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第二章 甘い生活

第27話 奇跡が起きたらまた会いましょう!

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う~ん。

しかし、この世界の男は皆、人見知りなんだな。

未だに男には会っていない。

いや、正確には見かける事はあったが、話にならない。

偶に、上を見ると窓越しで通りを見ている存在がいる。

そんな中に男性らしき存在が混じっていた。

深窓の令嬢ならぬ、深窓のブサメンだ。

この世界の女性は美女や美少女しか存在しない気がする。

逆に見かけた男性はブサイクばかり。

これはこの世界の独自の進化かも知れない。

数少ない男性を誘惑する為に女性は美しくなり、数少ない男は異性を惹きつける必要が無いから退化してブサイクに…本当の所は、まぁ解らないけどな。

だけど、本当に『SEXは美徳』なのだろうか?

それは市民レベルであって特権階級では話が違うのではないか?

そう思っていたが、どうも冒険者ギルドの話や誰に聞いても違うらしい。

『友達登録』が無い女性は誰の者でも無いから使えるそうだ。

マジか…

それなら何故俺は城を追い出されたんだろう。

今一解らないし、信じられないな。

◆◆◆

勘違いじゃ困るから一度試してみた方が良いかも知れない。

『男性保護法』が何処まで通じるか試してみたかった。

此処は王都なので、貴族が集まるサロンが幾つか点在している。

まぁ、通行人のお姉さんに「王城以外で偉い人が集まる場所を教えて欲しい」そう伝えたら、教えて貰えた。

そして、俺はサロンの前に居る。

普通はこんな場所で立っていて貴族を凝視していたらそれだけで罰されそうだが、男だからか誰も咎めてこない。

やはり、此処でも男は居ない。

しかし、皆、綺麗だな、美人ばかりしかいない。

それに高級そうなドレスだが、丈が凄く短い。

これも、きっとヤル為なんだよな。

見方によってはギャグにしか見えない。

高級そうなドレスなのに、下半分がミニスカート、そこからガーターベルと下着が丸見えなんだから。

我ながら少しゲスだと思うが、失敗しないうちに試した方が良いだろう。

もし上手くいかなかったら『騙された』と言い張れば良い。

誰も確かに綺麗だが、決定打に掛ける。

美人、美少女しか居ないから目が肥えてしまっている。

多分、この世界に来て直ぐに奴隷商に行ったら、エルフを纏めて大人買いしたかも知れない。

しかし『異世界人はエルフが好き』これはこの世界では結構有名らしい。

まぁ、この状況ならきっと昔に大人買いした異世界人が居たのかも知れない。

さて本当に誰にしようか?

うん?

あの子が良いかも知れない。

背が低くて黒髪、目が少し吊り上がっていて、見た感じ物凄く性格が悪そうな美少女。

『悪役令嬢』を背を低くした感じだ。

今も、従者に当たり散らし罵倒している。

あの子に通用すれば、ほぼ大丈夫だろう。

俺は後ろから近づき、いきなり胸を揉んでみた。

もし真面な世界なら、処刑ものだな…

「大体、貴方達は本当に使えないわね、死んだほうが…ひぁ、この無礼者――この…えっ男…本物の男…」

目が合った瞬間固まっている。

未だに小さな胸をモミモミしているが、文句を言ってこない。

保険の為に二コパを使ってニコニコしてみた。

「はい、男です」

「ハァハァ…本物の男…本物の男が私の胸を揉んでいるなんて、可笑しい…これは何の夢…嘘、あり得ないわ」

「街を歩いていたら、貴方を見かけまして、犯りたくなったのでつい」

そう言いながら俺は下半身を押し付けた。

まぁ、前の世界じゃ完全に犯罪レベルだな。


「勃っているわね! 仕方ないわ、私がそこ迄魅力的って事だわ! 早く馬車をまわしなさい! すぐ傍の簡易施設まで行くわよ」

そう言いながら彼女は俺の股間を握りしめた。

「なっ…」

「折角の勃起、萎まないように努力しなさい!良いわね」

そのまま拉致られるように馬車に乗せられ俺は…

「此処は何処ですか?」

「此処は簡易施設、通称ラブホよ!」

平屋みたいな建物で良く見るとカードを差し込む様な穴がある。

外見はまるで公衆便所だ。

「どうすれば良いのですか?」

「何か身分が解るような物をその穴に差し込んでみなさい」

言われるままに差し込むと扉が開き…なかは…

うん、どう見てもラブホテルだ。

「これは、どう見てもラブホテルだ」

「違うわ! ラブホよラブホ…だけど、凄いわね!まだ維持しているし…」

大きなベッドにお風呂にトイレ…なんでこんな物があるんだ。

「これは一体、何ですか?」

「ふふふ、男女比が1対2~3位の時にね、まだ今ほど男性が女性を嫌ってなかった時代にチャンスを逃さない為に出来た施設ね! 都心部には結構あるの!」

言われてみれば、このハートのエンブレムの施設、他にも見た様な気がする。

「だけど、凄い施設だね」

「まぁね、この国に限らず、何処も人口問題に沢山のお金を掛けているわ! そんな事より、それ凄いわね! 私を見て欲情したんでしょう! さっき、私の胸揉んでいたけど?! まさかと思うけどラバースーツ要らなかったりする!」

あの変な全身スーツは要らないな。

「要らないよ」

なんでか凄く顔が真っ赤になった気がする。

「そ、そうなんだ、女として凄く嬉しいわね…それじゃ…」

そう言うと彼女は手際よく服を脱いでいった。

しかし、この世界の女性は本当に服を脱ぐのは手早いし、上手いな。

俺も、それに合わせて服を脱いでいくが…

「どうした?凝視して!」

「お、男が自分から服を脱ぐんだから凝視するのは当たり前だわ!こんな光景なんてまず見られないもの…」

「そう、それじゃ行こうか?」

「行こうかって何処に行くのよ!」

「お風呂」

なんでだろう?

