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二章 バンハムーバ復興作戦
8 話し合いに非ず
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1・
俺がクリスタで目覚めてから、二日後。
どこの誰だか知らないものの、話し合いをすべき存在が訪れる予定の日の朝を迎えた。
キャニオンローズ号が朝に帰って来るというので、連れて来てくれるのかと待ち構えてみたものの、彼らはフィルのお使いで近所に買い物に出ていただけだった。お客様など連れていない。
別の方向からも来る気配が無いので、フィルが指定した宇宙空域に行ってみたら通りかかった船が持っていたという苗木を数本受け取り、小屋から適度に離れた場所に植えてみた。
これも先に植えられた球根と同じく、毒に強くてバンハムーバ母星に元々あったという種類だ。
きっと本格的に移住計画が実行される時、率先して植えられるものだろう。
その最初の一本を自分が植樹できて嬉しくて、少しテンションが上がった。
なので、なにも無い近辺を仮に首都と設定し、海に近い辺りに龍神の中央神殿を置き、その隣に神官宿舎などの政府機関を置くという設定を生み出していった。
お使いが終わって暇らしいキャニオンローズ号の一部の面々も参加してくれ、中央神殿の前にある広場はあの辺りまでとか決めてくれたり、遠くに見える山の麓が方角的にバンハムーバ王家の方々の暮らすお城の建設予定地になるとか考えてくれた。
最初の宇宙港はあの方角で、宇宙軍の基地が近所にあって……と、未来の記憶を呼び起こして考えてみると、他のみんなが楽しんでくれたから俺も楽しく振る舞っていれる。
こうして不思議な事に、つい先日ユールレム王家の血を巡って決別したばかりの筈が、フィルというポドールイ人を挟むことで元通りに近い関係に戻れている。
それだけ、宇宙文明内でのポドールイ人の信頼度は高い。それこそ、予言能力を頼ってきた人が助言が貰えずに追い返されたとしても、その原因が自分にあるからだと納得して帰っていく程の威力がある。
本来なら、バンハムーバの龍神の力を持ち逃げしている途中のユールレム王家ゆかりの者との付き合いは厳しいものがあると思うんだけれど。
フィルに雇われる事で、ビデオカメラで一緒にいるところを撮影されても良いぐらい、彼らの中で何かの変化……事情ができたんだろうか。
それを質問してとんでもない答えが返ってきたら嫌なので、せめて今は気付いていない振りをして過ごしたい。
お客との話し合いとやらが終わるまでは、休日みたいな緩さを満喫したい。
だから、お客様が来るのを若干忘れつつも、しばらくのあいだ宇宙服着用の面々と広々とした小屋の周辺をぶらついて歩いた。
毒があるだけで、十分な水が存在しているしある程度は肥えた大地がある。その毒さえ抜ければ誰だって移住したいだろう豊かな土地を前に、今日もポプリとルッコラが花壇の作成に勤しんでいる。
その姿を、少し離れた地点に着陸しているキャニオンローズ号の前から、きっとローザ船長だろう存在が眺めている。
宇宙服着用では動きにくいのかもしれないが、彼女もガーデニングすればいいのにと思いつつ近付いて行こうとすると、唐突に何かがやって来る気配がした。
小屋をみると、彼も宇宙服が無くても少しは平気なのか、フィルが玄関から出てきて比較的傍にいる幾人かに手招きをした。
フィルが彼らに何か用なのかと普通に考えてしまったところで、突然に起こった強風に驚いて身構え、先ほどまでそこになかった巨大な影を睨み付けた。
なんて無謀な事か、人が傍にいるというのに宇宙船が一機ワープ使用で地表に着陸した。
普通こんな事をすれば地表に衝突して機体が大破し、乗務員全員死亡となるが、無事に着陸できてしまった運転手の腕前には驚くばかりだ。
ただ、赤い船体に天秤の紋章を発見し、その思いも納得に変化した。
ポドールイ族の旗印としても使われる紋章は、常に穏健派のポドールイ王の下を一度は去った武闘派のポドールイ人たちも使用している。
彼らはカート商会を立ち上げ、予言能力を最大限に駆使して宇宙文明内で活躍して大金持ちになり、一度はバンハムーバの代わりにユールレムと共に宇宙文明の二大実力国にまでのし上がったが。
己の能力を過信してユールレムに喧嘩を売り、第三次宇宙戦争を始めてしまったものの、結局は負けてズタボロになるまで力を奪われた。
その後、ポドールイ王の下に戻ってその足になることで、本来の商会としての仕事を維持しているはず……で。
そのカート商会の船だとしたら、強引な着陸も彼らの予知能力で安全確保して行われたものと思える。だけど小屋や人に近すぎて危険じゃないかと思い、文句言ってやるつもりで船に近付いた。
カート商会の船のタラップが自動で設置され、昇降口が開いて人が数人降りてきた。
海老茶色のコートを身にまとう黒髪の格好いい男が、笑顔で俺に近付いてくる。
彼らが仕事で誰かを連れて来てくれたのかと思い、立ち止まって彼らの様子を観察した。
それなりに近付いたところで、男は銃を取り出して俺の顔に照準を定めた。
普通の銃なら幾度か撃たれても龍神の俺は大丈夫だが、しかしそれでも目を撃たれて脳に損傷を受けた場合の被害がどうなるかは分からない。こいつは、確実に俺の眼に照準を合わせている。
「お前が、ユールレム生まれのポドールイ人でありながら、バンハムーバの龍神でもある男か?」
全く友好的ではない態度と口調に驚き、返事できずにフィルの方を見た。
彼には誰も銃を向けていないが、キャニオンローズ号の幾人かが俺と同じように狙われている。
瞬間移動で俺が逃げられても、彼らは別の誰かを犠牲にする気配を持っている。
この状況に、フィルはただ申し訳なさげに俺を見ている。意味が分からない。
「何? お前ら、なにしに来た?」
思わず出た言葉がそれだった。
「俺たちは一応ポドールイ人の端くれだが、宇宙に出て海賊になった者だ。お前だけでいいから、一緒に来てもらいたい。大人しく従えば、誰も傷つかないぞ」
男は優位性をよく承知している勝者の余裕を持ち、笑顔のまま答えてくれた。
俺はもう一度フィルを見た。ウンともスンとも言わないし、動きもしない。
カート商会の男を見た。
明らかに、これは話し合いじゃない。脅して誘拐しようとしているところだ。
もう一度、しつこいようだがフィルを見た。少し困っている。
「いやあのなあ……状況が分からない?」
俺が思わず呟くと、男は少し笑った。
「突然過ぎて理解が追いつかないのか? あれだけ派手にバンハムーバの龍神に喧嘩売ってる割に、悠長すぎんじゃねえのか。お前は馬鹿か」
「何だと」
言われてはないが仲間がよく思っていそうな単語に反応してしまったものの、主導権があちらにあるので下手に動けない。
「悪いが、誰が依頼主か教えてくれ。いや、どの勢力かでいい。その答え次第で、普通について行く」
「ああ、ユールレムだ。普通について来るつもりはないだろう?」
「……」
俺がポドールイ人だっていうネタは、宇宙空間でキャニオンローズ号を襲ったどこかの軍人に言ったことだ。彼らはユールレム所属じゃないにしろ、情報は売ったか奪われたかしたんだろう。
それとも、カート商会の手先が混じっていたのかもしれない。
「どうして、俺を連れて行く?」
