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第2章 護衛騎士魔導書探しに山を行く
護衛騎士は不審者を見つける
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さてあれから暫くして日常が戻ってきました。
あの魔術師か逃げたと聞いて殿下の宮殿は警戒態勢でしたが1月経過して漸く落ち着きを取り戻しました。
ので。
「殿下お覚悟!!」
と暗殺者のような掛け声をかけて殿下の奇襲に精を出す俺は通常運転に戻りました。
まあ相変わらず簡単にあしらわれるか侍女の防壁で吹き飛ばされるかだけどね!!
すっかり受け身が上達したよ!
そんなある日、殿下が自分の宮の庭園にある東屋でお茶をしていた時だった。
「リィィちゃぁぁぁぁん!!!!ただいまぁぁぁ!!!!!」
と王城で誰かの名前を叫ぶ不審者が現れた。
声はまっすぐ殿下の宮に近付きていて、地響きの様な走る音も聞こえてきた。
身構えて応戦の体制を俺が取っていると殿下の背後、庭園の植木が揺れた。
そっち、だと…!
振り向いた俺が見たのは、殿下に引っ付いて頬擦りしている男の姿だった。
「リィちゃん只今ぁぁぁぁ!会えなくて寂しくなかった?!僕はすっごく寂しくて毎日リィちゃんの夢を見てたよ!でもやっぱり生リィちゃんが良い、いい匂いがするね、幸せ」
殿下の髪に顔を埋めてスーハスーハ言いながら匂いを嗅ぐ変態。
間違いなく不審者だ。
殿下の顔が無表情でそのまま気にせず紅茶を飲んでるのが怖いですよ…
6歳児に抱き着いて匂いを嗅ぐ男と声を上げることなくそのまま紅茶を飲見続ける幼女…なんだこの空間は……
いつもなら直ぐに対処する侍女がちょうど席を外していたので、代わりに俺が殿下から不審者を引きはがして2人の間に身体を挟む。
グレーの髪にブルーシルバーの瞳、右の顔半分全てを黒布で覆いきっちりジャケットを着こんだ不審者が不機嫌そうに引き剥がした俺を睨む。
「リィちゃんこいつ誰?せっかく邪魔者を引き剥がした隙に来たのに変な男がいるんだけど騎士でも呼ぶ?」
お 前 が 言 う な
とその言葉を飲み込んだ俺えらい。
「俺が騎士ですので大丈夫ですよ」
「は?」
「殿下、この不審者すぐさま宮から追い出しますのでお待ちくださいね」
腰の愛剣に手をかけてにっこり笑顔を殿下に向けてそう言うと、ちょっとびっくり顔をした殿下が
「え?ええ」
と肯定かよくわからない返事をしました。
まあ肯定と捉えますが、それを聞いた不審者の男の顔色が一気に青ざめてじりじり後退し始めた。
「えっと、あの、リィちゃん、ごめんね、僕久しぶりに会えたのが、ね、嬉しくてね、リィちゃんを困らせるとか、そういうのじゃなくて、あの、ちゃんとリィちゃんに用事があっt「黙らっしゃい姫様のストーカーが!!!!!!!!」
ガッ
と良い音をたてて鮮やかな上段回し蹴りを背後から男の後頭部目掛けて決めた侍女が華麗に着地した。
大分前から物凄い形相で走って来てる侍女が見えてたので殿下の壁になることにした俺です。
やだなぁ流石に殿下の庭園で流血沙汰なんてしませんよ。
侍女の蹴りで脳震盪を多分起こした不審者は一応殿下の知り合いらしいので応接間に運び込まれることになった。
うん?カッコつけたあれは何だったのかって?
ノリと雰囲気だよ!!
あの魔術師か逃げたと聞いて殿下の宮殿は警戒態勢でしたが1月経過して漸く落ち着きを取り戻しました。
ので。
「殿下お覚悟!!」
と暗殺者のような掛け声をかけて殿下の奇襲に精を出す俺は通常運転に戻りました。
まあ相変わらず簡単にあしらわれるか侍女の防壁で吹き飛ばされるかだけどね!!
すっかり受け身が上達したよ!
そんなある日、殿下が自分の宮の庭園にある東屋でお茶をしていた時だった。
「リィィちゃぁぁぁぁん!!!!ただいまぁぁぁ!!!!!」
と王城で誰かの名前を叫ぶ不審者が現れた。
声はまっすぐ殿下の宮に近付きていて、地響きの様な走る音も聞こえてきた。
身構えて応戦の体制を俺が取っていると殿下の背後、庭園の植木が揺れた。
そっち、だと…!
振り向いた俺が見たのは、殿下に引っ付いて頬擦りしている男の姿だった。
「リィちゃん只今ぁぁぁぁ!会えなくて寂しくなかった?!僕はすっごく寂しくて毎日リィちゃんの夢を見てたよ!でもやっぱり生リィちゃんが良い、いい匂いがするね、幸せ」
殿下の髪に顔を埋めてスーハスーハ言いながら匂いを嗅ぐ変態。
間違いなく不審者だ。
殿下の顔が無表情でそのまま気にせず紅茶を飲んでるのが怖いですよ…
6歳児に抱き着いて匂いを嗅ぐ男と声を上げることなくそのまま紅茶を飲見続ける幼女…なんだこの空間は……
いつもなら直ぐに対処する侍女がちょうど席を外していたので、代わりに俺が殿下から不審者を引きはがして2人の間に身体を挟む。
グレーの髪にブルーシルバーの瞳、右の顔半分全てを黒布で覆いきっちりジャケットを着こんだ不審者が不機嫌そうに引き剥がした俺を睨む。
「リィちゃんこいつ誰?せっかく邪魔者を引き剥がした隙に来たのに変な男がいるんだけど騎士でも呼ぶ?」
お 前 が 言 う な
とその言葉を飲み込んだ俺えらい。
「俺が騎士ですので大丈夫ですよ」
「は?」
「殿下、この不審者すぐさま宮から追い出しますのでお待ちくださいね」
腰の愛剣に手をかけてにっこり笑顔を殿下に向けてそう言うと、ちょっとびっくり顔をした殿下が
「え?ええ」
と肯定かよくわからない返事をしました。
まあ肯定と捉えますが、それを聞いた不審者の男の顔色が一気に青ざめてじりじり後退し始めた。
「えっと、あの、リィちゃん、ごめんね、僕久しぶりに会えたのが、ね、嬉しくてね、リィちゃんを困らせるとか、そういうのじゃなくて、あの、ちゃんとリィちゃんに用事があっt「黙らっしゃい姫様のストーカーが!!!!!!!!」
ガッ
と良い音をたてて鮮やかな上段回し蹴りを背後から男の後頭部目掛けて決めた侍女が華麗に着地した。
大分前から物凄い形相で走って来てる侍女が見えてたので殿下の壁になることにした俺です。
やだなぁ流石に殿下の庭園で流血沙汰なんてしませんよ。
侍女の蹴りで脳震盪を多分起こした不審者は一応殿下の知り合いらしいので応接間に運び込まれることになった。
うん?カッコつけたあれは何だったのかって?
ノリと雰囲気だよ!!
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