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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡

第36話 膝枕って厳密には太腿枕だよね。(誕生日デートその1)

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 ~~~♪

 3daysの主題歌で起きた。
 理多さんの名曲の一つだ。

 「さて準備しよう。」

 「前髪OK♪…」
 このノリ恋愛CHU!だな。
 真理恵さんからもらったチケット、残念ながらイルミネーションは使えないんだよな。

 なぜなら2月11日までしかやってないから…
 しかしこのワンデーパス、5千円くらいするんじゃなかったっけ。
 ホワイトタイガーのぬいぐるみくらいはお土産に買って帰るか。

 黙ってれば真理恵さんも可愛い女子だしな、人妻だけど。

 準備も終わったのでチケット持って友紀さんを迎えに行く。

☆☆☆

 ただ今友紀さんを乗せて東部動物公園に到着しました。

 実家ではやはり氷雨ちゃんが私も行きたい~となったんだけど、母の一喝ならぬデートの邪魔をしちゃだめと諭しどうにか事なきをえたというわけである。
 その代わりホワイトタイガーぬいぐるみを所望されましたがね。

 9:40 開園少し過ぎたくらいの到着。
 19時の閉店までフルというわけでもないし、行き当たりばったりというわけではないけど遊園地側と動物園側と両方楽しめればと思う。
 なにより友紀さんが楽しんでくれなければ意味がないけどね。

 「どちらから行く?特になければ遊園地側が良いかなって、主に体力的に。」

 「私も遊園地からで良いと思います。多分食べた後に遊園地はきつくなると思うので。」

 2人ともほとんど遊園地に行った事がないのでよくわからないが正解である。
 
 「じゃぁ、まずは電車に乗って中心部へGO」

 「GO!」 
 まずはパークラインにのって、しゅしゅぽぽ~♪
 いや、そんな機関車的なのではないけど気分の問題?

 「到着。」

 「最初に謝らなければならないことがございます。私越谷真人は高い所と絶叫マシーンが苦手です。」

 「あ、それなら私も謝らなければならない事がございます。私金子友紀は高い所も絶叫マシーンも大好きです。」

 あ、これオワタ……かっこつけるために乗るパターンだ。

 「じゃぁ、ボロが出る前に最初にカワセミいきましょー」

 今日は友紀さんの誕生日だ、友紀さんが好きなものを重点的に回るのが良いに決まってる。
 そこでヘタレたらだめだ。

 「あの、別に無理しなくても大丈夫ですよ、乗り物はたくさんありますし。」

 「いえ、ここは本来黙ってかっこつけるべきだったと反省しております。というより、友紀さんが楽しんでくれないと俺も楽しめません。」

 「あ、じゃぁ最初と最後に2回乗りましょう。」

 時間的に2回が可能かはわからないけど、地獄と天国はこうして始まりました。

 ちなみに地獄から。

 「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ……」

 「もう安全バーとかセットされちゃってますけどね。」

 「俺……生きて帰ったら結婚の約束するん………だーーーーーー」

 もちろんネタです。ネタですがこの2人の場合ネタで済むと思ってはいけない。

 「ぜはーぜはー、目はつぶらなかった…ぜ?っとっと。」

 足腰にきてます。ふらついちゃいました。これ何の意図もありません。
 「えっわっ」
 
 友紀さんに抱き着いてしまいました。
 もうこの数日の間に何度こういったラッキーなんちゃら起こしてるよ。

 「ままっ真人さん。」

 抱き着くだけならともかくお胸に顔を埋めてしまいました。

 「ごご、ごめん。」

 「大丈夫ですか??ふらふらでしたけど。」

 あれ?あまり気にしてない?

 その後どうにか復活、近くのベンチで休みながら…まずは平謝り。
 
 「本当にごめんなさい。決して態とじゃなくて。というかそもそも足にくる程ふらふらして情けないとこ…」
 「そんな気にしないで。苦手なのにあんな凄いの乗ってふらつくのは仕方ないですよ。それに…ちょっと可愛いとこ見させてもらいましたし。」
 それは道中の叫びですか?ふらついてるとこですか?お胸に抱き着いたことですか?あたふたしてるとこですか?

 あ、全部ですね。そうだよね。

 「あれは好きな人でも怖いですよ。怖いけど楽しいんですけどね。」
 
 ちょっともう少し高さを抑えようというところで次はスカイサイクルに乗った。
 これ2人用だしカップル専用機?
 ペダルで漕いで進んでいく。いや、この高さでも充分怖いですよ。

 その後も冒険カートに乗って、レインボータウンで昔懐かしいゲームをして
 ファーム鉄道に乗って、池のボートを漕いでいる。←今ココ
 
 「これ、カップル定番てやつじゃない?」

 「そそそ、そうですね。やっぱり周りからはそう見えますかね。」

 「場合によっては夫婦に見えてるかも。」
 なんか俺壊れてます。さっきからセリフがおかしいです。カワセミのせいかー
 そういや生きて帰ったら結婚の約束するんだーとか言っちゃったぞー
 それフラグな。

 恥ずかしさで友紀さん漕げなくなっちゃった。失敗。

 でも全体的に笑顔でいて貰えて良かった。

 「さぁカワセミリベ……って長蛇だね。2時間待ちになってる。」

 「流石に2時間は待てないですね。動物園側もありますし。風車乗りましょう。遊園地の定番観覧車です。」

 エマさんのチーズ風車はそんなに待たずに乗れた。

 これがえちぃ人だと観覧車でよからぬことするんでしょうねーあのえろ同人誌みたいにっ
 
 注:作者の昔の同人誌でそんな事してます。

 「観覧車って単純に高いしゆっくりだから余計怖く感じる。あ、さっき乗ったやつだ。」

 観覧車からはいろいろなアトラクションが見える。

 「あーよおく目を凝らすと、かつて住んでた幸手団地が見えるなー。」  
 
 友紀さんが隣に移動してきてどれ?という感じで尋ねてくる。
 「あの白っぽい団地。あれの1街区で一番高野台の駅に近い側の棟に昔は住んでたんだよね。」
 知らない人には伝わりません。なんでしょう、ググれってやつです。

 「へー。やっぱり世間は狭いですね。って高いから見えるだけなのかもしてないですけど。」
 って近い近いよ友紀さん。ほっぺた付いちゃいますよ。
 友紀さんが窓側から顔を戻した時、触れてしまう寸前だった。
 どこがとは言わないけど。

 「あぁぁ」
 ほらー語彙力なくなっちゃったよ。でもこれ誰のせいでもない。
 もう少しでちっすするとこでしたよ、不意打ちちっす。

 観覧車も折り返しに入ると、ふと自分の手に友紀さんの手が重なってきた。
 こういうのは普通男が重ねるもんだよね?
 でも出来ないわけがあるんだ。
  
 今更だけどね、友紀さんの私服で初めて短めのスカートなんだよ。
 腿丈くらいのスカートなんだよ。
 これまではロングスカートかズボンだったんだよ。
 それが腿までのスカート(赤)って……女子高生かよって。
 タイツとかオーバーニーソ(白)とか萌死ですか?きゅん死ですか?って域なんですよ。
 多分ブロンズパロットをイメージしてるよね。ハイ正解。
 俺が手を重ねるとスカートの裾あたりになってしまって、とてつもなくヤバいんだよ。
 
 それからというもの、お互いに緊張しちゃって観覧車がゴール地点にくるまで言葉が出てこなかったよ。
 どんな初心やねんて話だよ。

 ゴール地点に来ると、そのまま手を重ねたまま…からの、手を握って友紀さんをエスコートして観覧車から降りる事になった。。 


☆☆☆

 「そろそろお昼にする?」
 時刻は12時を少し回ったくらい。ちょうど混んでる時間態ではあるけれど、遊園地側から動物園側に行く前に食事はちょうど良い。
 
 「あの、私サンドウィッチ作ってきました。それにピクニック気分が味わえる公園?的なところ…今乗った観覧車が見えるところにあるウェルカムガーデン?ハートフルガーデン?というところで。」
 確かに観覧車からも見えてました。その庭園的なところ。
 実際シート広げて食べたりくつろいだりしてる人見えたよ。
 
 というわけで、ただいまウェルカムガーデンでレジャーシートを敷き軽食中。
 ミニバッグから水筒も出てきました。あったかい紅茶です。ドイツの紅茶です。
 ロンネフェルトのホルシュタイナーグルッツェですよ。フルーツハーブティーです。
 濃厚なワインカラーです。

 サンドウィッチに合うかって?
 友紀さんが作ったんだぞ、合う合わないじゃあないんだ。
 美味い、それで良い。

 「美味い。ハーブティは落ち着くね。でもロンネフェルトは意外だったよ。」

 「そうですか?私結構通販するので…」

 食べると眠くなってくるのはなぜでしょうね。せっかくのデート?なのに。

 ここで膝枕とか考えてる人、甘いな。あれは正確には腿枕だ、太腿枕だ。
 残念ながら今日はダメだ、だって寝ちゃったら楽しめないじゃん。いい思い出の一つにはなるかもしれないけど。
 と、思ったんだけど友紀さんがパンパンと腿を叩いてます。

 「あ、あの…良いですよ?膝枕。一度はやってみたかったですし。」
 なんとまさかの友紀さんからのお誘い。やっぱり一昨日から大胆になってるよね。

 「良いの?」
 こくこくと首を縦に二度振った。
 「では…お言葉に甘えて。」

 流石に顔は友紀さんの身体と反対側にしたよ?
 「気持ち良いですか?」
 と聞かれたので
 
 「気持ちいい。凄く安らぐ。」
 と言ったら段々睡魔が強くなってきた。
 友紀さんが何か言ってたけど、聞き取れないまま夢の中へ、夢の中へ行ってみたいと思いませんか~うふっふ~と言う間もなく眠ってしまった。
 目を瞑る前に最後に見た友紀さんは真っ赤だったけど…頭に置かれた左手が気持ち良くて眠る方を優先させていた。



 「一時~一時~朝ごはん食べて学校いくよ~」
 という目覚まし着信音で俺と友紀さんは起きた。
 はい、二人とも転寝してました。

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