琉球お爺いの綺談

Ittoh

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日ノ本歴史改変

宵闇綺談流 白鳥座憲章に夢を見た難波戸籍

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 昔のSFなのだが、私が一番気に入っている作品に、ロバート・A・ハインラインの「ラモックス」という作品があり、知的生命体に関する定義が"白鳥座憲章(新しい完訳版「宇宙怪獣ラモックス」では、白鳥座決議となっている)"という形で掲載されている。「言語および操作可能な手を有する生命体は、とくに反証が無い限り、知的生物と認定される。したがって、人間固有の権利はすべて認められなければならない」という規定がなされている。
 久しぶりに本屋で見つけたので、思わず買ってしまった。この作品は、1952年と非常に古い作品ではあるが、今読んでも素晴らしい作品である。完訳版として、創元SF文庫から発売されている。
 この作品のコンテンツで、気に入っているのは、長命種と短命種の間に生まれる交流や知的生命体に関する規定。様々な種族との交流が発生する中で生まれる差別。ここらへんは、幕末時の開国と攘夷論争みたいなものも加わっている。少年少女向けに書かれているので、あまり悲惨な表現は無いが、背景に描かれている世界の深さは、ハインラインの凄さを物語っている。
 読みやすく、かつ、懐が深い作品なので、一度は読んで見ても良いのではないだろうか?
 派手な戦闘は無いが、無いことこそが、非常に意味のある作品になっている。戦闘に勝つのではなく、戦闘をしないで解決することこそが一番重要なことなのである。





 基本的人権の対象範囲をどのように規定するかという議論である。





 欧米の人間には、ラモックスの話は、童話のようなジュブナイルとして知られているようで、宇宙人との関係構築が、自分達の倫理基準でコミュニケーションを取ると考えている。ラモックスの中でもそれはあって、人間とペットの関係が逆転していることを、論理的にごまかすことで解決している。

 日ノ本では、自分の村と他の村で違いがあり、村の立場や業種によっても、様々に違いが存在していたことが事実としてある。かつて渡来人は、技術や技能の集団として価値があり、住処を分けることで、余計な軋轢を減らしたというのが事実としてある。

 日ノ本では、同じ業種の者達は、同じ地域に住むことが多かった。また、遠方から来る者達にしても、異国からの亡命者達が住む場所というのも、同一地域に集まる傾向がある。これは、同じ言語方言を話す者が、同一地域に居た方が暮らしやすいという意味合いがあるからである。

 日ノ本における差別とは、その本質として、差別として始まったのではなく、結果として違う世界の人間であるという認識から生じたものであったと推察される。職業が決まっていることや、言葉が通じないことが、言語の異なる者、自分と違う職業についている者とのコミュニケーションをとる場合、障害が発生することがある。これが、差別を生じさせる原因になったのだろうとお爺ぃは考える。

 お爺ぃのお爺ぃ達の頃は、琉球から大阪へ出稼ぎに来ていた頃は、様々な問題があり、お爺ぃも小学校に入学して、担任の先生から「日本語理解るか?」と聞かれた時代の人間である。方言の強い地域から就職することは、コミュニケーションを取る上で、非常に困難な問題を抱えることがあった。





 「相手の常識は、自分の非常識。自分の常識は、相手の非常識」





 コミュニケーションは、言葉が通じるかどうかではなく、相手の常識・非常識と自分の常識・非常識をどのように刷り合わせていくかに重点を置かなければならない。
 同じ村で婚姻するのは、それほど問題は生じなくても、山向こうの村との婚姻は、難しいことがありました。また、旅人との婚姻は、それほど軋轢が無くても、隣の村との婚姻は、軋轢を呼ぶことがあったりしました。

 こういった事柄は、それぞれの土地の事情もあれば、村が所属するグループのあり方でも変わることとなる。差別やイジメというものの本質は、コミュニケーションを行うにあたって、阻害要因が存在することにあります。
 阻害要因は、言葉や見た目だけでなく、風俗習慣の違いにも存在します。相手が、自分とは違う存在であることが、既に阻害要因なのです。

 本質的に、差別やイジメを根絶することは、非常に困難です。しかしながら、法的に存在を認めた上で根絶を目指すことは可能です。村や組織の風俗習慣の中から、差別やイジメを無くすことは困難ですが、法律の上で差別やイジメを無くすことは可能です。

 宵闇の中では、難波戸籍による戸籍法を定め、居住にあたって住民票を作成し、生まれた子供については戸籍を作成して管理する方法をとった。難波戸籍の提出先は、京洛の主上であった。つまり、子供は難波宮様の赤子として戸籍を有することとなるが、この段階で国外における権利はすべて放棄しなければならないと規定された。これは、日元の交易にあたって、元から宋国住民の返還と徴税要求を拒否するためにとった措置であった。また、住民票に記載されると、人頭税の対象となり、税を納める義務を持つ。

 元から明に変わっても、明の対外政策から、戸籍法はそのまま施行された。特に、イスパニアやポルトガル船が来航するようになると、南蛮人や南蛮人との取引の中で、人身売買を阻止するためにも、本願寺の寺内町を始めとして、各地で同様の戸籍が作成されるようになった。イスパニアやポルトガル船からの逃亡者受け入れにあたっても、難波戸籍が適用されたため、難波での住民票を取得した段階で、逃亡者は解放されることとなった。

 難波戸籍を有するモノは、難波宮の赤子であり、あやかしひとならざるものであろうと、異国人であろうと関係なく、戸籍を持つモノは、同じ権利と義務を発生させる人となった。
 難波戸籍の範囲外になったのは、難波宮家と支える司家であり、難波典籍として記録された。司家に入ると、難波戸籍から外れ、難波典籍に移される。司家や宮家から他家に出ると、難波典籍から外れ、難波戸籍に入ることとなる。

 後に、家に入ることによる戸籍取得は、嫁入り婿入りによって成立することができた。婚姻によって取得した戸籍は、離縁によって戸籍は削除されることとなった。戸籍を削除されても、取得前の権利は剥奪され消滅しているので、他国での権利は、日ノ本の法律上では回復しない。

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