18 / 286
ふたたび動き出す世界
異世界の成り立ち
しおりを挟む
日曜日の朝は、いつまで眠っていられる素敵な曜日だ。
ただし目の前に居る魔王が、来なければの話だが……。朝早くに、家のチャイムが鳴り……3回目のチャイムまで、ベッドでやり過ごしていた。
「いつまで寝ておる」
と言う、魔王の声とともに、掛布は剥がされた。
「何故、魔王が!?」
「何故?か……ふむ……」
そう言うと、魔王は少し考えこんでいるようだった…………。
「とりあえず駅前のブレッド佐藤で、買って来たパンで朝食にするぞ。」
魔王は、手に持った紙袋を振りながらそう言うと、キッチンに向かった。
「ありがとうございます、いただきます――何をお飲みになられますか?」
「買って来た。カフェオーレやいちごジュースならあるぞ」
紙袋の中身を無造作にキッチンの机の上に転がす。透明なビニール袋にいれられたパンと飲み物が転がり落ちてきた。それを魔王は、1つずつ等間隔に机の上にならべる。
魔王がキッチンのテーブルに座り、僕もその前に座る。
ブレッド佐藤は、バターの味のしっかり味わえる、サクサクなのだけれど……パラパラこぼれる少し前の独特のな触感のクロワッサンが人気なのだが、それが2つと餡子の入った餡子のクロワッサンが1つ入っている。半熟卵カットされているお惣菜パンに、明太子が練りこまれたフランスパン、カレーパン、チーズのパンなど合わせて10個が堂々と並んでいる。
「この2つのパンとカフェオーレいただきます」
「我はこれとこれをするか――じゃー残りはフィーナの土産するか……」
そう言うと今度は、丁寧にパンといちごジュースをしまう。
良いパパである。
「今日、彼女は来ないのですか?」
「そうだ、これは食事の後に話そう」
(何か魔王にしては歯切れの悪い言い方なような?)
「「いただきます」」
ぼくは魔王の顔を見つめた。
「なんだ? このパンが食べたいのか?」
「やっー魔王もいただきますって言うんですね――?」
「言う者いる。 異世界は、こっちで言う地獄なのだから」
「へっ?」
「もともと、こちらの世界の神話では、天とか楽園とか言う存在から、この世界は派生しているのだろう?」
「そこから一段落ちた存在が、異世界ではないか?と異世界の神話から読み取る事が出来る」
「【魔獣王サーグラの伝説】
ある日、1つの卵が天より落ち、そこから魔獣王サーグラが産まれた。
サーグラが駆けた後には、植物が生い茂り多くの魔物が生まれた。
全ての地を駆けた時、サーグラの前に月から卵が落ちて来る。その卵からは輝く様な美しさを持つ、妃ヘルドーラが誕生した。と、言う伝説じゃな」
朝食時間にいきなり語られる伝説に、僕はいささかめんくらいなが……、静かにその話に耳を傾ける。
「まぁ伝説通りなら、こちらから異世界へ行くのはたやすいのに、逆は一部の力のある者しか出来ないのもうなずける。それについて詳しい文献を探してみたのだが……」
「で、結果は、どうだったんですか?」
「うーん調べていく内に、触れてはいけない存在ってのがあらわれてな……」
「現れる? ですか……?」
「だから、触れてはいかんと言っておるだろう、こちらの世界にもいろいろ居るだろう? 映画でみたぞ」
(映画鑑賞まで……しかも、いろいろ?どれだけエンジョイ勢……)
「そういうわけで、今は書庫の奥の奥の封印の棚に、資料のすべてを封印中だ……やはり戦いが一番だ……」
そう言い静かにイチゴジュースを飲んだ。
魔王の話はいつも結果が、伴なわない……。ただの怪談好きなのかもしれないし、ただやばい逸話話を掘り起こしてはいわく付きの危険な得体の知れないを作り出す、危険人物なのかもしれない。
魔王と言う役職だけで、後者な気は十分にする。
「甘いな……これ……」
魔王は、僕の猜疑心など知らずに、呑気なものである。
つづく
ただし目の前に居る魔王が、来なければの話だが……。朝早くに、家のチャイムが鳴り……3回目のチャイムまで、ベッドでやり過ごしていた。
「いつまで寝ておる」
と言う、魔王の声とともに、掛布は剥がされた。
「何故、魔王が!?」
「何故?か……ふむ……」
そう言うと、魔王は少し考えこんでいるようだった…………。
「とりあえず駅前のブレッド佐藤で、買って来たパンで朝食にするぞ。」
魔王は、手に持った紙袋を振りながらそう言うと、キッチンに向かった。
「ありがとうございます、いただきます――何をお飲みになられますか?」
「買って来た。カフェオーレやいちごジュースならあるぞ」
紙袋の中身を無造作にキッチンの机の上に転がす。透明なビニール袋にいれられたパンと飲み物が転がり落ちてきた。それを魔王は、1つずつ等間隔に机の上にならべる。
魔王がキッチンのテーブルに座り、僕もその前に座る。
ブレッド佐藤は、バターの味のしっかり味わえる、サクサクなのだけれど……パラパラこぼれる少し前の独特のな触感のクロワッサンが人気なのだが、それが2つと餡子の入った餡子のクロワッサンが1つ入っている。半熟卵カットされているお惣菜パンに、明太子が練りこまれたフランスパン、カレーパン、チーズのパンなど合わせて10個が堂々と並んでいる。
「この2つのパンとカフェオーレいただきます」
「我はこれとこれをするか――じゃー残りはフィーナの土産するか……」
そう言うと今度は、丁寧にパンといちごジュースをしまう。
良いパパである。
「今日、彼女は来ないのですか?」
「そうだ、これは食事の後に話そう」
(何か魔王にしては歯切れの悪い言い方なような?)
「「いただきます」」
ぼくは魔王の顔を見つめた。
「なんだ? このパンが食べたいのか?」
「やっー魔王もいただきますって言うんですね――?」
「言う者いる。 異世界は、こっちで言う地獄なのだから」
「へっ?」
「もともと、こちらの世界の神話では、天とか楽園とか言う存在から、この世界は派生しているのだろう?」
「そこから一段落ちた存在が、異世界ではないか?と異世界の神話から読み取る事が出来る」
「【魔獣王サーグラの伝説】
ある日、1つの卵が天より落ち、そこから魔獣王サーグラが産まれた。
サーグラが駆けた後には、植物が生い茂り多くの魔物が生まれた。
全ての地を駆けた時、サーグラの前に月から卵が落ちて来る。その卵からは輝く様な美しさを持つ、妃ヘルドーラが誕生した。と、言う伝説じゃな」
朝食時間にいきなり語られる伝説に、僕はいささかめんくらいなが……、静かにその話に耳を傾ける。
「まぁ伝説通りなら、こちらから異世界へ行くのはたやすいのに、逆は一部の力のある者しか出来ないのもうなずける。それについて詳しい文献を探してみたのだが……」
「で、結果は、どうだったんですか?」
「うーん調べていく内に、触れてはいけない存在ってのがあらわれてな……」
「現れる? ですか……?」
「だから、触れてはいかんと言っておるだろう、こちらの世界にもいろいろ居るだろう? 映画でみたぞ」
(映画鑑賞まで……しかも、いろいろ?どれだけエンジョイ勢……)
「そういうわけで、今は書庫の奥の奥の封印の棚に、資料のすべてを封印中だ……やはり戦いが一番だ……」
そう言い静かにイチゴジュースを飲んだ。
魔王の話はいつも結果が、伴なわない……。ただの怪談好きなのかもしれないし、ただやばい逸話話を掘り起こしてはいわく付きの危険な得体の知れないを作り出す、危険人物なのかもしれない。
魔王と言う役職だけで、後者な気は十分にする。
「甘いな……これ……」
魔王は、僕の猜疑心など知らずに、呑気なものである。
つづく
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜
あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。
そんな世界に唯一現れた白髪の少年。
その少年とは神様に転生させられた日本人だった。
その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。
⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。
⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる