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第9話 ねこみみメイド喫茶アニスミア、当方は朱く萌えているぅ
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「お帰りなさいませにゃ……ごしゅっ……しゅぽー」
店に入るなり現れた店員は、ねこみみにねこしっぽにねこのにくきゅうを着けたメイド服を着た種田恵だった。
放心状態で戦力外通告を受けた種田に代わり別のねこみみメイドさんが案内をしてくれた。
名札にはカレンと書かれていた。
「わたしがオーナー兼ねこみみメイド0号・カレンにゃ。」
カレンと名乗るメイドさんはこの店のコンセプトを教えてくれた。
お客様はご主人様であり、料理やドリンクを購入するたびににゃんこポイントが溜まる。
これはスタンプカードの事か。
これが一杯に溜まるとチェキ……ポラロイドで指名したねこみみメイドとツーショット撮影が出来る。
ねこみみメイドにもいろいろなキャラがあり、可愛い娘から美人、妹みたいな娘から姉みたいな娘まで。
そしてツンデレ……あ、これ多分種田恵が担当だな。
しかしヤンキーとツンは別物だけど。
聞いてみたらなんと、種田は纏め役の姉担当らしい。
う~ん、まぁヤンキーだし纏めるのは上手いのか?
一番人気はツンデレ担当の七虹という幼馴染系も兼任しているねこみみメイドだそうだ。
しかし……「1円=1にゃん」って。
なぜここまで新設丁寧に教えて貰えたのか不思議だったのだが。
めぐにゃんがデレたーとか裏方から聞こえた声と関係あるのだろうか。
なんかこういう店の定番らしいので、萌え萌えおむらいす(800にゃん)と、お姉ちゃんの一喝(めぐにゃん、500にゃん)を注文。
一喝がエールとはまた奇妙な事で。
再起動した種田……めぐにゃんがオムライスとケチャップペンを持参してやってきた。
「ちょ、て、てめーこのことバラしたら……」
「言わねーよ。ぷぷっ。心のフォルダに保存しとくだけだ。」
ちなみにこの店はテレビで取り上げられるようなおいしくなーれとかはやらない。
あんなのは邪道だそうだ。
「なぁ、普通こういうのって何を描きますかとか聞くものなんじゃないのか?」
テーブルにオムライスを置くと徐に何かを描き始めためぐにゃん。
「コ・ロ・ス」って物騒なメイドさんもいたもんだな。
「ご、ごゆっくり……しやがってください。」
おいおい、素が出てるぞ。大丈夫か?
引きつった笑顔に不覚にも見惚れてしまった。
馬子にも衣装というが、メイド服が新鮮なのもあるけど結構似合ってると思う。
「まぁなんだ。そのカッコしてると可愛いな。普段のヤンキーキャラやコミュ障と違って。」
「なっなっ、かかっからかってんじゃねーよ。」
真っ赤になってバックヤードに下がってしまった。
「そ、それとキャラじゃねーし。」
―――その頃の従業員達。――――――
「あれは……マジデレですね。」
「あの鮮血の金剛乙女があんなにデレてるとは……」
他のねこみみメイドさんがひそひそ話をしていた。
他の席では……
「ふん、毎日毎日帰ってきて。ニートにゃの?働いてなにゃいの?暇にゃの?」
「でもせっかく来たのだったらゆっくりしていってもいいわ。」
あ、これがツンデレ?
通りすがりに名札をチェック。
小倉七虹と書かれている。
さっきカレンさんから話を聞いていた1番人気のメイドさんだ。
あれ?そう言えば種田は本名が書かれていたな。
そうすると名札に書かれてる名前は全員本名か?
買ってきたラノベを読もうと喫茶店に入ったはずなんだが、人間観察になってしまった。
いや、読んではいるんだ。
読んではいるけど、チラッチラッと周囲を見てしまう。
なんだろうか。
ツンデレもそうなのかもしれないけど、種田のあのぶっきらぼうな言葉がツボにはまる客が多い事に吃驚だ。
それになんだかイキイキしてないか?
「あ、そこのメイドさん」
たまたま近くを通ったツンデレ担当七虹氏を呼び止め紅茶をお代わりする。
「飲み過ぎて夜中一人で行けなくなっても知らないにゃ。でも、私が淹れるから美味しいのは仕方ないけど。」
その様子を見ていた種田が何かメンチ切ってこちらを睨んでいた……ような気がする。
だって手に持っていたお盆がぐしゃって拉げてるんだもん、怖いよ。
入店してから1時間は時間が経過しただろうか。
客も半分は入れ替わっているように見える。
会計時にレジに立ったのはカレンさんだった。
「ご主人様はめぐにゃんのコレですかにゃ?」
小指を立ててきた。
「いや、それ男女逆でしょう。って、どっちでも違いますけど。」
「あらあら、あそこまで感情豊かにテンパる彼女を初めてみたので、てっきりリアルの彼氏さんなのかと。」
ぶほっともう少しで吹き出しそうだった。
「どこをどう見ればそう思われるのかはわかりませんが、クラスメートで野球部のマネ見習い兼鬼コーチ兼ヤジ担当なだけですよ。」
「あー、なるほどぉ。ではまたのお帰りをおまちしてるにゃん。」
結局50Pくらいしか読めなかった。
店の中は綺麗だし雰囲気も良いし、変な名前のメニューさえクリア出来れば、また帰ってきても良いなと思った。
ポイントカードを溜めるのも悪くないなと思えるくらいにはねこみみメイド喫茶の魅力に取り憑かれていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
後書きです。
真白、ねこみみメイド喫茶に嵌りそうです。
入り浸ってレギュラー落ちしないようにな。
たまにバイト先エピソードも入るかと。
今回はバイト先の紹介と、2人の名前付きキャラの紹介でした。
店に入るなり現れた店員は、ねこみみにねこしっぽにねこのにくきゅうを着けたメイド服を着た種田恵だった。
放心状態で戦力外通告を受けた種田に代わり別のねこみみメイドさんが案内をしてくれた。
名札にはカレンと書かれていた。
「わたしがオーナー兼ねこみみメイド0号・カレンにゃ。」
カレンと名乗るメイドさんはこの店のコンセプトを教えてくれた。
お客様はご主人様であり、料理やドリンクを購入するたびににゃんこポイントが溜まる。
これはスタンプカードの事か。
これが一杯に溜まるとチェキ……ポラロイドで指名したねこみみメイドとツーショット撮影が出来る。
ねこみみメイドにもいろいろなキャラがあり、可愛い娘から美人、妹みたいな娘から姉みたいな娘まで。
そしてツンデレ……あ、これ多分種田恵が担当だな。
しかしヤンキーとツンは別物だけど。
聞いてみたらなんと、種田は纏め役の姉担当らしい。
う~ん、まぁヤンキーだし纏めるのは上手いのか?
