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番外
練習休止中
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体が変だ。
前から変なのは何度もあったけど…最近はその…なんというか酷い。
まず二人と事に及ぼうとすると…濡れるようになった。…どこが…かは…言いたくない…。
さらに…すぐ入れられてもまったく痛くない。むしろ気持ちいい。
…嫁とかなんだ言われても、体は男なのに……な…なんで…?
前の傾くみたいに、一時的なものかと思ったけど、この前…千に体が完成しちゃったね。なんて言われた。
完成という事はもうこれ以上変わらないって事なんじゃ……ひ…ひえ。
でもじゃあこの家から出られるようになったかと…いうと、センスがない俺は出る為の、練習をしなければどうにもならないような未熟者だった。
最弱に続き未熟者にもなってしまった。
それでもめげずに、その為の練習とやらをしてみれば…異常に飢えた…。
食事でもなく…水でも癒されない飢えに、俺は気がつけば…二人を押し倒して腰を振っていた。
そして盛大にねだった。何を…までは言いたくない…。
「…はぁぁああ」
「おめでとう。引きこもり」
練習をいったんやめると宣言して数日、先輩引きこもりである千に、謎の祝いを言われた。
「引きこもるつもりは、ないんだけど…」
「外に出るのをあきらめたら、そこで引きこもりの誕生だよ☆」
「……だって」
練習すると飢えが……。
「難儀な体になっちゃってまあ~」
「…ぇう」
「……幸せな引きこもりにおなり」
「ぇええ…」
答えになっていない答えを返され、慈愛の眼差しを向けられる。
「あの、さ。俺の体って」
「ぼくがあれこれ言うのもどうかと思うから…詳しくは二人に訊いたら?」
「…ううううう」
「一つ救いを言うならば…」
「言うならば?」
「練習して力の使い方に慣れて行けば」
「!」
「…飢える速度はマシになると思うよ」
「本当に!?」
「多少…僅かに…それなりに…多分?」
微妙な予感しかしない……。
「練習怖い…」
「じゃ今度は、悲しい事言うけど」
「えぇえええ」
「練習しなくても、飢えていくよ」
「……そんな気はしてた」
「…難儀な体になっちゃってまあ~」
「……ぇう」
目の前の机に、頭を押しつける。
「ぼくと練習する?」
「しない」
「だよね…。ま、残念ながらきみはもう別のオスじゃ満たされない」
「……そんな気もしてた」
いや他の人と寝たいだなんて、そもそも思ってないけど…。でも…その…明確にこの二人が欲しいって思ってしまう。
二人の……その…何がとまでは言いたくないけど…。ユーカリを食べるコアラとか、笹を食べるパンダってこんな気持ちなんだろうか…。
「なんの話ー?」
ぴょこりと、百がリビングに顔を出す。
「兄ちゃんのお嫁さんの体の話」
「お嫁さんの体の話………え!?ま、まさか子どもが出来たとかっ!?」
「…………」
「冗談だよ弟よ。そんな冷たい目で見なくてもよくない?」
「あはは」
馬鹿な事を言った百がおかしくて、笑ってから…はっとした。
「………!?」
俺は自分の腹を触る。異常なこの体の事だ。もう正直何があるか…まさか本当に子どもが出来たりとか…。
「いや、流石にそれはないって…」
俺の動きを見て、千が今度は俺に冷たい目を向けてきた。
「そ、そっか…」
数えきれない程、中に注がれているし…ひょっとして、と思ってしまった自分が恥ずかしい。
「んふふふ~種はいっぱい蒔いてるんだけどね~」
「ぇう…」
「あーーーあーーーーあーーー。そういうやつは、ぼくのいない所でやってよ」
「うるさいぞ。馬鹿」
風呂掃除を終えたクロも、リビングへとやって来る。
「出たよ!?揃っちゃたようるさいオス共が」
「……お前の方がうるさい」
「かーーー!もういいよ。ぼく部屋に行くから。防音の部屋に!!」
「あ、待ってよ千!」
俺は立ち上がって移動しようとした千の服を掴んでとめる。
「えーーー何?4Pの誘い」
「いや、違うよ!?」
そんなつもりはないんだけど…その…練習を中止してから数日…。二人とは寝てなくて…でもまだ凄く飢えている訳じゃないから大丈夫といえば大丈夫なんだけど。
…それでも…三人だけでずっといると、欲しくなっちゃいそうで……困るというか。
その辺のあれを防ぐ為に、千にはここにいて欲しい。まだ…昼間だし…。
「…わかったよ。まだここにいてあげる」
俺の内情を察してくれたのか、千は移動をやめ椅子に腰かけた。
「ありがとう」
「浮気?」
「…浮気か?」
クロと百が、ぼそりと同じ事を言ったけど、聞かない事にする。
……浮気じゃない!!
「じゃあさせっかくだし、体の事でも訊いてみたらー」
「なんの話だ?」
「ああ。あのね、お嫁さんとおれ達の子どもの話」
百がさっきの冗談をまた口にする。
「違うよ!?」
「ま……さか…」
「いや、違うって!?なんで俺の腹を撫でようとするのクロ!?」
椅子に座る俺の横に、跪かないで欲しい。
「……………まだ言う気はないんだ」
「なんの事かな~弟よ」
「別に…。ま、ぼくが口を挟む問題じゃないし。なんだかんだいって、この子も心の準備が出来てなさそうだし…いんじゃないの?まだ放置で」
「そーだよねえ」
クロは跪いたその態勢のまま、俺の椅子を動かし向かい合うようにした。
「な、…何?」
「……この中に…オレの子が」
「いやだからいないよ!?そのマフラーどこから持ってきたの!?」
クロがどこからか持ってきた白いマフラーを、俺の腹へ巻こうとする。
「…ねえ。ワンコはあれ冗談でやってんだよね?」
「ど、どうだろう?あれで結構ずれてる所あるから…浮かれて本気にしてそう」
「やばいじゃん」
「やばいよね」
「ちょっ百、千見てないで、クロとめて!?」
前から変なのは何度もあったけど…最近はその…なんというか酷い。
まず二人と事に及ぼうとすると…濡れるようになった。…どこが…かは…言いたくない…。
さらに…すぐ入れられてもまったく痛くない。むしろ気持ちいい。
…嫁とかなんだ言われても、体は男なのに……な…なんで…?
前の傾くみたいに、一時的なものかと思ったけど、この前…千に体が完成しちゃったね。なんて言われた。
完成という事はもうこれ以上変わらないって事なんじゃ……ひ…ひえ。
でもじゃあこの家から出られるようになったかと…いうと、センスがない俺は出る為の、練習をしなければどうにもならないような未熟者だった。
最弱に続き未熟者にもなってしまった。
それでもめげずに、その為の練習とやらをしてみれば…異常に飢えた…。
食事でもなく…水でも癒されない飢えに、俺は気がつけば…二人を押し倒して腰を振っていた。
そして盛大にねだった。何を…までは言いたくない…。
「…はぁぁああ」
「おめでとう。引きこもり」
練習をいったんやめると宣言して数日、先輩引きこもりである千に、謎の祝いを言われた。
「引きこもるつもりは、ないんだけど…」
「外に出るのをあきらめたら、そこで引きこもりの誕生だよ☆」
「……だって」
練習すると飢えが……。
「難儀な体になっちゃってまあ~」
「…ぇう」
「……幸せな引きこもりにおなり」
「ぇええ…」
答えになっていない答えを返され、慈愛の眼差しを向けられる。
「あの、さ。俺の体って」
「ぼくがあれこれ言うのもどうかと思うから…詳しくは二人に訊いたら?」
「…ううううう」
「一つ救いを言うならば…」
「言うならば?」
「練習して力の使い方に慣れて行けば」
「!」
「…飢える速度はマシになると思うよ」
「本当に!?」
「多少…僅かに…それなりに…多分?」
微妙な予感しかしない……。
「練習怖い…」
「じゃ今度は、悲しい事言うけど」
「えぇえええ」
「練習しなくても、飢えていくよ」
「……そんな気はしてた」
「…難儀な体になっちゃってまあ~」
「……ぇう」
目の前の机に、頭を押しつける。
「ぼくと練習する?」
「しない」
「だよね…。ま、残念ながらきみはもう別のオスじゃ満たされない」
「……そんな気もしてた」