「そりゃあ、ポドールイ人といっても同じ血なんだから、ユールレム王家ゆかりの者と言い換えられるだろう? お前がいれば、穏便に宇宙統一がなし得るんだ。平和主義者なら、戦争起こすよりもこっちの作戦が良いだろう?」
「……さっき俺が龍神に喧嘩売ってること知ってたよな? じゃあ俺がポドールイ人じゃないのも、知ってるんじゃないのか」
「ユールレム人の方が嬉しい、ぐらいの差でしかない。それに、ユールレムの蛇なんだったら、どっちだってかまうもんか」
それは、彼自身が能力で探り出した情報だろうか。既に、それが真実であると知っている目付きで俺を睨んでくる。
「で、答えは?」
「統一した方が、後に独立したがるバンハムーバとの間で争いが起こる確率が高い。今のままお互いが二強であり続けつつも、平和的関係を模索する方が宇宙戦争は起こらない」
「そうか。まあそれが真実としたって……お前は望めば、歴史上初めて、同時に二つの種族の王になれる立場なんだぞ。その稀有な宝を生かさず、ただ殺すのか」
同時にと言われて、今まで一度も考えたことなかった事だから驚いた。
ユールレムの蛇としてホルンたちに拾われてからずっと、周囲から望まれたのはどちらかの権力者になることで、二つ同時などという大胆な選択肢はこれっぽっちも見当たらなかった。
でも言われてみれば確かに、どちらにも王や龍神がいない場合は、兼業でも大丈夫な血筋だ。
改めて考えてみたら、物凄くレアだ。
厄介だとしか思ってなかった血筋だが、輝くぐらい魅力的じゃないか。
俺が思わず考え込むと、彼は銃を下ろした。
「俺たちと一緒に来い。お前を、相応しい地位の者にしてやる」
「……嫌だ。行かない」
「何故だ? お前は馬鹿すぎて、自分の血がどれだけ貴重か分からないのか」
「分かる。でもユールレムには行かないし、関与されたくもない。俺はバンハムーバの為に生きて死ぬ。それ以外の未来を望まない」
「だから、それが分かってないってんだよ! お前は生まれながらに支配者なんだから、ありがたく旨みを吸って生きろよ。俺たちと違って、お前は恵まれてんだからなあ!」
彼は俺を見据え、再び銃を構えた。生まれや立場からくる重圧や苦しみが、彼の目の中にあるのが分かる。
それは彼の人生であり、自分が同情したからといって根本から改善するものではない。だけどそんなに辛そうにされると、何と言って良いか分からないし、どう行動すべきかもすぐ決められない。
俺が躊躇すると、彼は俺の腕を掴もうとした。
けれど本当に掴む前に止め、素早く身を引いて別の方に銃口を向けた。
俺の傍にフィルが立っていて、真剣な眼差しをカート商会の彼に向けている。
「レヴァン。エリック様を連れて行った報酬になにを貰えるのか、教えて差し上げればどうですか」
フィルが言うと、彼……レヴァンはフィルを小馬鹿にした笑みを見せて銃口を下ろした。
「結局、お前ですら報酬目当てか? こんな辺境で一から植民地を作ったとしても、そう簡単に発展する訳がないんだしな」
レヴァンは、抑圧された者のやるせなさを感じさせつつ、俺を睨んだ。
「お前をユールレムに連れて行けば、既に発展した星の一つをポドールイに丸ごと譲って貰えることになった。住民のユールレム人の民を支配していいと、そう契約した。お前を連れて行くだけで、俺たちはかつての権力の一部を取り戻せる。だから、フィル王ですらお前を売ったんだ。万民主義者で博愛主義者だとしても、ポドールイの王である以上は、己の民の利益を第一にしなきゃならないんだからなあ」
「え……?」
フィルは、客の正体を俺に教えてくれなかったし、話し合いとしか言わなかった。それは、俺を油断させて確実に攫わせる為の作戦だったのか?
