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2>>姉に仕返しする妹

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 マリリンはマリリンで、姉が自分を哀れんでいる様でいて実は馬鹿にしている事を理解したので、今度は姉と同じ物を持つ事を嫌がった。

 そしてその腹いせに外で会った人に

「あたくし、お姉様のお下がりばかり持たされるの!!」

「あたくしの持ち物は全部お姉様のお古なの! あたくしだけに与えられた物なんてないわ!!」

 と訴えた。

 マリリンとしては、『意地悪な姉に虐げられる妹』のつもりで発言していたが、当然周りはそうは思わない。

 当たり前だが、マリリンに物を買い与えているのは姉ではなく両親だ。
 マリリンが「姉がお古を~」と言ったところで、聞いた者たちは

『この子の親は姉を優遇して妹にまともに物を買ってやらないのか』

『妹には姉のお古だけなんて……貧乏なのかしら?』

と思った。
 カリンナとマリリンの家は伯爵家で貧乏ではない。どちらかというと儲けている方の伯爵家だ。

 マリリンの発言に困ったのは当然、姉ではなく両親だった。

 母は会う人会う人に「子供に差をつけていない」「姉の物を欲しがったのは妹の方」だと伝えた。
 父も会う人会う人に「ウチは貧乏ではない」「事業は上手くいっている」「妹が姉の物を欲しがる」と伝えた。

 その努力も実り、カリンナとマリリンの家、ドーシュ伯爵家の周りからの印象は
『姉の物を欲しがる妹をまともに躾けられない家』
というものになった。

 両親は心底思った。

『マリリンが最初にカリンナの物を欲しがった時にちゃんと駄目だと叱るんだった!!』

 ……と。



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