7月、大正11年(1922年)8月に、孤児救出活動を成功させたが、これはポーランド政府からの要望への対応でしかなかった。明確に戦略を規定した上で、実施された戦闘ではなかったのである。

 シベリア出兵は、戦闘の意味合いを失う中で、各種政治勢力による適当な要望で、泥沼のような戦闘を繰り返したに過ぎなかった。本当に無意味な戦闘であったのである。
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