フィルを見ても、彼はただ真顔で黙っているだけだ。
「お前には味方なんかいない。だから、ユールレムに渡ってやり直せ。それがお前の為だし、俺たちの為にもなる」
レヴァンの声色が優しくなった。彼は、利用された俺に同情しているのか。
「いや……それは、だから、新しく手に入れた星で、ポドールイ人の星国を作るという意味だよな?」
「ああ。ユールレムは、お前のような貴重な逸材を手に入れる為に必死なんだ。星の一つを手放したって、惜しくないらしい。それぐらい、向こうはお前を大事にしてくれるぞ」
「それは、知ってる。俺も、ユールレムに友人がいる。だから敵対したくない。だけどこれは……」
本当に俺を騙したのか確認したくて、フィルを睨んだ。その彼は悲しげで静かな目をしていて、全てに諦めを持っているかのように透き通った存在感がある。
それは俺を騙した罪悪感ではない。過去も未来も全てを見通すポドールイ王の目そのものだ。つまり、彼は……既に知っているんだ。
俺は、かつてホルンと話し合ったポドールイ人の未来について思い出した。彼ら一族の事情は、とても悲しくて受け入れたくない。それをフィルも知っていて、だからなにも言えずに突っ立っているだけなんだ。
三日連続で泣いたのなんか、生まれて初めてだ。実の父に虐待されてた前世でも、なかったんじゃないかと思う。
俺が流した大粒の涙が、地面に落ちて吸収されていく。
そんな俺に、レヴァンが言う。
「理解できたか? なら、一緒に来い」
「違う。そうじゃない」
「何?」
「フィルは俺を騙してないし、売ってもない。彼は、そっちが星を手に入れても、作戦が無駄に終わると知ってるんだ。だから、憐れんでいるだけだ」
「俺たちが、ユールレムに騙されているというのか」
「それも違う。俺を連れて行けば星を入手できるだろうし、そこの王族にだってなれるだろう。それに一万年以上、統治できるかもしれない」
「……それは、いい話じゃないか?」
「根本から間違ってる。星の王になろうが、ファルクスで地味に生き長らえようが、どっちもその先は同じだと言ってるんだ。ポドールイ人はお人好しで、自分のことより他人優先だ。そして強すぎる力があるから他に遠慮して前に出られないし、長生きし過ぎて世の中の全てに飽きて、感情を失いやすい」
ホルンと、公園のベンチに座って語った時のことを思い出す。
「それに加えて変なところでシャイで、あまり結婚しないで子供が少ないだろう? 将来、純粋なポドールイ人はいなくなり、その血は薄れ、国と土地も失い、ユールレム人の中に消えていくだろう。ここで星を手に入れても、そんな物理的報酬で滅びが回避できる訳じゃない。ポドールイ人は、滅びるんだ」
「……言いたいことは分かったが、でも一万年以上の猶予があるんだろ? その間に、貰った星で少子化問題の解消をすれば良いだけだ。そうすりゃ、俺たちは滅びない」
「あ?」
俺は、レヴァンの言葉に思わず切れた。
「子供を作るのに星が必要な訳が無いだろ! それに一万年以上の猶予があるって、そんな悠長なこと言ってるから、問題を先送りして結婚しないでいて、結局ポドールイ人が減ってくんだよ! そんでもって、もう滅びそうだけど、本当に滅びるまでは他の種族の人たちを助けて生きがいにしたいみたいなこと言いやがって、なに格好つけてんだ! いい加減、他の種族にすがって生きようとするな! 他人より先に、自分を救いやがれ!」
できるなら、未来に帰ってホルンに向かって叫びたい。
「国が無くなる一万年後じゃあもう手遅れっぽいけど、今ならまだ間に合う! ここにいるポドールイ人は全員が、百人以上の子供を作れ! あ、女子はキツいから男子だけで良いけどな!」
「おい、話が思い切りズレてるぞ」