一番人気はツンデレ担当の七虹という幼馴染系も兼任しているねこみみメイドだそうだ。
しかし……「1円=1にゃん」って。
なぜここまで新設丁寧に教えて貰えたのか不思議だったのだが。
めぐにゃんがデレたーとか裏方から聞こえた声と関係あるのだろうか。
なんかこういう店の定番らしいので、萌え萌えおむらいす(800にゃん)と、お姉ちゃんの一喝(めぐにゃん、500にゃん)を注文。
一喝がエールとはまた奇妙な事で。
再起動した種田……めぐにゃんがオムライスとケチャップペンを持参してやってきた。
「ちょ、て、てめーこのことバラしたら……」
「言わねーよ。ぷぷっ。心のフォルダに保存しとくだけだ。」
ちなみにこの店はテレビで取り上げられるようなおいしくなーれとかはやらない。
あんなのは邪道だそうだ。
「なぁ、普通こういうのって何を描きますかとか聞くものなんじゃないのか?」
テーブルにオムライスを置くと徐に何かを描き始めためぐにゃん。
「コ・ロ・ス」って物騒なメイドさんもいたもんだな。
「ご、ごゆっくり……しやがってください。」
おいおい、素が出てるぞ。大丈夫か?
引きつった笑顔に不覚にも見惚れてしまった。
馬子にも衣装というが、メイド服が新鮮なのもあるけど結構似合ってると思う。
「まぁなんだ。そのカッコしてると可愛いな。普段のヤンキーキャラやコミュ障と違って。」
「なっなっ、かかっからかってんじゃねーよ。」
真っ赤になってバックヤードに下がってしまった。
「そ、それとキャラじゃねーし。」
―――その頃の従業員達。――――――
「あれは……マジデレですね。」
「あの鮮血の金剛乙女があんなにデレてるとは……」
他のねこみみメイドさんがひそひそ話をしていた。
他の席では……
「ふん、毎日毎日帰ってきて。ニートにゃの?働いてなにゃいの?暇にゃの?」
「でもせっかく来たのだったらゆっくりしていってもいいわ。」
あ、これがツンデレ?
通りすがりに名札をチェック。
小倉七虹と書かれている。
さっきカレンさんから話を聞いていた1番人気のメイドさんだ。
あれ?そう言えば種田は本名が書かれていたな。
そうすると名札に書かれてる名前は全員本名か?
買ってきたラノベを読もうと喫茶店に入ったはずなんだが、人間観察になってしまった。
いや、読んではいるんだ。
読んではいるけど、チラッチラッと周囲を見てしまう。
なんだろうか。
ツンデレもそうなのかもしれないけど、種田のあのぶっきらぼうな言葉がツボにはまる客が多い事に吃驚だ。
それになんだかイキイキしてないか?
「あ、そこのメイドさん」
たまたま近くを通ったツンデレ担当七虹氏を呼び止め紅茶をお代わりする。
「飲み過ぎて夜中一人で行けなくなっても知らないにゃ。でも、私が淹れるから美味しいのは仕方ないけど。」
その様子を見ていた種田が何かメンチ切ってこちらを睨んでいた……ような気がする。
だって手に持っていたお盆がぐしゃって拉げてるんだもん、怖いよ。
入店してから1時間は時間が経過しただろうか。
客も半分は入れ替わっているように見える。
会計時にレジに立ったのはカレンさんだった。
「ご主人様はめぐにゃんのコレですかにゃ?」
小指を立ててきた。
「いや、それ男女逆でしょう。って、どっちでも違いますけど。」
「あらあら、あそこまで感情豊かにテンパる彼女を初めてみたので、てっきりリアルの彼氏さんなのかと。」
ぶほっともう少しで吹き出しそうだった。
「どこをどう見ればそう思われるのかはわかりませんが、クラスメートで野球部のマネ見習い兼鬼コーチ兼ヤジ担当なだけですよ。」
「あー、なるほどぉ。ではまたのお帰りをおまちしてるにゃん。」
結局50Pくらいしか読めなかった。
店の中は綺麗だし雰囲気も良いし、変な名前のメニューさえクリア出来れば、また帰ってきても良いなと思った。
ポイントカードを溜めるのも悪くないなと思えるくらいにはねこみみメイド喫茶の魅力に取り憑かれていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
後書きです。
真白、ねこみみメイド喫茶に嵌りそうです。
入り浸ってレギュラー落ちしないようにな。
たまにバイト先エピソードも入るかと。
今回はバイト先の紹介と、2人の名前付きキャラの紹介でした。
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