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王の命
上級試験 開会式
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湿地帯のある平原の前の高台に僕らはいた。高台の下は魔物が歩いている様子が目視出来る。
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
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