23 / 44
神官ミリアは神の言うことしか聞きません 1
しおりを挟む
「はーいそれでは魔導書屋のルビィさんを毒牙にかけて爆乳をむさぼりつくしたモトキさんにおっぱいインタビューを開始したいと思いまーす。ルビィさんのおっぱいはどうでしたかモトキさん、あ、間違えた、おっぱい星人さん」
リューはてマイクに見立てた箒の柄を俺の口元にぐりぐり押し付けてくる。
「おっぱい星人呼ばわりはやめろや……」
「おっと、これは失礼しましたおっぱい伯爵さん」
「変えて欲しいのは『おっぱい』の部分だ……」
「じゃあ、おっぱい公爵様」
「爵位に不満があったわけでもねえよ……」
俺はハァ……と嘆息した。
ルビィの攻略が終わり定宿に戻ると、リューは待ちわびていたかのように俺にしつこく絡んできた。
以前嫉妬はしないと言っていたが、さすがに自分の初めての男が他の女とやっている間、やきもきしていたのだろう。
そう考えるとかわいいな。うざいけど。
「で、ルビィさんを攻略したことでなにか変わったんですかおっぱい王様?」
「ついに王様に……――ルビィの攻略で何か変わったのかと聞かれたら、その答えはイエスだ」
ルビィを奪われハーレムを一部破壊されたユータロウは、確実に弱体化していた。
しかも、弱り方は半端ではなかった。
女神に失望され、力を一部とありあげられていた。
それに――
「ユータロウってさ、元々マジックタイプのチート持ちだろ。だからその供給元の魔導書屋を奪うのは実質的にもかなりダメージがあったと思う」
俺は笑う。
「この調子で他の女も奪うぞ。次の女からは多分、ルビィほどの手間はかからない」
俺は次のターゲットをすでに決めていた。
「次は神官のミリアを俺のものにする!」
**
『クーラ』の街の中央部には古い教会がある。
そこでは女神クィーラを信仰するクィーラ教団の神官ミリアが、街の人々の悩みを聞き、死者を浄化し、日々せわしく働いているとか。
たったの一人で。
聞いたところによると、ミリアは先代の神官の一人娘らしい。
親の遺した場所を一生懸命守ろうと――泣かせる話じゃないか。
「古いけど……雰囲気あるなあ」
俺は『ミラー』のスキルを使って子供の姿に化け、教会を訪れていた。
レリーフ、祭壇、そして女神を象る白亜の彫像
まさに神のおわす場所って感じである。
もう夜も近いので、俺以外には誰もいない。
俺は彫像の女神クィーラと目を合わせてみる。
「覚えは、ないな」
多分だが、俺をこの世界に送り込んだ女神はクィーラではない。
覚えていないのだが、俺を転生させたのはもっとこう、邪悪な笑みが似合いそうな感じの女神さまだったような――
と、
「――あらあらずいぶん小さな迷い人。こんばんは、ご用はなぁに?」
教会の入り口の方から声が聞こえた。
振り向くと、そこには紙袋を手にした神官服の女性が一人。
少しヴェーブのかかった長い金髪、慈愛を感じさせる笑み――これがミリアだろう。
「あ、ごめんなさい……勝手に入り込んで」
子供に化けている俺は、しゅんとうつむいた。
「あら、どうして謝るの?」
「だって僕……クィーラ教徒でもないのに」
「いいのいいのかまわない。女神クィーラ様は老若男女あまねく人を受け入れる。寛容こそが最も大事な精神だもの」
それに、とミリアは続ける。
「今あたながクィーラ教徒でなくても、それは『今』、信徒ではないというだけの話なの。未来のあなたはクィーラ様に帰依しているかもしれない……いえ、そうに違いない。なら排斥する理由などどこにもないわ――ようこそ、未来の子羊さん」
ミリアはそっと俺の手をとった。
「あなたにちゃーんとクィーラ様のすばらしさを説いてあげますからね。あなたもそのご家族も、みーんなみーんな私が導いてあげるから、心配なんて必要ないの!」
ミリアは「さあ、クィーラ様の偉大さを説いてあげますからね」と俺を奥へと引きずっていく。
……間違いなく、人の話を聞かないタイプの女だ。
やり取りするのに疲れそう。
ルビィは癒し系でよかったなぁ、と内心嘆息。
いやしかし、ここが正念場である。
二人目を寝取れば、ユータロウは殺せるレベルまで力を落とすだろう。
必ず、この女ともやってみせる。
その神官服の下に隠れた肌に舌を這わせる日を夢見て、俺は気合を入れた。
