2 / 6
第一章
2 クラスメイトの馴れ初め
しおりを挟む
何やかんやあって今日一日が終わろうとしていた。
「かける!今日カラオケ行かね?」
友人の上杉真守(ウエスギマモル)に声をかけられた。俺は迷わず「今日は輝と帰る約束してるからさ。」と返事をした。上杉は「あ~輝な。お前らほんと仲いいよな。」と少し笑みを含めて言ってきた。これくらい友人として普通なんじゃね~の?と思いながらも言葉にはせず笑顔だけで終わらせた。
「輝、帰ろうぜ。」
そうは言ったが輝は何か忙しそうだ。ああ、輝は今日日直だったから日誌書いてんのか~と思いながら輝の前の席に座った。
「かける?どうかした?」
そう声をかけられたのも無理はない。無意識に俺は輝の顔を眺めていた。別に深い意味は無い。ただこいつまつ毛なげえな~とか相変わらず成長しない幼い顔立ちだな~とかなんかそんなことを思っていただけで。
「僕の顔に何かついてる?」
不安そうにこちらを見てくる。身長差があるため必然的に上目遣いになる。
「いや?お前かわいいな。」
何を思ったか気付けば声に出していた。輝は「おかしなの」とかいいながら笑ってた。輝は今の発言を特に気にしていない様子だった。なんでかは分からないが少しムカついた。
「かける、お待たせ!やっと書き終わったよ~。」
「おっし、帰るか。」
帰り道、輝からこんな話を聞いた。クラスメイトの本地明(ホンチアキラ)と横田賢治(ヨコダケンジ)が付き合い始めたという話だ。男子校ゆえ仲が良すぎる男子は沢山いたが、はっきりと宣言しているやつらは少ない。俺は特になんとも思わなかった。同性同士とか、キモイとか。ただ素直に好きなやつと結ばれて羨ましいな。そんなふうに思っただけだった。
なんでも、その二人は俺らと同じく幼馴染だそうで、気付いたら一緒にいて、これからも一緒にいたいと思ったそうだ。別に恋人なんかにならなくたって俺は輝と一生一緒にいるつもりなんだけどな~と思った。まぁ、アイツらは好き好き同士なんだろう。おめでたいことには変わらない。明日学校で祝福の言葉でもかけてやろうか。
「ね!凄いよね、羨ましいな。」
「輝、お前…好きなやつでもいんの?」
輝は二人のことをすごく羨ましがってた。いや、二人の関係を羨ましがってたのか…。まあいい、だとしてもまるで自分の事のように喜んでいた。まさか、こいつにも既に恋人がいるのか?なんてことも考えてしまった。
「い、いないよ!!!」
そう大声で言われてしまったが輝と何年一緒にいると思ってんだよ…。その顔は嘘ついてる時の顔だな。「そうか。」とは返したものの俺はパニクっていた。(は?は??輝…好きなやついんの??誰だよ…)そんなことで頭がいっぱいになる。
それ以外にも話したはずだが何も覚えていない。輝には好きな奴がいる。このことが頭の九割をしめていたのだ。…?あれ、なんで俺こんなにモヤモヤしてんの?ん?てか輝に好きな奴がいても俺には関係なくね?いや、応援はするがよ。
「かける!ばいばい!」
その言葉に肩がビクッとする。あ、ああ、もう家に着いたのか。いつもの帰り道が何故かとても短く感じた。
なんか変な気持ちだわ。ずっとモヤモヤするっていうか…。あんな話聞くんじゃなかったな。
クラスメイトの馴れ初めなんて。
「かける!今日カラオケ行かね?」
友人の上杉真守(ウエスギマモル)に声をかけられた。俺は迷わず「今日は輝と帰る約束してるからさ。」と返事をした。上杉は「あ~輝な。お前らほんと仲いいよな。」と少し笑みを含めて言ってきた。これくらい友人として普通なんじゃね~の?と思いながらも言葉にはせず笑顔だけで終わらせた。
「輝、帰ろうぜ。」
そうは言ったが輝は何か忙しそうだ。ああ、輝は今日日直だったから日誌書いてんのか~と思いながら輝の前の席に座った。
「かける?どうかした?」
そう声をかけられたのも無理はない。無意識に俺は輝の顔を眺めていた。別に深い意味は無い。ただこいつまつ毛なげえな~とか相変わらず成長しない幼い顔立ちだな~とかなんかそんなことを思っていただけで。
「僕の顔に何かついてる?」
不安そうにこちらを見てくる。身長差があるため必然的に上目遣いになる。
「いや?お前かわいいな。」
何を思ったか気付けば声に出していた。輝は「おかしなの」とかいいながら笑ってた。輝は今の発言を特に気にしていない様子だった。なんでかは分からないが少しムカついた。
「かける、お待たせ!やっと書き終わったよ~。」
「おっし、帰るか。」
帰り道、輝からこんな話を聞いた。クラスメイトの本地明(ホンチアキラ)と横田賢治(ヨコダケンジ)が付き合い始めたという話だ。男子校ゆえ仲が良すぎる男子は沢山いたが、はっきりと宣言しているやつらは少ない。俺は特になんとも思わなかった。同性同士とか、キモイとか。ただ素直に好きなやつと結ばれて羨ましいな。そんなふうに思っただけだった。
なんでも、その二人は俺らと同じく幼馴染だそうで、気付いたら一緒にいて、これからも一緒にいたいと思ったそうだ。別に恋人なんかにならなくたって俺は輝と一生一緒にいるつもりなんだけどな~と思った。まぁ、アイツらは好き好き同士なんだろう。おめでたいことには変わらない。明日学校で祝福の言葉でもかけてやろうか。
「ね!凄いよね、羨ましいな。」
「輝、お前…好きなやつでもいんの?」
輝は二人のことをすごく羨ましがってた。いや、二人の関係を羨ましがってたのか…。まあいい、だとしてもまるで自分の事のように喜んでいた。まさか、こいつにも既に恋人がいるのか?なんてことも考えてしまった。
「い、いないよ!!!」
そう大声で言われてしまったが輝と何年一緒にいると思ってんだよ…。その顔は嘘ついてる時の顔だな。「そうか。」とは返したものの俺はパニクっていた。(は?は??輝…好きなやついんの??誰だよ…)そんなことで頭がいっぱいになる。
それ以外にも話したはずだが何も覚えていない。輝には好きな奴がいる。このことが頭の九割をしめていたのだ。…?あれ、なんで俺こんなにモヤモヤしてんの?ん?てか輝に好きな奴がいても俺には関係なくね?いや、応援はするがよ。
「かける!ばいばい!」
その言葉に肩がビクッとする。あ、ああ、もう家に着いたのか。いつもの帰り道が何故かとても短く感じた。
なんか変な気持ちだわ。ずっとモヤモヤするっていうか…。あんな話聞くんじゃなかったな。
クラスメイトの馴れ初めなんて。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
風邪ひいた社会人がおねしょする話
こじらせた処女
BL
恋人の咲耶(さくや)が出張に行っている間、日翔(にちか)は風邪をひいてしまう。
一年前に風邪をひいたときには、咲耶にお粥を食べさせてもらったり、寝かしつけてもらったりと甘やかされたことを思い出して、寂しくなってしまう。一緒の気分を味わいたくて咲耶の部屋のベッドで寝るけれど…?
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる