167 / 511
はじめての世界大戦
史実はじめての世界大戦 反共産主義連合軍、シベリアに出兵す
しおりを挟むボリシェビキが主力とする赤軍は、モスクワを中心として編成されていたが、旧ロシア帝国軍を中心とした白軍は、ウクライナや極東ロシア、蒙古共和国や北満洲に展開していた。シベリア出兵は、彼らとの共闘でもあったが、最大の目的は、ボリシェビキ勢力の撃破であった。
しかしながら、民兵程度の戦力しかないボリシェビキの赤軍は、帝国陸軍を相手にするには弱過ぎた上、一般人との区別すらつかなかった。赤軍は、反政府ゲリラが、帝国を倒して、政権を奪ったようなもので、ゲリラと民間人の区別は難しかった。
特に、戦時国際法の遵守を遂行するには、市街戦も敵であった。
結果として、帝国陸軍は、市街戦を敵兵しかいないという形での、陸戦規定を護るしかなく、非常に悪魔的な戦略による戦闘を展開せざるを得ない状況に追い込まれていた。帝国陸軍は、困ったことに良識ある軍人と、命令であれば従う軍人に分かれていた。良識派の軍人が、シベリアに出兵した部隊は、より過激になる部隊と穏健になる部隊に分かれ、作戦の統制すら取れないような状況となっていた。
正面きっての戦闘は、弱いモノ虐めにしかならず、暗闇や物陰から暗殺してくるような、ゲリラを相手にするのは、神経を病んでいくような戦闘でしかなかった。軍の士気も規律も退廃するのは、明確な戦略目標が存在しないことにあった。
シベリアに出兵した日本軍は、敵が何かすら、明確に規定できないまま、戦闘に突入していったのである。
良識派と命令遵守派は、連携もできず、明確な戦闘目的も無く、それぞれの指揮官の指示で進軍するしかなかった。シベリアに流刑された、ポーランド政治犯の子供達の救出は、大正9年(1920年)7月、大正11年(1922年)8月に、孤児救出活動を成功させたが、これはポーランド政府からの要望への対応でしかなかった。明確に戦略を規定した上で、実施された戦闘ではなかったのである。
シベリア出兵は、戦闘の意味合いを失う中で、各種政治勢力による適当な要望で、泥沼のような戦闘を繰り返したに過ぎなかった。本当に無意味な戦闘であったのである。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる