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はじめての異世界
お城の兵士練習場
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次の日の午後も、ぬいぬいとオリエラは現れた。
僕は借りた本を読んでいたら、またもや眠くなりソファーの上で眠っていたところだった。ドアをノック音が鳴っているの気付かず眠っていたら、ドアの外に立っている兵士達とぬいぬいとオリエラが見下ろしていた。
「ハヤト大丈夫? どこか調子悪いの?」オリエラが心配そうに言った。
「熱もなく、脈絡も正常だったが、調子が悪いようなら医者を呼ぶが?」
「あ……少しばかり寝起きが悪いだけなので……大丈夫です……」
「ならいいが……」
慣れない異世界生活の僕を心配してくれるのが、わかっているので少し心が痛い……。
「では、本題にはいるぞ。喜べ、兵士の練習場が使える事になった。防御魔法が、張ってあるので自由に魔法が打てる」
「そして何より近い!」
「ありがとうございます」
「礼は、レンに言うといい彼女が、議会に申請してくれておいたおかげだからな」
「私も初めてだからワクワクするよ」
オリエラは、目を輝かせて喜んでいる。
「では、行くか」
「出発!」
扉を開け外へ出たところでぬいぬいが「ちょっと待ってろ」と言って兵士の所に歩いて行き、一人の兵士と共に帰って来た。
「彼に魔法の訓練を、手伝って貰う」
ぬいぬいと来たのシルスさんで、僕が散歩をしていると元気に挨拶してくれる、若い兵士さんだ。
「シルスさん、ありがとうございます」
「勇者様の為なら喜んで」
彼は敬礼をしてにっこり笑った。
「では、行くぞ」
僕たちは城の前を通り抜け、勇者の間のある別棟と城を挟んで、反対側にある建物へ入った。その建物は勇者の間よりも何倍も大きく、コロシアムとバッティングセンターを2つを合わせた様な造りになっている。僕達は、バッティングセンターの様な造りの方に入って行った。
「魔法学校より造りがおおきーい」
オリエラは、天井を見上げながら手を少し広げて、ゆっくりくるりとまわった。
「兵士ともなるとこれくらいは必要だからな、しかしこの広さをぶち破る、新人も10年に1人はでる」
「オリエラも頑張れよ」
「師匠は、弟子に何させようと!」
オリエラが、慌てるがぬいぬいは涼しい顔で――。
「こいつのお供」
と、僕を指さす。
「そうだった……」
「そうなのですか? 」
僕は二人に聞く。
「そうなの」とぬいぬいは答えるが、オリエラは「そうらしいです」と肩を落とす。
兵士のシルスさんは、ハハハハと少し苦笑いをしている。
(あまり、聞いてはいけないムードを感じる……)
「はい、ここに立って」
僕はいつの間にか、目印の木のまで来ていた。
今回も、ぬいぬいとシルスさんの二人が僕の横に付き、後方にオリエラが今回は、木で作られた椅子に座って居る。
「今回は、水の魔法からやってみよう」
「ハヤトは、どんな魔法を撃てばいいと思うんだ? 」
「まずは、水鉄砲、水圧は多め? しかし細いと貫通してしまう危険もありそうだし……」
「まずは、手のひらサイズをイメージしてやってみます」
「じゃーやれ」ぬいぬいからのゴーサインに合わせイメージを始める。
心臓のマナを水で満たす、すると自然に水は溢れるように腕へと向かう。手のひらから溢れる様に水が出るが、水は勢いが足りず少し行ったところで、下へ落ちてしまう。
試しに魔法を一度止めて、手を鉄砲の形にしたらまっすぐに勢いよく水は飛んだ。
「おぉ」「やった――」とシルスとオリエラから歓声があがるが……何かおかしい。
ぬいぬいが、どこから出したのか杖で僕の横腹をつつく。
「えっ?」
「今、お前はここを攻撃されたらどうする? 」
僕は、魔法を止めて考える。
「手の甲で、武器を払って相手を、止める事は可能ですか?」
僕がそう言うと、ぬいぬいはクスッと笑う。
「可能だ、だが……それは、あくまでも多くの魔法を覚え、魔法を組み立てが出来たうえでの事だ。だが、水の魔法の基礎訓練なので出来ない前提で話を進めてくれ」
「じゃーやはり基本に戻って魔法を凝縮させたのち、片手で相手にぶつけた方が無難ですか?」
「まぁそうだ、それが基本だからな。だが、さっきのやり方も悪くはない。今はまだ、魔法の数が少ないのと魔法の組み立てがされていないから出来ないだけだ」
「じゃあハヤトマナが尽きるか、夕ご飯の時間になるまで水魔法の基礎を撃って貰おうか」
そう言ってにゃりと笑うのだった。
「ハヤト、頑張って!やってればすぐ身体が慣れるから」
と、オリエラは言い。シルスは、昔を思い出したのかうんうんと、僕をあたたかい笑顔で見つめるのだった。
つづく
僕は借りた本を読んでいたら、またもや眠くなりソファーの上で眠っていたところだった。ドアをノック音が鳴っているの気付かず眠っていたら、ドアの外に立っている兵士達とぬいぬいとオリエラが見下ろしていた。
「ハヤト大丈夫? どこか調子悪いの?」オリエラが心配そうに言った。
「熱もなく、脈絡も正常だったが、調子が悪いようなら医者を呼ぶが?」
「あ……少しばかり寝起きが悪いだけなので……大丈夫です……」
「ならいいが……」
慣れない異世界生活の僕を心配してくれるのが、わかっているので少し心が痛い……。
「では、本題にはいるぞ。喜べ、兵士の練習場が使える事になった。防御魔法が、張ってあるので自由に魔法が打てる」
「そして何より近い!」
「ありがとうございます」
「礼は、レンに言うといい彼女が、議会に申請してくれておいたおかげだからな」
「私も初めてだからワクワクするよ」
オリエラは、目を輝かせて喜んでいる。
「では、行くか」
「出発!」
扉を開け外へ出たところでぬいぬいが「ちょっと待ってろ」と言って兵士の所に歩いて行き、一人の兵士と共に帰って来た。
「彼に魔法の訓練を、手伝って貰う」
ぬいぬいと来たのシルスさんで、僕が散歩をしていると元気に挨拶してくれる、若い兵士さんだ。
「シルスさん、ありがとうございます」
「勇者様の為なら喜んで」
彼は敬礼をしてにっこり笑った。
「では、行くぞ」
僕たちは城の前を通り抜け、勇者の間のある別棟と城を挟んで、反対側にある建物へ入った。その建物は勇者の間よりも何倍も大きく、コロシアムとバッティングセンターを2つを合わせた様な造りになっている。僕達は、バッティングセンターの様な造りの方に入って行った。
「魔法学校より造りがおおきーい」
オリエラは、天井を見上げながら手を少し広げて、ゆっくりくるりとまわった。
「兵士ともなるとこれくらいは必要だからな、しかしこの広さをぶち破る、新人も10年に1人はでる」
「オリエラも頑張れよ」
「師匠は、弟子に何させようと!」
オリエラが、慌てるがぬいぬいは涼しい顔で――。
「こいつのお供」
と、僕を指さす。
「そうだった……」
「そうなのですか? 」
僕は二人に聞く。
「そうなの」とぬいぬいは答えるが、オリエラは「そうらしいです」と肩を落とす。
兵士のシルスさんは、ハハハハと少し苦笑いをしている。
(あまり、聞いてはいけないムードを感じる……)
「はい、ここに立って」
僕はいつの間にか、目印の木のまで来ていた。
今回も、ぬいぬいとシルスさんの二人が僕の横に付き、後方にオリエラが今回は、木で作られた椅子に座って居る。
「今回は、水の魔法からやってみよう」
「ハヤトは、どんな魔法を撃てばいいと思うんだ? 」
「まずは、水鉄砲、水圧は多め? しかし細いと貫通してしまう危険もありそうだし……」
「まずは、手のひらサイズをイメージしてやってみます」
「じゃーやれ」ぬいぬいからのゴーサインに合わせイメージを始める。
心臓のマナを水で満たす、すると自然に水は溢れるように腕へと向かう。手のひらから溢れる様に水が出るが、水は勢いが足りず少し行ったところで、下へ落ちてしまう。
試しに魔法を一度止めて、手を鉄砲の形にしたらまっすぐに勢いよく水は飛んだ。
「おぉ」「やった――」とシルスとオリエラから歓声があがるが……何かおかしい。
ぬいぬいが、どこから出したのか杖で僕の横腹をつつく。
「えっ?」
「今、お前はここを攻撃されたらどうする? 」
僕は、魔法を止めて考える。
「手の甲で、武器を払って相手を、止める事は可能ですか?」
僕がそう言うと、ぬいぬいはクスッと笑う。
「可能だ、だが……それは、あくまでも多くの魔法を覚え、魔法を組み立てが出来たうえでの事だ。だが、水の魔法の基礎訓練なので出来ない前提で話を進めてくれ」
「じゃーやはり基本に戻って魔法を凝縮させたのち、片手で相手にぶつけた方が無難ですか?」
「まぁそうだ、それが基本だからな。だが、さっきのやり方も悪くはない。今はまだ、魔法の数が少ないのと魔法の組み立てがされていないから出来ないだけだ」
「じゃあハヤトマナが尽きるか、夕ご飯の時間になるまで水魔法の基礎を撃って貰おうか」
そう言ってにゃりと笑うのだった。
「ハヤト、頑張って!やってればすぐ身体が慣れるから」
と、オリエラは言い。シルスは、昔を思い出したのかうんうんと、僕をあたたかい笑顔で見つめるのだった。
つづく
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