歴史小説 歴史以前の縄文文明

縄文文明

縄文文明期04 壱岐や姫島は、黒曜石の産地である

　縄文文明は、１万数千年前に始まり、鬼界カルデラの噴火7300年前から縄文海進が進む7000年前を前後として、大きく変化している。縄文海進の中で、大きく海岸が内陸部に浸透した結果、高地性集落の形成が進み、縄文文明は前後で変化が生じている。

　自然の脅威に対して、協力して対応することが必要であり、自然災害の多い日本では、自然災害に伴う広域移動も頻繁に起きていたとも推定される。

　黒曜石の流れは、大陸への交易ルートを生み出し、壱岐や対馬を起点とする、海洋文明圏が形成されていた。

　海洋文明圏の中心となったのが、「出雲」の国である。「出雲」は海洋文明圏であり、広範囲に活動範囲を持ち、婚姻を繋がりとして、「美」や「丹」といった国々と連合王国を形成してた。大国主の神話は、「出雲」の勢力圏確立の流れであり、日ノ本の文明圏を、血の結束で繋がり広がっていく流れを築いた。

　姫島は、筑紫ヤマトの勢力圏であり、瀬戸内の海洋文明圏を形成する流れでもあった。ただ、途中に「美」の国が勢力圏を広げていて、筑紫ヤマトの勢力圏は、東の畿内ヤマトと分割される形になっていた。

　伝承の始まりでは、筑紫ヤマトは新興国家であり、「出雲」の風下の国であった。

　日ノ本は、琉球を含む南西諸島から、北海道を中心とする島嶼地域までが、弧状列島「日本」の領域であったが、ヒムカの一族は、「出雲」「美」「丹」「越」といった列強諸国家の中では、「出雲」の血族国家の一つでしかなかった。