「ズレてない! 新しい星なんて後まわしにして、まずファルクスをポドールイ人でいっぱいにしてみろってんだ! そしたら、いつかやって来る移住者たちに負けないで、ポドールイ族は維持できるぞ! それこそ、本当に選ぶべき未来じゃないのか!」
思い切り叫び過ぎた俺は、軽く混乱してきたような気がした。
「お前らのことなんか、もう知らん! 好きに滅んでろ!」
俺は感極まって思い切り泣きながら龍神に変身し、クリスタの大地の中に潜り込んで遠くまで泳いでいき、スネた。
俺がクリスタで目覚めてから、二日後。
どこの誰だか知らないものの、話し合いをすべき存在が訪れる予定の日の朝を迎えた。
キャニオンローズ号が朝に帰って来るというので、連れて来てくれるのかと待ち構えてみたものの、彼らはフィルのお使いで近所に買い物に出ていただけだった。お客様など連れていない。
別の方向からも来る気配が無いので、フィルが指定した宇宙空域に行ってみたら通りかかった船が持っていたという苗木を数本受け取り、小屋から適度に離れた場所に植えてみた。
これも先に植えられた球根と同じく、毒に強くてバンハムーバ母星に元々あったという種類だ。
きっと本格的に移住計画が実行される時、率先して植えられるものだろう。
その最初の一本を自分が植樹できて嬉しくて、少しテンションが上がった。
なので、なにも無い近辺を仮に首都と設定し、海に近い辺りに龍神の中央神殿を置き、その隣に神官宿舎などの政府機関を置くという設定を生み出していった。
お使いが終わって暇らしいキャニオンローズ号の一部の面々も参加してくれ、中央神殿の前にある広場はあの辺りまでとか決めてくれたり、遠くに見える山の麓が方角的にバンハムーバ王家の方々の暮らすお城の建設予定地になるとか考えてくれた。
最初の宇宙港はあの方角で、宇宙軍の基地が近所にあって……と、未来の記憶を呼び起こして考えてみると、他のみんなが楽しんでくれたから俺も楽しく振る舞っていれる。
こうして不思議な事に、つい先日ユールレム王家の血を巡って決別したばかりの筈が、フィルというポドールイ人を挟むことで元通りに近い関係に戻れている。
それだけ、宇宙文明内でのポドールイ人の信頼度は高い。それこそ、予言能力を頼ってきた人が助言が貰えずに追い返されたとしても、その原因が自分にあるからだと納得して帰っていく程の威力がある。
本来なら、バンハムーバの龍神の力を持ち逃げしている途中のユールレム王家ゆかりの者との付き合いは厳しいものがあると思うんだけれど。
フィルに雇われる事で、ビデオカメラで一緒にいるところを撮影されても良いぐらい、彼らの中で何かの変化……事情ができたんだろうか。
それを質問してとんでもない答えが返ってきたら嫌なので、せめて今は気付いていない振りをして過ごしたい。
お客との話し合いとやらが終わるまでは、休日みたいな緩さを満喫したい。
だから、お客様が来るのを若干忘れつつも、しばらくのあいだ宇宙服着用の面々と広々とした小屋の周辺をぶらついて歩いた。
毒があるだけで、十分な水が存在しているしある程度は肥えた大地がある。その毒さえ抜ければ誰だって移住したいだろう豊かな土地を前に、今日もポプリとルッコラが花壇の作成に勤しんでいる。
その姿を、少し離れた地点に着陸しているキャニオンローズ号の前から、きっとローザ船長だろう存在が眺めている。
宇宙服着用では動きにくいのかもしれないが、彼女もガーデニングすればいいのにと思いつつ近付いて行こうとすると、唐突に何かがやって来る気配がした。
小屋をみると、彼も宇宙服が無くても少しは平気なのか、フィルが玄関から出てきて比較的傍にいる幾人かに手招きをした。
フィルが彼らに何か用なのかと普通に考えてしまったところで、突然に起こった強風に驚いて身構え、先ほどまでそこになかった巨大な影を睨み付けた。
なんて無謀な事か、人が傍にいるというのに宇宙船が一機ワープ使用で地表に着陸した。
普通こんな事をすれば地表に衝突して機体が大破し、乗務員全員死亡となるが、無事に着陸できてしまった運転手の腕前には驚くばかりだ。
ただ、赤い船体に天秤の紋章を発見し、その思いも納得に変化した。
ポドールイ族の旗印としても使われる紋章は、常に穏健派のポドールイ王の下を一度は去った武闘派のポドールイ人たちも使用している。
彼らはカート商会を立ち上げ、予言能力を最大限に駆使して宇宙文明内で活躍して大金持ちになり、一度はバンハムーバの代わりにユールレムと共に宇宙文明の二大実力国にまでのし上がったが。
己の能力を過信してユールレムに喧嘩を売り、第三次宇宙戦争を始めてしまったものの、結局は負けてズタボロになるまで力を奪われた。
その後、ポドールイ王の下に戻ってその足になることで、本来の商会としての仕事を維持しているはず……で。
そのカート商会の船だとしたら、強引な着陸も彼らの予知能力で安全確保して行われたものと思える。だけど小屋や人に近すぎて危険じゃないかと思い、文句言ってやるつもりで船に近付いた。
カート商会の船のタラップが自動で設置され、昇降口が開いて人が数人降りてきた。
海老茶色のコートを身にまとう黒髪の格好いい男が、笑顔で俺に近付いてくる。
彼らが仕事で誰かを連れて来てくれたのかと思い、立ち止まって彼らの様子を観察した。
それなりに近付いたところで、男は銃を取り出して俺の顔に照準を定めた。
普通の銃なら幾度か撃たれても龍神の俺は大丈夫だが、しかしそれでも目を撃たれて脳に損傷を受けた場合の被害がどうなるかは分からない。こいつは、確実に俺の眼に照準を合わせている。
「お前が、ユールレム生まれのポドールイ人でありながら、バンハムーバの龍神でもある男か?」
全く友好的ではない態度と口調に驚き、返事できずにフィルの方を見た。
彼には誰も銃を向けていないが、キャニオンローズ号の幾人かが俺と同じように狙われている。
瞬間移動で俺が逃げられても、彼らは別の誰かを犠牲にする気配を持っている。
この状況に、フィルはただ申し訳なさげに俺を見ている。意味が分からない。
「何? お前ら、なにしに来た?」
思わず出た言葉がそれだった。
「俺たちは一応ポドールイ人の端くれだが、宇宙に出て海賊になった者だ。お前だけでいいから、一緒に来てもらいたい。大人しく従えば、誰も傷つかないぞ」
男は優位性をよく承知している勝者の余裕を持ち、笑顔のまま答えてくれた。
俺はもう一度フィルを見た。ウンともスンとも言わないし、動きもしない。
カート商会の男を見た。
明らかに、これは話し合いじゃない。脅して誘拐しようとしているところだ。
もう一度、しつこいようだがフィルを見た。少し困っている。
「いやあのなあ……状況が分からない?」
俺が思わず呟くと、男は少し笑った。
「突然過ぎて理解が追いつかないのか? あれだけ派手にバンハムーバの龍神に喧嘩売ってる割に、悠長すぎんじゃねえのか。お前は馬鹿か」
「何だと」
言われてはないが仲間がよく思っていそうな単語に反応してしまったものの、主導権があちらにあるので下手に動けない。
「悪いが、誰が依頼主か教えてくれ。いや、どの勢力かでいい。その答え次第で、普通について行く」
「ああ、ユールレムだ。普通について来るつもりはないだろう?」
「……」
俺がポドールイ人だっていうネタは、宇宙空間でキャニオンローズ号を襲ったどこかの軍人に言ったことだ。彼らはユールレム所属じゃないにしろ、情報は売ったか奪われたかしたんだろう。
それとも、カート商会の手先が混じっていたのかもしれない。