リューはてマイクに見立てた箒の柄を俺の口元にぐりぐり押し付けてくる。
「おっぱい星人呼ばわりはやめろや……」
「おっと、これは失礼しましたおっぱい伯爵さん」
「変えて欲しいのは『おっぱい』の部分だ……」
「じゃあ、おっぱい公爵様」
「爵位に不満があったわけでもねえよ……」
俺はハァ……と嘆息した。
ルビィの攻略が終わり定宿に戻ると、リューは待ちわびていたかのように俺にしつこく絡んできた。
以前嫉妬はしないと言っていたが、さすがに自分の初めての男が他の女とやっている間、やきもきしていたのだろう。
そう考えるとかわいいな。うざいけど。
「で、ルビィさんを攻略したことでなにか変わったんですかおっぱい王様?」
「ついに王様に……――ルビィの攻略で何か変わったのかと聞かれたら、その答えはイエスだ」
ルビィを奪われハーレムを一部破壊されたユータロウは、確実に弱体化していた。
しかも、弱り方は半端ではなかった。
女神に失望され、力を一部とありあげられていた。
それに――
「ユータロウってさ、元々マジックタイプのチート持ちだろ。だからその供給元の魔導書屋を奪うのは実質的にもかなりダメージがあったと思う」
俺は笑う。
「この調子で他の女も奪うぞ。次の女からは多分、ルビィほどの手間はかからない」
俺は次のターゲットをすでに決めていた。
「次は神官のミリアを俺のものにする!」
**
『クーラ』の街の中央部には古い教会がある。
そこでは女神クィーラを信仰するクィーラ教団の神官ミリアが、街の人々の悩みを聞き、死者を浄化し、日々せわしく働いているとか。
たったの一人で。
聞いたところによると、ミリアは先代の神官の一人娘らしい。
親の遺した場所を一生懸命守ろうと――泣かせる話じゃないか。
「古いけど……雰囲気あるなあ」
俺は『ミラー』のスキルを使って子供の姿に化け、教会を訪れていた。
レリーフ、祭壇、そして女神を象る白亜の彫像
まさに神のおわす場所って感じである。
もう夜も近いので、俺以外には誰もいない。
俺は彫像の女神クィーラと目を合わせてみる。
「覚えは、ないな」
多分だが、俺をこの世界に送り込んだ女神はクィーラではない。
覚えていないのだが、俺を転生させたのはもっとこう、邪悪な笑みが似合いそうな感じの女神さまだったような――
と、
「――あらあらずいぶん小さな迷い人。こんばんは、ご用はなぁに?」
教会の入り口の方から声が聞こえた。
振り向くと、そこには紙袋を手にした神官服の女性が一人。
少しヴェーブのかかった長い金髪、慈愛を感じさせる笑み――これがミリアだろう。
「あ、ごめんなさい……勝手に入り込んで」
子供に化けている俺は、しゅんとうつむいた。
「あら、どうして謝るの?」
「だって僕……クィーラ教徒でもないのに」
「いいのいいのかまわない。女神クィーラ様は老若男女あまねく人を受け入れる。寛容こそが最も大事な精神だもの」
それに、とミリアは続ける。
「今あたながクィーラ教徒でなくても、それは『今』、信徒ではないというだけの話なの。未来のあなたはクィーラ様に帰依しているかもしれない……いえ、そうに違いない。なら排斥する理由などどこにもないわ――ようこそ、未来の子羊さん」
ミリアはそっと俺の手をとった。
「あなたにちゃーんとクィーラ様のすばらしさを説いてあげますからね。あなたもそのご家族も、みーんなみーんな私が導いてあげるから、心配なんて必要ないの!」
ミリアは「さあ、クィーラ様の偉大さを説いてあげますからね」と俺を奥へと引きずっていく。
……間違いなく、人の話を聞かないタイプの女だ。
やり取りするのに疲れそう。
ルビィは癒し系でよかったなぁ、と内心嘆息。
いやしかし、ここが正念場である。
二人目を寝取れば、ユータロウは殺せるレベルまで力を落とすだろう。
必ず、この女ともやってみせる。
その神官服の下に隠れた肌に舌を這わせる日を夢見て、俺は気合を入れた。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。


性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる