上 下
26 / 77
第二章 甘い生活

第25話 アイドル?

しおりを挟む

流石にこの生活は不味いと思う。

毎日、朝から晩までヤリっ放し。

童貞だった俺もカセリアさんもミムも、いつの間にか、あっちの方は凄く上手くなった気がする。

少なくとも前の世界で俺が見たAVでしていた事はやり尽くした。

あくまでノーマルな範囲だけどな。

「しかし、理人は凄いなハァハァ、こんな凄い事良く知っているしハァハァ出来るよ」

「お兄ちゃん…凄すぎだよ! ハァハァもう駄目…」

こんな生活をしているのにお金は溜まりっぱなしだし『SEXは美徳』らしいから良いとは思うけど、流石にな…

行為が終わりシャワーを浴びながら今後どうするか考える。

いつもはこのシャワーにも二人が入って来るのだが、今日は遠慮して貰った。

憧れの桃色生活。

だが、全部桃色だと『他に何か出来る事は無いのか』そう考えてしまう。

決めた。

◆◆◆
「ちょっと外出してくるね」

「だったら私も行こう」

「ミムも行くよ~」

「う~ん、今日は1人で外出してくる」

「待って…ねぇ理人、まさか私を捨てる気なのか?」

「ヒクッグスっ…ミム捨てられちゃうの」

この世界の男は平気で女を捨てるそうだから、こう考えるのも無理もない。

この世界の常識から考えれば、毎日のように特定の女性とSEXをしている事がまさに異常だ。

だが、俺はそれをしている。

実際に二人は凄い美女と美少女だ。

まるで自分の理想から飛び出してきた様な二人。

別れるわけがない。

俺は…きっと、いや絶対愛しているのだから。

「凄いショックだな、こんにも好きなのに、そんな事言われるなんて、俺って信用が無いのかな?」

「そそ、そんな事無いぞ、私は理人の事を信頼しているからな」

「お兄ちゃん、私だってそうだよ」

「それなら良いよ!俺はこの世界の事を余り知らないから、少し見て歩きたい、そう思っただけだよ、夜には帰るから…行ってきます」

「「行ってらっしゃい」」

寂しそうな2人の顔に後ろ髪を引かれながらも俺は外出した。

◆◆◆

う~ん。

俺は背伸びをして街を歩いてみた。

周りからは…

『男が1人で歩いているよ』

『凄い美少年…』

そんな声が聞こえてくるが気にしない。

男性保護法があるから、危ない目に遭う事もあまり無いみたいだ。

しかし、この世界その物が目の保養状態だ。

基本的に女性のミニスカ、パンチラが見放題。

しかも、皆薄着だし、人によってはスケスケな服を着ている人もいる。

しかも、この世界、気のせいかブスがいない。

今見た中で一番可愛く無い女の子でも学校の平均よりは上。

ほぼ美人美少女しかいない。

こんな世界で女の子を嫌いになっていくなんて凄く不幸だと思う。

その気になればハーレムどころか、どこぞのキャラクターが言っていた「姉ちゃんは全部俺の物だ」も夢じゃない。

さて、何処に行こうか?

色々歩いて居ると『歌姫オンステージ』というのがあった。

歌姫? アイドルみたいな物なのかな?

此処は前の世界のライブ会場みたいな物なのか?

そう思いながら見ていると、客引きのお姉さんが声を掛けて来た。

「お兄さん、アイドルに興味ない?」

「アイドル?」

「綺麗な歌姫のオンステージ、その人数は48人」

何処かで聴いた人数だな。

「え~と」

「昔にこの地に来た、異世界人から教わった物だから見ごたえありますよ…金貨3枚です」

かなり高いけど、まぁ良いか。

「それじゃ見させて貰おうかな」

「はい…金貨3枚、それじゃ3時間のオンステージ、楽しんで行ってね」

「えっ、貰えるの?」

「ハァ~当たり前ですよ」

お金を払うんじゃなくて貰うのか。


◆◆◆

凄いな。

豪華なソファに取り放題のブッフェ、ドリンクバー。

しかもお客は俺1人だ。

適当に取ってきてソファに腰を下ろした。

此方がソファに座ったのを見計らってステージが始まった。

「今日は私達のステージに来てくれてありがとう!」

前の世界のアキバ系アイドルの衣装を更に短くした様なデザインでパンチラどころかパンモロだ。

俺は余りお金が無いから、コンサートやライブに行った事ないんだよな。

取り敢えず拍手をしておいた。

「えっ、男性が拍手?」

「まさかの脈あり?」

「あんた達、此処はステージなの、集中して行くわよ」

彼女がリーダーなのか…歌を歌い始めた。

凄く、心に響く歌だ…

だって、この歌は前の世界の歌だ。

俺は結構、あの世界が好きだったんだな。

懐かしいラブソングにアニソン…心が震える。

CDもDVDも無い世界だけど、歌はあったんだ。

本物と同じように感動した。

気がつくと俺は涙を流していた。

◆◆◆

「以上で終わります」

アンコールをお願いして10回目…よく対応してくれたもんだ。

「それで、このあと握手会も良いでしょうか?」

「あっ、はい」

俺がOKしたら横に箱が置かれた。

「それじゃ宜しくお願い致します」

「はいはい、1人10秒、銀貨1枚、必ず箱に入れて下さいね」

「「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」」

これも俺が貰うのか?

「あの、宜しくお願いします」

「はい」

どう見てもアイドルみたいにしか見えない彼女達が顔を赤くしながら握手をお願いしてくる。

「あの、また来て下さいね」

「また来ます」

「カッコ良いですね」

「それをいうなら貴方も綺麗ですよ」

「本当?」

「はい」

「ちょっともう10秒過ぎているわよ」

「クソっ」

凄いなこれ…

気がつくと48人の握手が終わった…

誰一人名前を言わないのはそういうルールらしい。

「「「「「「「「「「それじゃまた来てくださいね」」」」」」」」」」

アイドル、いや48人の歌姫に見送られて俺はライブ会場を後にした。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る

イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。 《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。 彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。 だが、彼が次に目覚めた時。 そこは十三歳の自分だった。 処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。 これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

超文明日本

点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。 そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。 異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。

処理中です...