「どうして、俺を連れて行く?」
「そりゃあ、ポドールイ人といっても同じ血なんだから、ユールレム王家ゆかりの者と言い換えられるだろう? お前がいれば、穏便に宇宙統一がなし得るんだ。平和主義者なら、戦争起こすよりもこっちの作戦が良いだろう?」
「……さっき俺が龍神に喧嘩売ってること知ってたよな? じゃあ俺がポドールイ人じゃないのも、知ってるんじゃないのか」
「ユールレム人の方が嬉しい、ぐらいの差でしかない。それに、ユールレムの蛇なんだったら、どっちだってかまうもんか」
それは、彼自身が能力で探り出した情報だろうか。既に、それが真実であると知っている目付きで俺を睨んでくる。
「で、答えは?」
「統一した方が、後に独立したがるバンハムーバとの間で争いが起こる確率が高い。今のままお互いが二強であり続けつつも、平和的関係を模索する方が宇宙戦争は起こらない」
「そうか。まあそれが真実としたって……お前は望めば、歴史上初めて、同時に二つの種族の王になれる立場なんだぞ。その稀有な宝を生かさず、ただ殺すのか」
同時にと言われて、今まで一度も考えたことなかった事だから驚いた。
ユールレムの蛇としてホルンたちに拾われてからずっと、周囲から望まれたのはどちらかの権力者になることで、二つ同時などという大胆な選択肢はこれっぽっちも見当たらなかった。
でも言われてみれば確かに、どちらにも王や龍神がいない場合は、兼業でも大丈夫な血筋だ。
改めて考えてみたら、物凄くレアだ。
厄介だとしか思ってなかった血筋だが、輝くぐらい魅力的じゃないか。
俺が思わず考え込むと、彼は銃を下ろした。
「俺たちと一緒に来い。お前を、相応しい地位の者にしてやる」
「……嫌だ。行かない」
「何故だ? お前は馬鹿すぎて、自分の血がどれだけ貴重か分からないのか」
「分かる。でもユールレムには行かないし、関与されたくもない。俺はバンハムーバの為に生きて死ぬ。それ以外の未来を望まない」
「だから、それが分かってないってんだよ! お前は生まれながらに支配者なんだから、ありがたく旨みを吸って生きろよ。俺たちと違って、お前は恵まれてんだからなあ!」
彼は俺を見据え、再び銃を構えた。生まれや立場からくる重圧や苦しみが、彼の目の中にあるのが分かる。
それは彼の人生であり、自分が同情したからといって根本から改善するものではない。だけどそんなに辛そうにされると、何と言って良いか分からないし、どう行動すべきかもすぐ決められない。
俺が躊躇すると、彼は俺の腕を掴もうとした。
けれど本当に掴む前に止め、素早く身を引いて別の方に銃口を向けた。
俺の傍にフィルが立っていて、真剣な眼差しをカート商会の彼に向けている。
「レヴァン。エリック様を連れて行った報酬になにを貰えるのか、教えて差し上げればどうですか」
フィルが言うと、彼……レヴァンはフィルを小馬鹿にした笑みを見せて銃口を下ろした。
「結局、お前ですら報酬目当てか? こんな辺境で一から植民地を作ったとしても、そう簡単に発展する訳がないんだしな」
レヴァンは、抑圧された者のやるせなさを感じさせつつ、俺を睨んだ。
「お前をユールレムに連れて行けば、既に発展した星の一つをポドールイに丸ごと譲って貰えることになった。住民のユールレム人の民を支配していいと、そう契約した。お前を連れて行くだけで、俺たちはかつての権力の一部を取り戻せる。だから、フィル王ですらお前を売ったんだ。万民主義者で博愛主義者だとしても、ポドールイの王である以上は、己の民の利益を第一にしなきゃならないんだからなあ」
「え……?」
フィルは、客の正体を俺に教えてくれなかったし、話し合いとしか言わなかった。それは、俺を油断させて確実に攫わせる為の作戦だったのか?
フィルを見ても、彼はただ真顔で黙っているだけだ。
「お前には味方なんかいない。だから、ユールレムに渡ってやり直せ。それがお前の為だし、俺たちの為にもなる」
レヴァンの声色が優しくなった。彼は、利用された俺に同情しているのか。
「いや……それは、だから、新しく手に入れた星で、ポドールイ人の星国を作るという意味だよな?」
「ああ。ユールレムは、お前のような貴重な逸材を手に入れる為に必死なんだ。星の一つを手放したって、惜しくないらしい。それぐらい、向こうはお前を大事にしてくれるぞ」
「それは、知ってる。俺も、ユールレムに友人がいる。だから敵対したくない。だけどこれは……」
本当に俺を騙したのか確認したくて、フィルを睨んだ。その彼は悲しげで静かな目をしていて、全てに諦めを持っているかのように透き通った存在感がある。
それは俺を騙した罪悪感ではない。過去も未来も全てを見通すポドールイ王の目そのものだ。つまり、彼は……既に知っているんだ。
俺は、かつてホルンと話し合ったポドールイ人の未来について思い出した。彼ら一族の事情は、とても悲しくて受け入れたくない。それをフィルも知っていて、だからなにも言えずに突っ立っているだけなんだ。
三日連続で泣いたのなんか、生まれて初めてだ。実の父に虐待されてた前世でも、なかったんじゃないかと思う。
俺が流した大粒の涙が、地面に落ちて吸収されていく。
そんな俺に、レヴァンが言う。
「理解できたか? なら、一緒に来い」
「違う。そうじゃない」
「何?」
「フィルは俺を騙してないし、売ってもない。彼は、そっちが星を手に入れても、作戦が無駄に終わると知ってるんだ。だから、憐れんでいるだけだ」
「俺たちが、ユールレムに騙されているというのか」
「それも違う。俺を連れて行けば星を入手できるだろうし、そこの王族にだってなれるだろう。それに一万年以上、統治できるかもしれない」
「……それは、いい話じゃないか?」
「根本から間違ってる。星の王になろうが、ファルクスで地味に生き長らえようが、どっちもその先は同じだと言ってるんだ。ポドールイ人はお人好しで、自分のことより他人優先だ。そして強すぎる力があるから他に遠慮して前に出られないし、長生きし過ぎて世の中の全てに飽きて、感情を失いやすい」
ホルンと、公園のベンチに座って語った時のことを思い出す。
「それに加えて変なところでシャイで、あまり結婚しないで子供が少ないだろう? 将来、純粋なポドールイ人はいなくなり、その血は薄れ、国と土地も失い、ユールレム人の中に消えていくだろう。ここで星を手に入れても、そんな物理的報酬で滅びが回避できる訳じゃない。ポドールイ人は、滅びるんだ」
「……言いたいことは分かったが、でも一万年以上の猶予があるんだろ? その間に、貰った星で少子化問題の解消をすれば良いだけだ。そうすりゃ、俺たちは滅びない」
「あ?」
俺は、レヴァンの言葉に思わず切れた。
「子供を作るのに星が必要な訳が無いだろ! それに一万年以上の猶予があるって、そんな悠長なこと言ってるから、問題を先送りして結婚しないでいて、結局ポドールイ人が減ってくんだよ! そんでもって、もう滅びそうだけど、本当に滅びるまでは他の種族の人たちを助けて生きがいにしたいみたいなこと言いやがって、なに格好つけてんだ! いい加減、他の種族にすがって生きようとするな! 他人より先に、自分を救いやがれ!」
できるなら、未来に帰ってホルンに向かって叫びたい。
「国が無くなる一万年後じゃあもう手遅れっぽいけど、今ならまだ間に合う! ここにいるポドールイ人は全員が、百人以上の子供を作れ! あ、女子はキツいから男子だけで良いけどな!」
「おい、話が思い切りズレてるぞ」
「ズレてない! 新しい星なんて後まわしにして、まずファルクスをポドールイ人でいっぱいにしてみろってんだ! そしたら、いつかやって来る移住者たちに負けないで、ポドールイ族は維持できるぞ! それこそ、本当に選ぶべき未来じゃないのか!」
思い切り叫び過ぎた俺は、軽く混乱してきたような気がした。
「お前らのことなんか、もう知らん! 好きに滅んでろ!」
俺は感極まって思い切り泣きながら龍神に変身し、クリスタの大地の中に潜り込んで遠くまで泳いでいき、スネた。
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忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
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