凄く複雑な顔をしている。

「お風呂?! 男とお風呂…凄く良い提案だけど! その萎んじゃうんじゃない? このままカップを使った方が良いんじゃない?」

「それなら大丈夫だから、それにカップなんて要らないよ! 折角だから…」

そう言いながら彼女の下半身に目をやる。

「ままま、まさか、直接?! 出来るの? 本当に…」

「取り敢えずお風呂行こうか?」

「うっうん…」

しかし、この子も凄く可愛いな。

黒髪だけど、瞳は少しグリーン掛かっている。

背が低くて胸は…まぁかなりの貧乳だけど、スレンダーな体をしている。

見た感じは凄くキツそうな感じに見えて、やや幼い感じの悪役令嬢って感じだ。

カセリアやミムが正統派ヒロインだとすれば、まぁ敵役の美少女。

もしくは我儘し放題のツンデレヒロインみたいな感じだ。

そのまま手を引いて風呂場へ入っていく。

俺はシャワーを手に取り、ニコッと笑った。

「それじゃ洗ってあげるから」

「ああっ洗ってあげるって…まさか貴方が洗ってくれるの?」

「そうだけど?」

「貴方、何者なの…そう、来たての異世界人なのね…今回、私は抽選で負けて手に出来なかったけど、他にも居たのね…出来るならお願い!」

俺は髪の毛から洗ってあげて、体もシャボンを使い洗っていった。

そして、胸に手を掛け下半身へと…

「嘘、そこ迄出来るの?」

何でも貴族だから、使用人に体を洗って貰う事はあるそうで慣れてはいるそうだ。

「どう? それじゃ交代」

「交代って…良いの?」

凄く嬉しそうに俺の体を洗っていく。

小ぶりな胸とフリフリ振られるお尻に我慢できなくなった俺は彼女を押し倒した。

「ゴメン…」

「うそ…良いわ来て…」

彼女は俺を嬉しそうに受け入れた。

◆◆◆

「しかし、凄いわね! 自ら女を抱くなんて、まるで大昔の男みたい!」

「そうかな?」

今俺達はお風呂で1回して、冷えたドリンクを飲みながらベッドに座り話している。

「そうよ、異世界人はこの世界に染まる迄の時間、性欲があるって聞いたけど?! まだ、その期間なのかしら…凄いわ」

本来なら往来で痴漢行為をしてラブホテルに連れ込んだ行為なのに、此処まで喜ばれるとは…

「そう? だけど、俺まだ治まって無いけど?」

「本当?! まだ出来るんだ、凄いわ! それじゃ今度は私がしてあげるわ、バルバトール家に伝わる貴族の作法に従って気持ち良くしてあげるわ…まずは手順1」

そう言うと俺の下半身に手をやり顔を近づけてきた。

そのまま、身を任せていたら気がついたら8回もの回数をこなし、彼女は満足そうに俺の腕の中にいる。

貴族って凄い。

本当にそう思った。

あくまで知識しかないが、まるで風俗嬢みたいに上手い。

聞いてみたら...

「気に入って貰えたらなら満足だわ。貴族にとって跡取りは死活問題なんだからね! そっちのテクニックも勿論勉強するわよ! 尤も、此処まで酷くなる前の名残で、まさか使うチャンスに恵まれるなんて思わなかったわ」

「そう、それは良かった」

「多分、貴方は私の事なんて暫くしたら嫌いになるだろうけど…私は忘れないわ…もし子供が出来ていたら公爵家の跡取りとして育てるわ、将来引き篭もりたくなったらバルバトール家を訪ねてきなさい! この私、シャルナが保護してあげる…まぁその時はきっと今みたいに優しい顔で見てくれないと思うけど…嬉しかったわ」

そう言うとシャルナは寂しそうな顔をしていた。

いや、俺は他の男と違ってそうはならないし、公爵家というなら後ろ盾に良いかもしれない。

「俺は他にも好きな子が二人居て、結構な時間が経つけど、嫌いになったりして無いよ。恐らくシャルナの事も嫌いにはならないと思う」

「そう?! 嘘でも嬉しいわ! それじゃこれあげるわ!」

そう言って綺麗な石を俺に渡してきた。

「これって」

「通信水晶よ! 凄い貴重品なんだからね! この石に私と繋いで欲しいって願えば何時でも話せるわ…呼んでくれたら何時でも行くから」

「それじゃ、友達申請でも…」

「今は止めておくわ! 多分、貴方もきっと、もう少ししたら女を嫌いになる…今のまま別れた方が、貴方との楽しい思い出として別れられるからね…そうね、もし2週間たっても私を嫌いになってなかったら、その水晶で連絡頂戴! 何処に居ても駆けつけるからね…そう言えば名前は?」

「理人」

「そう、理人ね…覚えたわ、それじゃ理人、奇跡が起きたらまた会いましょう」

そう言うとシャルナは笑顔で去っていった。






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