4 / 29
一章 滅びゆく定め
3 宇宙船キャニオンローズ
しおりを挟む
1・
瓦礫に隠れて町中に着陸していたグレーピンク色の宇宙船キャニオンローズは、小型と中型の間ぐらいの微妙な大きさがあった。
素早さがなく防御力も無いかもしれない船でよく宇宙海賊をやっていると思ったが、そこは素人には分からない事情がきっとあるのだろう。
だから、何も突っ込み入れなかった。
そこに到着してまず、宇宙船の外でピッピを押収された。
普通だったら暴れたが、ピッピをさらっていったのが船の機関士の少女だったので、とりあえずの世話を任せるという意味で預けておいた。食事もくれるらしいし。
次に持ち物検査された。俺は何も持っていないと思い込んでいたが、革ベルトに最初からついていたポーチの中に、十グラムの金の延べ棒が三つ入っていた。
きっと、俺を追放するにしろすぐに死なれたくないカシミアの好意だろう。
それを引き渡して正式に、どこかの星まで連れて行ってもらえることになった。
とりあえず、お客として宇宙船に乗ることができたから良かった。
しかし部屋の余りがないとかで、連れて行かれたのが物置だった。
仕方がないので掃除道具の横に置かれた椅子に座ってぼんやりしていると、突然に船を揺らす衝撃が襲ってきて驚いた。
物置を飛び出して窓から外を見ると、空に宇宙船が一隻あって、遠慮なく連続砲撃してくるところだった。
危険を察知した俺はほぼ無意識でバンハムーバの龍神の力を操り、遠隔操作で星から青白いエネルギー流れを汲み上げて船を守る盾にした。
即興で作った盾にしては丈夫だったみたいで、この船自体のバリア機能も含めて船体に損傷はなかったようだ。
そうして砲撃を乗り越えた後、すぐにこちらの船が発進した。
いきなり全速力で地上から飛び立つなんて通常じゃあり得ないものの、躊躇したら死ねる状況だから普通といえば普通か。
船はあっという間に宇宙に出て行き、敵の方は追いかけてこなかった。
小さな窓から、宇宙空間を確認した。
青くて美しい海が自慢のバンハムーバの星に、その海の姿がない。ギラギラ輝く恒星にさらされ、水蒸気となり宇宙に放出されたのかもしれない。
当たり前ながら、既に自然界は崩壊している。バンハムーバを引っ越す時に全ての生物と植物のサンプルを持ち出して、別の星で育てていたと習った。
それらを里帰りさせることで、二千年後にはこの荒れ果てたバンハムーバも元通りに復元されるのだろう。
けれど、母なる星は滅びた。俺の目に、茶色い塊としか映らない。
俺の故郷はルハイドという別の星だが、しかし龍神としてバンハムーバ母星に愛着があった。
だから死体のような姿を見て、思った以上にショックだ。
窓の外のバンハムーバ母星は、どんどんと小さくなっていく。船はこのまま、別の安全な星に渡るのだろうか。
……そういえば、ピッピは無事なのか。確認しないといけない。
誰かが呼び止めてきたように感じたが、機関室に行けば会えるかもしれないと思って、ピッピを呼びつつそちら方面に突き進んでいった。
船の構造的に、そこが機関室かと思えた場所に入ってみると、突然襲いかかられた。
棒状の何かで素早く打ちかかってきたそいつの腕をカウンターで掴み、引くと同時に軽く足を蹴って床に転がした。
攻撃の鋭さから、かなりの手練の者と思う。けれど、龍神として怪力などの身体能力向上効果を持つ化け物レベルの俺にとっては、強敵ではない。
バンハムーバ人の金髪に青い目を持つ体格の良い女性は、転がされてもすぐに飛び起き、槍を握り直してまた攻撃を仕掛けようとしてきた。
「うわっ! 済まない、ごめん! ただ俺は猫を探してるんだ!」
両手を挙げて敵意がないことを示し、どうにか許してもらおうとした。
すると、目の前で槍が止まってくれた。
そして背後で、猫の鳴き声がした。
「ピッピちゃん、無事か!」
俺は笑顔で振り向き、ピッピを抱き締めている機関士の少女に飛び付いた。
猫を返してもらいたいだけなのだが、少女が怯えて悲鳴を上げた。
再び背後からの攻撃を感知したので、素早く振り向きざまに槍の穂先を受け止めてねじり取り、床に投げ捨てた。
槍は砕けて折れてしまった。体勢を崩した彼女が倒れそうになったから、ちゃんと受け止めてあげた。
「マジですまん。怪我はないか?」
一流の戦士だろうが美人である彼女を気遣ったものの、彼女は返事をせず無表情で俺から離れて壊れた槍を見た。
「えーと、弁償してあげたいけど、俺って無一文なんだ。許してくれ」
「おいちょっと」
廊下から呼びかけられたので、振り向いた。知らない顔の中に、あの童顔の男がいる。
「それは一体、どうやって破壊した?」
「あ……の、俺は身体能力向上魔法を学ぶ学生だったんだ。卒業してすぐこっちに来て……あの場所に捨てられた」
とりあえず簡単に説明してみた。
聞いた全員が不思議そうな表情をしたが、これからずっと取り引きがある彼らじゃないから、それ以上は教えない。
「髪の毛が長いし、やっぱり上級魔術師なんだな? 向こうに訓練室があるんだが、手合わせしてくれないか」
「ええ? いやそれよりピッピを返してくれ」
そう言うと、童顔男はピッピの前に立ち塞がった。
「返してほしくば、俺と手合わせしろ!」
「なんだよもう。俺は客だろが! そう言うなら金返せよ!」
「俺に一回勝ったら一本返すぞ」
「……よし、乗った」
無一文にとり、背に腹はかえられない。
本当は魔法を使っていないことは、本職の魔術師が見れば分かってしまう事だろう。けれども安易に正体をさらしたくないので、嘘を貫き通す。
訓練室に移動して童顔男イージスと戦ってみた結果、彼の戦い方が国際連合軍で教育を受けたもののように感じた。
基本的に綺麗な動きで、無駄がない。どこの地方の癖もない。
だけど無駄がないから俺みたいな存在自体が反則な奴にかかると、どんな武器でかかってこようが力押しで勝利できた。
彼は若いだけあり、まだ経験が足りない。
かく言う俺も若いが、宇宙軍士官学校の在学中に手練の教官たちに色々と教えてもらった経験がある。だからイージスよりは経験値があると思う。
そのイージスに三度勝ったところで、金の返却を希望した。
「ああ。新しい槍を買って渡しておく」
イージスはしれっと言った。まあ、予想はついていたが。
その後、なし崩し的に他の乗組員たちからも手合わせを頼まれたから、金及び物をくれと頼んで戦った。
この船の夜時間がやって来た頃には、小銭だけだがこの時代の現金を入手できていた。とてもありがたい。
2・
風呂を借りることができ、念願のピッピを取り戻して、みんなの好意で食堂のソファーで寝ていいことになった。
夜勤の乗組員がたまに通りかかる以外は静かで薄暗い場所で、ようやく落ち着いて自分の状況を考えられた。
未だに、なぜ自分が過去の世界に送られたのか分からない。
未来を救う為に、単純に俺の存在が邪魔で遠くにやっただけというなら、俺はこの世で何も考えずに好き勝手に生きてもいいだろうが。
けれど、どこだっていいなんて雑な追放をするなら、いちいちポーチに金を隠す事はない。
何かの訳があって、俺は狙ってここに飛ばされたんだろう。
そして完全な仮定だが、未来にいるカシミアたちが頑張ってホルンたちを消さないのではなく、過去の俺が何かして、ホルンたちを消さないようにしなくてはいけないような気がする。
そしてそれは、龍神の俺でしかできない事だ。そうでなけりゃ、大国のトップなんていうややこしい立場の俺以外を、この過去に送り込んだだろうし。
ホルンは準母星クリスタ出身だ。それが生み出される前に俺が送り込まれたというのは……もしかしたら、俺が何らかの手出しをしないとバンハムーバ準母星のクリスタが生まれないんじゃないだろうか。
バンハムーバ母星に龍神の力の源であるコアは無かったが、あれは持ち出された後というより、コアそのものが無い状態であるように感じる。
コアはどこに消えてしまったのか。それを探している者は、他にいるのだろうか。
この事実を知れた俺が何もしないでいるとクリスタが無くなり、ホルンが生まれず存在そのものが消えてしまうかもしれない。
クロも、前世がクリスタのバンハムーバ人だ。
ロルシュは、出自がクリスタにまったく関係無かった筈。だから消えない存在だったのかも?