いや他の人と寝たいだなんて、そもそも思ってないけど…。でも…その…明確にこの二人が欲しいって思ってしまう。
二人の……その…何がとまでは言いたくないけど…。ユーカリを食べるコアラとか、笹を食べるパンダってこんな気持ちなんだろうか…。
「なんの話ー?」
ぴょこりと、百がリビングに顔を出す。
「兄ちゃんのお嫁さんの体の話」
「お嫁さんの体の話………え!?ま、まさか子どもが出来たとかっ!?」
「…………」
「冗談だよ弟よ。そんな冷たい目で見なくてもよくない?」
「あはは」
馬鹿な事を言った百がおかしくて、笑ってから…はっとした。
「………!?」
俺は自分の腹を触る。異常なこの体の事だ。もう正直何があるか…まさか本当に子どもが出来たりとか…。
「いや、流石にそれはないって…」
俺の動きを見て、千が今度は俺に冷たい目を向けてきた。
「そ、そっか…」
数えきれない程、中に注がれているし…ひょっとして、と思ってしまった自分が恥ずかしい。
「んふふふ~種はいっぱい蒔いてるんだけどね~」
「ぇう…」
「あーーーあーーーーあーーー。そういうやつは、ぼくのいない所でやってよ」
「うるさいぞ。馬鹿」
風呂掃除を終えたクロも、リビングへとやって来る。
「出たよ!?揃っちゃたようるさいオス共が」
「……お前の方がうるさい」
「かーーー!もういいよ。ぼく部屋に行くから。防音の部屋に!!」
「あ、待ってよ千!」
俺は立ち上がって移動しようとした千の服を掴んでとめる。
「えーーー何?4Pの誘い」
「いや、違うよ!?」
そんなつもりはないんだけど…その…練習を中止してから数日…。二人とは寝てなくて…でもまだ凄く飢えている訳じゃないから大丈夫といえば大丈夫なんだけど。
…それでも…三人だけでずっといると、欲しくなっちゃいそうで……困るというか。
その辺のあれを防ぐ為に、千にはここにいて欲しい。まだ…昼間だし…。
「…わかったよ。まだここにいてあげる」
俺の内情を察してくれたのか、千は移動をやめ椅子に腰かけた。
「ありがとう」
「浮気?」
「…浮気か?」
クロと百が、ぼそりと同じ事を言ったけど、聞かない事にする。
……浮気じゃない!!
「じゃあさせっかくだし、体の事でも訊いてみたらー」
「なんの話だ?」
「ああ。あのね、お嫁さんとおれ達の子どもの話」
百がさっきの冗談をまた口にする。
「違うよ!?」
「ま……さか…」
「いや、違うって!?なんで俺の腹を撫でようとするのクロ!?」
椅子に座る俺の横に、跪かないで欲しい。
「……………まだ言う気はないんだ」
「なんの事かな~弟よ」
「別に…。ま、ぼくが口を挟む問題じゃないし。なんだかんだいって、この子も心の準備が出来てなさそうだし…いんじゃないの?まだ放置で」
「そーだよねえ」
クロは跪いたその態勢のまま、俺の椅子を動かし向かい合うようにした。
「な、…何?」
「……この中に…オレの子が」
「いやだからいないよ!?そのマフラーどこから持ってきたの!?」
クロがどこからか持ってきた白いマフラーを、俺の腹へ巻こうとする。
「…ねえ。ワンコはあれ冗談でやってんだよね?」
「ど、どうだろう?あれで結構ずれてる所あるから…浮かれて本気にしてそう」
「やばいじゃん」
「やばいよね」
「ちょっ百、千見てないで、クロとめて!?」
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