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第2章 護衛騎士魔導書探しに山を行く

護衛騎士心の中で拍手喝采する

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    ソファーに沈み込んだ男を見張ることにした俺と侍女は其々足側に俺、頭側に侍女の配置についた。



 殿下は正面側のソファーに座りお茶菓子を食べ、紅茶を飲みと大変のんびりしている。



 男が目を覚ます前にこの不審者について殿下に聞いてみると、なんと幼少期からの幼馴染と聞いて慄いた



小さい時は純粋で素直ないい子でしたのよ



と殿下談。



気が付いたら姫様のストーカーになってたんですよこの男



と侍女談



 この元純粋だった現ストーカー男は公爵家の次男坊で実家の爵位のひとつの男爵位を持った立派な貴族でした。まじか。



この4人の中で殿下の次に権力があるってまじか。






ちなみに俺が一番下だよ!!!祖父は一代だけの男爵位を持ってるけど息子以下は誰ももってない一般庶民なんで!努力と腕力で今の仕事してるんですよ!!すごいでしょ!!!!



    侍女はご存じの通り侯爵の娘だけど自分の爵位は無いらしい。



そもそも女性で爵位を持っているのは当主になっている人くらいだと思う。多分。



おっと、脱線。



    それにしてもこの不審者男爵、さっきからソファーのクッションに顔を埋めて



「んふふ、ふふふリィちゃんの良い匂い」



て寝言言ってるんですが…!!!!



それを3人で話をしている間ずっと聞いてけど、徐に




すっ。




と侍女が右手を上げ…



「いい加減にしなさいこの変態デューク!!!」



と怒鳴り、不審者男爵の襟首引っ掴み片手で持ち上げた。



    それはまるで猫の襟首を掴むように見事に男爵をぶら下げた。



おぉ、いくら多少小柄とはいえ男を片手で掴んでぶら下げられる侍女凄い…



思わず心の中で拍手しましたよ。実際に拍手したら俺も同じ目にあう気がするので自重しました!



「ふあ?!ふえ?リィちゃんの温もりが消えぇぇぇ!!!浮いてる!僕浮いてるよ!?まさかの寝ている間に飛行術習得できたの?!僕天才!やったよ!リィちゃん見てみてすごいdふぎゃ!!!!」



ぶら下がったまま目を覚ました不審者が起きるなり早口で喋りだしたので、侍女は掴んでいた手を放し見事に落下した。


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