この仮説を確かめる為には、今一度こちらの龍神に会って話を聞く方が良いだろう。龍神は変身していなくても仲間の龍神が判別できるし、偽者とは思われないだろうし。
それで必要なら、手を貸せばいい。その後、帰れるなら帰る方法を探そう。
せめてピッピだけでも、未来に返してやりたい。飼い主は俺だが、それよりも世話をしていたみんなの方に懐いていたし。
俺は、俺に添い寝してくれているピッピを見た。
未だに、どうして俺に飛び付いてきたのか分からない。誰かが一人で行かせるのは忍びなくて、投げつけてきたんだろうか。
なんて可哀想な事を。
でも、ピッピがいてくれると心が安まる。まだ全てと別れてしまった実感はないが、そのうちきっと悲しく思うだろう。
その時に、ピッピは傍にいてくれるだろうか。
それが……少し不安だ。
瓦礫に隠れて町中に着陸していたグレーピンク色の宇宙船キャニオンローズは、小型と中型の間ぐらいの微妙な大きさがあった。
素早さがなく防御力も無いかもしれない船でよく宇宙海賊をやっていると思ったが、そこは素人には分からない事情がきっとあるのだろう。
だから、何も突っ込み入れなかった。
そこに到着してまず、宇宙船の外でピッピを押収された。
普通だったら暴れたが、ピッピをさらっていったのが船の機関士の少女だったので、とりあえずの世話を任せるという意味で預けておいた。食事もくれるらしいし。
次に持ち物検査された。俺は何も持っていないと思い込んでいたが、革ベルトに最初からついていたポーチの中に、十グラムの金の延べ棒が三つ入っていた。
きっと、俺を追放するにしろすぐに死なれたくないカシミアの好意だろう。
それを引き渡して正式に、どこかの星まで連れて行ってもらえることになった。
とりあえず、お客として宇宙船に乗ることができたから良かった。
しかし部屋の余りがないとかで、連れて行かれたのが物置だった。
仕方がないので掃除道具の横に置かれた椅子に座ってぼんやりしていると、突然に船を揺らす衝撃が襲ってきて驚いた。
物置を飛び出して窓から外を見ると、空に宇宙船が一隻あって、遠慮なく連続砲撃してくるところだった。
危険を察知した俺はほぼ無意識でバンハムーバの龍神の力を操り、遠隔操作で星から青白いエネルギー流れを汲み上げて船を守る盾にした。
即興で作った盾にしては丈夫だったみたいで、この船自体のバリア機能も含めて船体に損傷はなかったようだ。
そうして砲撃を乗り越えた後、すぐにこちらの船が発進した。
いきなり全速力で地上から飛び立つなんて通常じゃあり得ないものの、躊躇したら死ねる状況だから普通といえば普通か。
船はあっという間に宇宙に出て行き、敵の方は追いかけてこなかった。
小さな窓から、宇宙空間を確認した。
青くて美しい海が自慢のバンハムーバの星に、その海の姿がない。ギラギラ輝く恒星にさらされ、水蒸気となり宇宙に放出されたのかもしれない。
当たり前ながら、既に自然界は崩壊している。バンハムーバを引っ越す時に全ての生物と植物のサンプルを持ち出して、別の星で育てていたと習った。
それらを里帰りさせることで、二千年後にはこの荒れ果てたバンハムーバも元通りに復元されるのだろう。
けれど、母なる星は滅びた。俺の目に、茶色い塊としか映らない。
俺の故郷はルハイドという別の星だが、しかし龍神としてバンハムーバ母星に愛着があった。
だから死体のような姿を見て、思った以上にショックだ。
窓の外のバンハムーバ母星は、どんどんと小さくなっていく。船はこのまま、別の安全な星に渡るのだろうか。
……そういえば、ピッピは無事なのか。確認しないといけない。
誰かが呼び止めてきたように感じたが、機関室に行けば会えるかもしれないと思って、ピッピを呼びつつそちら方面に突き進んでいった。
船の構造的に、そこが機関室かと思えた場所に入ってみると、突然襲いかかられた。
棒状の何かで素早く打ちかかってきたそいつの腕をカウンターで掴み、引くと同時に軽く足を蹴って床に転がした。
攻撃の鋭さから、かなりの手練の者と思う。けれど、龍神として怪力などの身体能力向上効果を持つ化け物レベルの俺にとっては、強敵ではない。
バンハムーバ人の金髪に青い目を持つ体格の良い女性は、転がされてもすぐに飛び起き、槍を握り直してまた攻撃を仕掛けようとしてきた。
「うわっ! 済まない、ごめん! ただ俺は猫を探してるんだ!」
両手を挙げて敵意がないことを示し、どうにか許してもらおうとした。
すると、目の前で槍が止まってくれた。
そして背後で、猫の鳴き声がした。
「ピッピちゃん、無事か!」
俺は笑顔で振り向き、ピッピを抱き締めている機関士の少女に飛び付いた。
猫を返してもらいたいだけなのだが、少女が怯えて悲鳴を上げた。
再び背後からの攻撃を感知したので、素早く振り向きざまに槍の穂先を受け止めてねじり取り、床に投げ捨てた。
槍は砕けて折れてしまった。体勢を崩した彼女が倒れそうになったから、ちゃんと受け止めてあげた。
「マジですまん。怪我はないか?」
一流の戦士だろうが美人である彼女を気遣ったものの、彼女は返事をせず無表情で俺から離れて壊れた槍を見た。
「えーと、弁償してあげたいけど、俺って無一文なんだ。許してくれ」
「おいちょっと」
廊下から呼びかけられたので、振り向いた。知らない顔の中に、あの童顔の男がいる。
「それは一体、どうやって破壊した?」
「あ……の、俺は身体能力向上魔法を学ぶ学生だったんだ。卒業してすぐこっちに来て……あの場所に捨てられた」
とりあえず簡単に説明してみた。
聞いた全員が不思議そうな表情をしたが、これからずっと取り引きがある彼らじゃないから、それ以上は教えない。
「髪の毛が長いし、やっぱり上級魔術師なんだな? 向こうに訓練室があるんだが、手合わせしてくれないか」
「ええ? いやそれよりピッピを返してくれ」
そう言うと、童顔男はピッピの前に立ち塞がった。
「返してほしくば、俺と手合わせしろ!」
「なんだよもう。俺は客だろが! そう言うなら金返せよ!」
「俺に一回勝ったら一本返すぞ」
「……よし、乗った」
無一文にとり、背に腹はかえられない。
本当は魔法を使っていないことは、本職の魔術師が見れば分かってしまう事だろう。けれども安易に正体をさらしたくないので、嘘を貫き通す。
訓練室に移動して童顔男イージスと戦ってみた結果、彼の戦い方が国際連合軍で教育を受けたもののように感じた。
基本的に綺麗な動きで、無駄がない。どこの地方の癖もない。
だけど無駄がないから俺みたいな存在自体が反則な奴にかかると、どんな武器でかかってこようが力押しで勝利できた。
彼は若いだけあり、まだ経験が足りない。
かく言う俺も若いが、宇宙軍士官学校の在学中に手練の教官たちに色々と教えてもらった経験がある。だからイージスよりは経験値があると思う。
そのイージスに三度勝ったところで、金の返却を希望した。
「ああ。新しい槍を買って渡しておく」
イージスはしれっと言った。まあ、予想はついていたが。
その後、なし崩し的に他の乗組員たちからも手合わせを頼まれたから、金及び物をくれと頼んで戦った。
この船の夜時間がやって来た頃には、小銭だけだがこの時代の現金を入手できていた。とてもありがたい。
2・
風呂を借りることができ、念願のピッピを取り戻して、みんなの好意で食堂のソファーで寝ていいことになった。
夜勤の乗組員がたまに通りかかる以外は静かで薄暗い場所で、ようやく落ち着いて自分の状況を考えられた。
未だに、なぜ自分が過去の世界に送られたのか分からない。
未来を救う為に、単純に俺の存在が邪魔で遠くにやっただけというなら、俺はこの世で何も考えずに好き勝手に生きてもいいだろうが。
けれど、どこだっていいなんて雑な追放をするなら、いちいちポーチに金を隠す事はない。
何かの訳があって、俺は狙ってここに飛ばされたんだろう。
そして完全な仮定だが、未来にいるカシミアたちが頑張ってホルンたちを消さないのではなく、過去の俺が何かして、ホルンたちを消さないようにしなくてはいけないような気がする。
そしてそれは、龍神の俺でしかできない事だ。そうでなけりゃ、大国のトップなんていうややこしい立場の俺以外を、この過去に送り込んだだろうし。
ホルンは準母星クリスタ出身だ。それが生み出される前に俺が送り込まれたというのは……もしかしたら、俺が何らかの手出しをしないとバンハムーバ準母星のクリスタが生まれないんじゃないだろうか。
バンハムーバ母星に龍神の力の源であるコアは無かったが、あれは持ち出された後というより、コアそのものが無い状態であるように感じる。
コアはどこに消えてしまったのか。それを探している者は、他にいるのだろうか。
この事実を知れた俺が何もしないでいるとクリスタが無くなり、ホルンが生まれず存在そのものが消えてしまうかもしれない。
クロも、前世がクリスタのバンハムーバ人だ。
ロルシュは、出自がクリスタにまったく関係無かった筈。だから消えない存在だったのかも?
