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「主様、先程遂にあの馬鹿王子が婚約破棄しました。」
「ふっ。あのバカはやはり馬鹿なままだったのだな。よし、あのもの達に連絡をとる。通信機の準備を。」
私、ジネス・ウィンドフィルは部下に指示を出し通信器具を持ってこさせた。
これはエルザが婚約した時から用意していたもの。
エルザを愛し、大切にすれば良かったものを…だが残念な事にもう遅い。
火蓋は切って落とされたのだから…。
「ハロハロ~夜中に連絡とかもしかして?」
そう軽口を叩きながら通信に参加してきたのは南の砦を守っている、ウィリアム・ファイアルムだった。
「あぁ、あの馬鹿は治らなかったようだな。」
私が応えると、
「まぁ、これで良かったんだよ~。さて、じゃああの作戦を決行ってことでいいんだよね?」
ウィリアスは楽しげに言った。
「あぁ、そうなると思う。でもまずはエルザとその家族、使用人達の保護が先だ。」
「あら?なら私が1番に動かなきゃ行けないわね?」
そう言いながら通信に参加してきたのは東の砦を守っているアイリス・ウィーネスだった。
「そうなるな。アイリス嬢すまないが、今すぐ全員の保護を頼めるか?」
私が尋ねると、彼女は笑いながら
「この日をずーーーっと待っていたんだもの。今すぐ彼女達全員を保護するわ。ただ…他の所から息のかかったやつ達は置いていっていいわよね?彼女を大切にしていた人達だけ助けるわ。それで問題ないわよね?」
そう私に問いかけた。
「もちろんだ。手間が省けて助かる。」
「許可が出たので、私は早速動くわ。通信は聞いているから問題ないわ。私が発言しないからと言って何か私の悪口でも言ったら…分かってるわね?」
そう言い残し、早速エルザを保護しに行ったようだった。
「すみません!遅くなってしまいました。婚約破棄の現場に出くわしてしまい…なかなか抜け出せなくなってしまってました。」
そう言いながら通信に参加したのは、レイティア·ウォールド。
西の砦を守っている公爵令嬢だ。
「今やっと抜け出してきたんですが、あの馬鹿達は状況を理解出来てませんでしたよ…。婚約時にどんな契約をしたのか多分忘れてますね。」
そう言いつつ、レイティアはため息をついた。
「理解していたら婚約破棄なんてしないだろう。あの馬鹿達は自分達に甘すぎたんだ。でわ、予定通り我々は動くとしよう。王家はいつまで耐え切れるかな?」
「「え?そんなにもたないでしょ?」」
そうだよな…。
どう考えても持たないよな…。
あの馬鹿達は何を考えてるんだろうな…。
いや、何も考えてないからこんな事ができたのか…。
「もう我々は王家とは関係がなくなった。婚約時の規約に則り動こうじゃないか。我々にはもう王命は効かないのだから。」
「あの馬鹿達は直ぐに王命って言ってたけど、本当に馬鹿よね。」
「まぁ、俺たちにはもう王命効かないんだからいいんじゃな~い?」
本来なら王家に対してこの発言は不敬になるがもう関係ないので問題ない。
そんな中、エルザ達を救出に出ていたアイリス嬢から連絡が入った。
▶︎守るべきもの達は保護した
守るべきもの達が保護されたならばもう何をしても大丈夫だろう。
「さて予定通り進めていくぞ。」
「「勿論」」
私は通信を1度切り私のすべきことに手を付け始めた。
これから忙しくなるが、それは楽しみでしかない。
あの馬鹿達の尻拭いではなく、自分たちのために動けるのだから…。
そしてあの日の約束も…。
私は大切にしている栞にそっと抱きしめ、元の場所にしまうと早速必要な書類に目を通すのだった。
さぁ、ここからが始まりだ。
「ふっ。あのバカはやはり馬鹿なままだったのだな。よし、あのもの達に連絡をとる。通信機の準備を。」
私、ジネス・ウィンドフィルは部下に指示を出し通信器具を持ってこさせた。
これはエルザが婚約した時から用意していたもの。
エルザを愛し、大切にすれば良かったものを…だが残念な事にもう遅い。
火蓋は切って落とされたのだから…。
「ハロハロ~夜中に連絡とかもしかして?」
そう軽口を叩きながら通信に参加してきたのは南の砦を守っている、ウィリアム・ファイアルムだった。
「あぁ、あの馬鹿は治らなかったようだな。」
私が応えると、
「まぁ、これで良かったんだよ~。さて、じゃああの作戦を決行ってことでいいんだよね?」
ウィリアスは楽しげに言った。
「あぁ、そうなると思う。でもまずはエルザとその家族、使用人達の保護が先だ。」
「あら?なら私が1番に動かなきゃ行けないわね?」
そう言いながら通信に参加してきたのは東の砦を守っているアイリス・ウィーネスだった。
「そうなるな。アイリス嬢すまないが、今すぐ全員の保護を頼めるか?」
私が尋ねると、彼女は笑いながら
「この日をずーーーっと待っていたんだもの。今すぐ彼女達全員を保護するわ。ただ…他の所から息のかかったやつ達は置いていっていいわよね?彼女を大切にしていた人達だけ助けるわ。それで問題ないわよね?」
そう私に問いかけた。
「もちろんだ。手間が省けて助かる。」
「許可が出たので、私は早速動くわ。通信は聞いているから問題ないわ。私が発言しないからと言って何か私の悪口でも言ったら…分かってるわね?」
そう言い残し、早速エルザを保護しに行ったようだった。
「すみません!遅くなってしまいました。婚約破棄の現場に出くわしてしまい…なかなか抜け出せなくなってしまってました。」
そう言いながら通信に参加したのは、レイティア·ウォールド。
西の砦を守っている公爵令嬢だ。
「今やっと抜け出してきたんですが、あの馬鹿達は状況を理解出来てませんでしたよ…。婚約時にどんな契約をしたのか多分忘れてますね。」
そう言いつつ、レイティアはため息をついた。
「理解していたら婚約破棄なんてしないだろう。あの馬鹿達は自分達に甘すぎたんだ。でわ、予定通り我々は動くとしよう。王家はいつまで耐え切れるかな?」
「「え?そんなにもたないでしょ?」」
そうだよな…。
どう考えても持たないよな…。
あの馬鹿達は何を考えてるんだろうな…。
いや、何も考えてないからこんな事ができたのか…。
「もう我々は王家とは関係がなくなった。婚約時の規約に則り動こうじゃないか。我々にはもう王命は効かないのだから。」
「あの馬鹿達は直ぐに王命って言ってたけど、本当に馬鹿よね。」
「まぁ、俺たちにはもう王命効かないんだからいいんじゃな~い?」
本来なら王家に対してこの発言は不敬になるがもう関係ないので問題ない。
そんな中、エルザ達を救出に出ていたアイリス嬢から連絡が入った。
▶︎守るべきもの達は保護した
守るべきもの達が保護されたならばもう何をしても大丈夫だろう。
「さて予定通り進めていくぞ。」
「「勿論」」
私は通信を1度切り私のすべきことに手を付け始めた。
これから忙しくなるが、それは楽しみでしかない。
あの馬鹿達の尻拭いではなく、自分たちのために動けるのだから…。
そしてあの日の約束も…。
私は大切にしている栞にそっと抱きしめ、元の場所にしまうと早速必要な書類に目を通すのだった。
さぁ、ここからが始まりだ。
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