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王の命
誰かを助ける事、生き残る事
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僕とウンディーネが、僕達のパーティのテーブルに戻ると、魔法の回復飲料が山積みになっていた。
これどうしたのかと言う問いに、ミッシェルとオリエラが、メンバーが戻って来たチームから、ギルド検定の運営からメンバー分の飲料と食券が配られていたのに合わせ、ルイスも少し多めに魔法回復飲料を差し入れてくれたものだった。では、先ほどのルイスは、見間違いではないらしい。
「はい、ハヤトさんと、ウンディーネの分の食券です」
ミッシェルが、二人分の食券をくれる。
「でも、帰るだけなのに気前がいいよね」
「帰れないですよ、これからが本番ですから」
音もなく現れたルイスが、ウンディーネの横に憮然とした態度で座る。
「あっ、ルイス魔法飲料ありがとう、でも、本番って何をするの? 救助作戦?」
「魔力回復サラダは、日持ちしないので、料理長に断られてしまいました。なので飲料になってしまいましたが、今回は残念ですがこちらを飲んでください」
「へぇ、そうなんだ」僕は、魔法回復飲料を手に取ってみる。ありがとう料理長……。
「これから行われるのは魔物の一掃作戦です。救助作戦もしますがそれはついでのようなものです。兼ねがね国民から要望があった一掃作戦の為に、この地が実地検定の会場に選ばれ、そして救助作戦として魔法回復飲料や食券を配っておけば、高額なギルドクエストとして高額報酬を払わなくても、魔物主が居るような危険地帯と知らなかったとしておけば名目はたちますからね」
「でも、ここのギルドは国が運営しているから、ボランティアも仕方ない事では?」
「ギルドと、名を冠しているのだから、まず所属している冒険者を守るまでいかなくとも、報酬は出すべきだと思いますよ。命をかけるのだから冒険者に対して失礼です。そもそも貴方にしても、一度パーティーを組んだだけの相手の為、先頭に立って救助に行く必要はないのです。それはここの運営の仕事です。我々はパーティーを組んでいるのだから、心配する仲間の為にもそんな軽はずみな行動をするべきではない。今度、レンギルド長に言われたら、最低、ギルドクエストとしてのオファーは、受けてください。そうすれば審査があり、戦う為の体制は整います」
「でも、今回は、時間が無かったんだ……。それに同じパーティーだったって事は大切な目安だよ」
「主様、正直、ルイスの言っている事は従う者なら誰でも思う事。体力が万全ではない時に無理をしないで欲しい。正直、主様が一番大切。他の人間はおまけでしかないと思う。契約した精霊は多いと思うわ」
ウンディーネは、机に両肘を付き、両手を握って、うんうんうんと言うように頭を上下させる。
「ウンディーネ、こういう場所で本音は控えた方がいいですよ。誰しも精霊の事を良く知る機会はあるわけではないので、正直すぎると他の人間から悪く思われる危険がありますよ。精霊の契約者含めてね」
「主様の不利益になるのね……わかった。ルイスありがとう気を付けるようにする」
ウンディーネは、深く考え込みルイスの意見に賛同する。生き残り戦略と人でなしは、結構よく似ていると僕は思う。生死をわける異世界で、そこを見誤ると死ぬことになる。生死の境に他人に手を出せるのは一部の人だけで、僕の役職はその難しい勇者なのだから、もう本当にどうすればいいのやら、とりあえず僕達は昼食を済ませ一掃作戦に備える事になった。
つづく
これどうしたのかと言う問いに、ミッシェルとオリエラが、メンバーが戻って来たチームから、ギルド検定の運営からメンバー分の飲料と食券が配られていたのに合わせ、ルイスも少し多めに魔法回復飲料を差し入れてくれたものだった。では、先ほどのルイスは、見間違いではないらしい。
「はい、ハヤトさんと、ウンディーネの分の食券です」
ミッシェルが、二人分の食券をくれる。
「でも、帰るだけなのに気前がいいよね」
「帰れないですよ、これからが本番ですから」
音もなく現れたルイスが、ウンディーネの横に憮然とした態度で座る。
「あっ、ルイス魔法飲料ありがとう、でも、本番って何をするの? 救助作戦?」
「魔力回復サラダは、日持ちしないので、料理長に断られてしまいました。なので飲料になってしまいましたが、今回は残念ですがこちらを飲んでください」
「へぇ、そうなんだ」僕は、魔法回復飲料を手に取ってみる。ありがとう料理長……。
「これから行われるのは魔物の一掃作戦です。救助作戦もしますがそれはついでのようなものです。兼ねがね国民から要望があった一掃作戦の為に、この地が実地検定の会場に選ばれ、そして救助作戦として魔法回復飲料や食券を配っておけば、高額なギルドクエストとして高額報酬を払わなくても、魔物主が居るような危険地帯と知らなかったとしておけば名目はたちますからね」
「でも、ここのギルドは国が運営しているから、ボランティアも仕方ない事では?」
「ギルドと、名を冠しているのだから、まず所属している冒険者を守るまでいかなくとも、報酬は出すべきだと思いますよ。命をかけるのだから冒険者に対して失礼です。そもそも貴方にしても、一度パーティーを組んだだけの相手の為、先頭に立って救助に行く必要はないのです。それはここの運営の仕事です。我々はパーティーを組んでいるのだから、心配する仲間の為にもそんな軽はずみな行動をするべきではない。今度、レンギルド長に言われたら、最低、ギルドクエストとしてのオファーは、受けてください。そうすれば審査があり、戦う為の体制は整います」
「でも、今回は、時間が無かったんだ……。それに同じパーティーだったって事は大切な目安だよ」
「主様、正直、ルイスの言っている事は従う者なら誰でも思う事。体力が万全ではない時に無理をしないで欲しい。正直、主様が一番大切。他の人間はおまけでしかないと思う。契約した精霊は多いと思うわ」
ウンディーネは、机に両肘を付き、両手を握って、うんうんうんと言うように頭を上下させる。
「ウンディーネ、こういう場所で本音は控えた方がいいですよ。誰しも精霊の事を良く知る機会はあるわけではないので、正直すぎると他の人間から悪く思われる危険がありますよ。精霊の契約者含めてね」
「主様の不利益になるのね……わかった。ルイスありがとう気を付けるようにする」
ウンディーネは、深く考え込みルイスの意見に賛同する。生き残り戦略と人でなしは、結構よく似ていると僕は思う。生死をわける異世界で、そこを見誤ると死ぬことになる。生死の境に他人に手を出せるのは一部の人だけで、僕の役職はその難しい勇者なのだから、もう本当にどうすればいいのやら、とりあえず僕達は昼食を済ませ一掃作戦に備える事になった。
つづく
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