この仮説を確かめる為には、今一度こちらの龍神に会って話を聞く方が良いだろう。龍神は変身していなくても仲間の龍神が判別できるし、偽者とは思われないだろうし。
それで必要なら、手を貸せばいい。その後、帰れるなら帰る方法を探そう。
せめてピッピだけでも、未来に返してやりたい。飼い主は俺だが、それよりも世話をしていたみんなの方に懐いていたし。
俺は、俺に添い寝してくれているピッピを見た。
未だに、どうして俺に飛び付いてきたのか分からない。誰かが一人で行かせるのは忍びなくて、投げつけてきたんだろうか。
なんて可哀想な事を。
でも、ピッピがいてくれると心が安まる。まだ全てと別れてしまった実感はないが、そのうちきっと悲しく思うだろう。
その時に、ピッピは傍にいてくれるだろうか。
それが……少し不安だ。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
本好きゆめの冒険譚
モカ☆まった〜り
ファンタジー
少し田舎の雰囲気がある小さい街に引っ越してきた家族。その家は不思議なことが起こる噂があるらしい。赤子の時から読み聞かせで大好きなおとぎ話の「桃太郎」。ある時桃太郎の噺に疑問を持った主人公「ゆめ」は桃太郎の噺をカスタムしていくのがきっかけで、神様と出会うことになり・・・おとぎ話から始まる異世界と現実世界のファンタジーストーリー
ブラフマン~疑似転生~
臂りき
ファンタジー
プロメザラ城下、衛兵団小隊長カイムは圧政により腐敗の兆候を見せる街で秘密裏に悪徳組織の摘発のため日夜奮闘していた。
しかし、城内の内通者によってカイムの暗躍は腐敗の根源たる王子の知るところとなる。
あらぬ罪を着せられ、度重なる拷問を受けた末に瀕死状態のまま荒野に捨てられたカイムはただ骸となり朽ち果てる運命を強いられた。
死を目前にして、カイムに呼びかけたのは意思疎通のできる死肉喰(グールー)と、多層世界の危機に際して現出するという生命体<ネクロシグネチャー>だった。
二人の助力により見事「完全なる『死』」を迎えたカイムは、ネクロシグネチャーの技術によって抽出された、<エーテル体>となり、最適な適合者(ドナー)の用意を約束される。
一方、後にカイムの適合者となる男、厨和希(くりやかずき)は、半年前の「事故」により幼馴染を失った精神的ショックから立ち直れずにいた。
漫然と日々を過ごしていた和希の前に突如<ネクロシグネチャー>だと自称する不審な女が現れる。
彼女は和希に有無を言わせることなく、手に持つ謎の液体を彼に注入し、朦朧とする彼に対し意味深な情報を残して去っていく。
――幼馴染の死は「事故」ではない。何者かの手により確実に殺害された。
意識を取り戻したカイムは新たな肉体に尋常ならざる違和感を抱きつつ、記憶とは異なる世界に馴染もうと再び奮闘する。
「厨」の身体をカイムと共有しながらも意識の奥底に眠る和希は、かつて各国の猛者と渡り合ってきた一兵士カイムの力を借り、「復讐」の鬼と化すのだった。
~魔王の近況~
〈魔海域に位置する絶海の孤島レアマナフ。
幽閉された森の奥深く、朽ち果てた世界樹の残骸を前にして魔王サティスは跪き、神々に祈った。
——どうかすべての弱き者たちに等しく罰(ちから)をお与えください——〉
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる