魔王がやって来たので

もち雪

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新たな仲間

当面の話

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 思わず、うちの未来の愉快なパーティーメンバーの一員である、執事に頭を抱えたが……。

 「では、他に僕と同行をしてくれる方について、何か情報はありますか? 」
 と、僕は話を続ける。

「おとぎ話の、中の人物でも構いません」

「後、必要なのはヒーラー、教会の聖女様か、日出ずる国の巫女だな。あと、お前も木属性の魔属性が強いから、ある程度は使えるはずだ」
 
 ぬいぬいが、僕を見ながら言い ルイスが続く。

「他のパーティーメンバについては、何も伺っておりませんが……。ですが、ヒーラーにつきましては、そのお二方の選出の可能性がたかいでしょうね」 

 ルイスが、ぬいぬいの意見に賛同する。 
 
「ギルドの監督のレンは? 」

「ないな、そんな事になれば、ギルドの事務所の誰かが過労死する、そのレベルでレンが仕事を引き受け過ぎだからな」

「あぁ……ですよね」

 ぼくの中でレンとの思い出が駆け巡る。

 本業のギルドの監督の仕事以外に、召喚された時、精霊の小瓶の授業、山への魔法実践、僕の為の執事の手配どれだけ仕事をこなしているのか見当もつかない……。
 監督だからと言って、誰か気に掛ける人はいないのだろうか? そう思い尋ねてみる。

「でも、いくら何でも働き過ぎなのでは……この世界には、ギルドの労働組合とかなないのですか……?」
 
「あるにはあるが、あいつが副会長だぞ」

「えぇ……」
 
 僕は、これ以上レンの仕事について聞くのを辞めた。
 
 そして今度、健康グッツでも差し入れしょうと心に決めた。

「ところで、ルイスさんの就業開始時間や終業時間などは、何時と決まっていたりしますか? 」
 
「特に決まってございません」
 そう言ってルイスはにっこり微笑む。
 
「えぇ……」
 僕は、ぬいぬいの様子を無意識にうかがう。
 
「冒険者は帰るまでが、冒険だからな……」

(遠足と同レベル!?)

「ルイスさん、休める時には休んでくださいね」
 
 まだ冒険者になって居ない僕に言えるのは、これが精一杯だった。

「はい、承知しました」
 

「では話を戻して、今度、ぬいぬい、オリエラ、ルイスが集まった時にコップなど必要最低限の旅の用具。後、予定を書くのに黒板かカレンダーなどを買いに行きましょう」

「後、必要なものがあれば、その時、お教えてください」

「ほい、ほい」
「かしこまりました」

「ありがとうございます、よろしくお願いします」
 快く引き受けてくれた二人にお礼をいう。

「僕からは以上なのですが……ルイスさんからは、何かありますか?」

「そうですね……今のところわかっている予定など、ございましたら教えてください」
 ルイスの質問に僕はぬいぬいの顔を見る。

「すまないが、あるるが帰って来るまで、残り2日はここへ泊めて貰って、朝から晩まで魔法の練習だ。ルイスは、しばらくはこの屋敷を把握する必要があるだろうが、それが終われば、俺が居ない時も練習に付き合ってやってくれ」

「後、しばらくは、コップなどは城の下働き用の物か、兵士用の物を使うように言っておいてくれ。割った時には、寝覚めが悪くなるからな」

「まぁ、予定はそんなところだな」
 
「わかりました、そのようにいたします」

「今のところ私も、そこまでわかれ十分です」
 
 そういい、ルイスが立ち上がると、ぬいぬいも立ち上がるが……。

 両手を広げ何か探している様だ。

「しまった、昨日、眠すぎて肝心のローブを着てくるのを忘れた」
 
「やはりローブに凄い効果があるんですか? 」
 
 ゲームの様に魔法力アップ効果があるのだろうか?と僕は思わずくいいる様に聞いてしまう。

「魔力効果の呪いをかけた糸で作ってあるので確かに、魔力アップ効果もあるが……。ローブを着ないと俺は魔法使いだって、気がしないだろう?」

「だからイメージが損なうの。格闘家の筋肉みたいなものだな」

「そんなものなんですか……」

「そんなものなの」

「じゃールイス、兵士の練習場で、夕ご飯まで食べて来るからよろしく」

 そう言ってもうぬいぬいは玄関に歩き出し、後ろを見ずに手を振っている。

「では、行ってきます」
 
 慌てて、ぬいぬいの後に続く僕の背中に「いってらっしゃいませ」と言うルイスの声が届いた。

     
     つづく
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