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第二章

3 そのまま俺のモノに

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隣で輝が寝ている。うん、もっと細かく説明しよう。まず俺の左手に輝のあたまがあるな。顔は俺の方を見ている。俺の腹には輝の右足が絡まるようにくっついている。
いや、なんでこんなにくっついてるんだよ。そんな幸せそうな寝顔見せんなよ。

輝への恋心を自覚してからは立場的に我慢することが多くなった。なのに輝はそんなことを知らず煽ってくるばかりだ。(勝手に煽られて勝手に我慢しているだけ。)
もう余計なことを考えないようにそっぽを向いて寝よう。それがいいさ。

「かける、起きて!!」
あ~いつかの日もこんな声を聞いたなと思いながら目を覚ます。

ブホォッッ!!!

「ちょ、かける…汚い!!」
「お、おま…ま…」
目の前の光景に驚いて思わず吹いてしまったし、ついどこぞの漫画か!と言いそうになった。何故…輝が裸でエプロンをしている????これは夢なのか。ああ夢なんだな。我慢しすぎておかしくなったのか…はは。「寝よ。」その独り言を見逃さなかった輝は二度寝するなと言わんばかりに布団をもぎ取った。
まぁ、夢じゃないことは分かった。ならなんでそんな格好をしてるんだ。いい匂いがする。朝飯でも作ろうとしていたのだろうか。おばさんはどうした?聞きたいことが山ほどある。
「母さんは朝から仕事でいなかったし、かけるがこんな時間まで寝てるから僕が朝ごはん作ろよって言ったんだよ。」
は~なるほど。一つ疑問が解決した。さぁ、本題に入ろうか。
「輝…なんでそんな格好してるんだ?」
言った瞬間に輝が赤面になった。まるでゆでダコのようだ。可愛い。
「あ…別にっ。」
はぐらされてしまった。可愛らしい顔が見れたからそれでもいいかと思った。よし!朝飯を食べようか。それにしても…あんな格好でこられて…寝起きでよかった。眠気が理性と戦ってくれたおかげでなんとか襲わずにすんだ。
どうせなら昼作る時もやってくれねえかな。あ、襲うな俺。

朝飯を食べ終えてそこから買い物に行こうとなった。なんでもおばさんがお使いを頼んだらしい。夜好きなものを作るからその材料をだと。ふむ、輝と二人で買い物…まるで夫婦のように見えるんじゃね?なんて妄想…待て待て!俺最近妄想…というか考えてることキモくね??片思いでこんな…虚しいよな。
気持ちは上がったり下がったりで不安定だ。それでも輝が付き合わない、つまり今の関係で一番近くにいるのは俺だと言える。それがあと数ヶ月で終わってしまうのか…はたまた数日…?明日?やめたやめた。こんなふうに悩んだってどうしようもない。輝と付き合いたい。でも関係を壊したくもない。意気地無しだな。俺は。
あぁ、幼馴染としてなら輝は俺のものなのにな。
ならねぇかな、そのまま俺のモノに。
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