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それでも少しずつ歩む日々
ぬいぬいの旅の同行の知らせと、ウンディーネ
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重々しい空気の中ぬいぬい言葉を発した。
「ハヤト……どういう事だ?」
わかる、いにしえの血族が、引っ掻き回すだけ、引っ掻き回して消えたなら皆そう思うだろう。
「たぶん、オリエラの覚悟を見たかったのと、そしてオリエラの答えに、彼は彼なりに満足し……そして忙しい身なので僕に任せて退場したんだと思います」
「なんだと!?」目を丸くするぬいぬい。その気持ちはわかる。
「ルイスは、誰にもあの物言いなのかな?」
オリエラは、可笑しそうに笑っている。
「たぶん、相手を見極めて、気を許した相手なら誰でも……」
「うそ、可笑しい、彼は昔話の英雄の一族なのに」
オリエラは、お腹を抱えて笑っている。さすが端が転んでも笑う年頃。
「知らない人の前では、完璧な英雄の末裔なので、知り合いの前ではそれを辞めているのかもしれません。 そしてその分必要な仕事とをこなす。本当変わった執事ですけど、頼りになります……ます?」
「そんなのは知らん俺に聞いて来るな」
ぬいぬいは、少し僕らの関係性に呆れているようだ。
「まぁそうかも?……私もわかる気がする。王族とか勇者とかやっていると肩こるよね」
「その歳でか?」
ぬいぬいは、いちいちいろいろの所で驚いている。でも、もしかしたらぬいぬいの種族に肩こりとか言う概念は無いのかもしれない? 若そうだし。
「話は、戻るがオリエラが行くと言うならもう止めはしないが、俺にもそんな時期はあったからな……俺も旅に同行する予定だから、足手まといなら必ずそこで連れて帰るがな」
「どうして!? あるとくんはいいの?! あるるさんにちゃんと言った?」
「あるるから言いだした。いつから旅にでるの? ってそうしていろいろ話して、行く事になったよろしくな」
ぬいぬいは、頭をかきながら、見たまんま少年の照れたような笑顔でいった。
そして僕はそれを聞き未来を思った。ぬいぬいは、ある意味イケおじ系な性格……うちのパーティー少しハチャメチャな所があるから大丈夫なのだろうか?っと……でも、大丈夫。本人、僕自身が思っているよりはきっとうちのパーティーは、普通のはず取り越し苦労かもしれないと……。
そうしてみんな静かにお茶を飲み。将来の事に思いをはせるのだった。
その時、外から話声が聞こえる。
「ルイスまだ~~、これ以上待つとおばあちゃんになちゃう――」
「ウンデーネ、貴方、大精霊でしょう? 人間より遙かに長生きの癖に何言ってるんですか」
「でも、主様に早く見せたいから……」
「声も聞こえなくなりましたしいいでしょう。そこの扉をノックしてごらんなさい」
「ノック?」
「ノックも知らないのですか?」
ルイスは心底呆れた様に言った。僕はその声を聞き危機感を覚えた。これは……駄目だ奴だと……。
僕は、「失礼します」と、その場から去る。オリエラは楽しそうにクスクスと笑っている声が聞こえたが、ぬいぬいは、どうだろう?
僕は、早足で扉まで行き、扉をゆっくりあける。
そこには呆れ顔のルイスと、水色の腰まである髪を、編み込んだウンデーネが立っていた。そしてウンデーネは、僕の顔を見て目を輝かせる。
「じゃ――私は、これで」
思いもよらない速さで、場を離れようとするルイスと、その腕を何よりもの早さで捕まえてウンデーネ。何、この二人ちょっとこわい。
「二人ともこの髪みて、フィーナも編み込んで貰ったの――。そしてこれ! この前、主様に買っていただいた髪飾りなの」
そう言って満面の笑みをする、ウンディーネ。敬語仕えて偉いね!
「そうだったんですね。月に女神かと思いましたよ」そう言うルイス。さすがルイスさん! さらっと月の女神なんてでないでしょう。普通。
彼は、そこでやっと「では、」と言って去ろうとするが……ウンディーネの胸元にあったはずの彼女の手が、またもやルイスの腕を捉える。
さすがに信じられないと、いう顔をするルイス……。
もう許してあげてウンデーネ……。
「ウンデーネは、水の精霊だから……」
彼女は、モジモジとして愛らしいが、僕もちょっと引いているからウンデーネ……。
「失礼しました。あまりの美しさに動揺してしまって……美しさが水の女神の様でしたので……」
「そんなルイスは言い出過ぎですわ」
ウンデーネは、頬に手をやり花が咲いたように微笑む。でも、きっとルイスの動揺は、ウンディーネの美しさを見てではない!
「気にいってくれて良かった。ウンディーネにやはりとてもよく似合っているよ」
「主様……ありがとう、オリエラにも見せてくる」
彼女は、有頂天で、先に進もうとするが「待ってまだ師弟で、話す話もあるから」そう話していると、オリエラが扉に捕まる形で出て来る。
「オリエラ!」
「ウンデーネ、かわいい、ちょっと見ていい」そう言うとオリエラは、ウンディーネの周りをまわる。
「すごく似合ってて素敵、髪が長くてきれいで羨ましいなぁ……」
「そんな嬉しいですわ」
ウンディーネがくねくねとしている後ろに、ぬいぬいが見えた。彼は真っすぐこちらを見ていたかが、彼は何を思っていたのか知ることは出来なかった。
つづく
「ハヤト……どういう事だ?」
わかる、いにしえの血族が、引っ掻き回すだけ、引っ掻き回して消えたなら皆そう思うだろう。
「たぶん、オリエラの覚悟を見たかったのと、そしてオリエラの答えに、彼は彼なりに満足し……そして忙しい身なので僕に任せて退場したんだと思います」
「なんだと!?」目を丸くするぬいぬい。その気持ちはわかる。
「ルイスは、誰にもあの物言いなのかな?」
オリエラは、可笑しそうに笑っている。
「たぶん、相手を見極めて、気を許した相手なら誰でも……」
「うそ、可笑しい、彼は昔話の英雄の一族なのに」
オリエラは、お腹を抱えて笑っている。さすが端が転んでも笑う年頃。
「知らない人の前では、完璧な英雄の末裔なので、知り合いの前ではそれを辞めているのかもしれません。 そしてその分必要な仕事とをこなす。本当変わった執事ですけど、頼りになります……ます?」
「そんなのは知らん俺に聞いて来るな」
ぬいぬいは、少し僕らの関係性に呆れているようだ。
「まぁそうかも?……私もわかる気がする。王族とか勇者とかやっていると肩こるよね」
「その歳でか?」
ぬいぬいは、いちいちいろいろの所で驚いている。でも、もしかしたらぬいぬいの種族に肩こりとか言う概念は無いのかもしれない? 若そうだし。
「話は、戻るがオリエラが行くと言うならもう止めはしないが、俺にもそんな時期はあったからな……俺も旅に同行する予定だから、足手まといなら必ずそこで連れて帰るがな」
「どうして!? あるとくんはいいの?! あるるさんにちゃんと言った?」
「あるるから言いだした。いつから旅にでるの? ってそうしていろいろ話して、行く事になったよろしくな」
ぬいぬいは、頭をかきながら、見たまんま少年の照れたような笑顔でいった。
そして僕はそれを聞き未来を思った。ぬいぬいは、ある意味イケおじ系な性格……うちのパーティー少しハチャメチャな所があるから大丈夫なのだろうか?っと……でも、大丈夫。本人、僕自身が思っているよりはきっとうちのパーティーは、普通のはず取り越し苦労かもしれないと……。
そうしてみんな静かにお茶を飲み。将来の事に思いをはせるのだった。
その時、外から話声が聞こえる。
「ルイスまだ~~、これ以上待つとおばあちゃんになちゃう――」
「ウンデーネ、貴方、大精霊でしょう? 人間より遙かに長生きの癖に何言ってるんですか」
「でも、主様に早く見せたいから……」
「声も聞こえなくなりましたしいいでしょう。そこの扉をノックしてごらんなさい」
「ノック?」
「ノックも知らないのですか?」
ルイスは心底呆れた様に言った。僕はその声を聞き危機感を覚えた。これは……駄目だ奴だと……。
僕は、「失礼します」と、その場から去る。オリエラは楽しそうにクスクスと笑っている声が聞こえたが、ぬいぬいは、どうだろう?
僕は、早足で扉まで行き、扉をゆっくりあける。
そこには呆れ顔のルイスと、水色の腰まである髪を、編み込んだウンデーネが立っていた。そしてウンデーネは、僕の顔を見て目を輝かせる。
「じゃ――私は、これで」
思いもよらない速さで、場を離れようとするルイスと、その腕を何よりもの早さで捕まえてウンデーネ。何、この二人ちょっとこわい。
「二人ともこの髪みて、フィーナも編み込んで貰ったの――。そしてこれ! この前、主様に買っていただいた髪飾りなの」
そう言って満面の笑みをする、ウンディーネ。敬語仕えて偉いね!
「そうだったんですね。月に女神かと思いましたよ」そう言うルイス。さすがルイスさん! さらっと月の女神なんてでないでしょう。普通。
彼は、そこでやっと「では、」と言って去ろうとするが……ウンディーネの胸元にあったはずの彼女の手が、またもやルイスの腕を捉える。
さすがに信じられないと、いう顔をするルイス……。
もう許してあげてウンデーネ……。
「ウンデーネは、水の精霊だから……」
彼女は、モジモジとして愛らしいが、僕もちょっと引いているからウンデーネ……。
「失礼しました。あまりの美しさに動揺してしまって……美しさが水の女神の様でしたので……」
「そんなルイスは言い出過ぎですわ」
ウンデーネは、頬に手をやり花が咲いたように微笑む。でも、きっとルイスの動揺は、ウンディーネの美しさを見てではない!
「気にいってくれて良かった。ウンディーネにやはりとてもよく似合っているよ」
「主様……ありがとう、オリエラにも見せてくる」
彼女は、有頂天で、先に進もうとするが「待ってまだ師弟で、話す話もあるから」そう話していると、オリエラが扉に捕まる形で出て来る。
「オリエラ!」
「ウンデーネ、かわいい、ちょっと見ていい」そう言うとオリエラは、ウンディーネの周りをまわる。
「すごく似合ってて素敵、髪が長くてきれいで羨ましいなぁ……」
「そんな嬉しいですわ」
ウンディーネがくねくねとしている後ろに、ぬいぬいが見えた。彼は真っすぐこちらを見ていたかが、彼は何を思っていたのか知ることは出来なかった。
つづく
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